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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

宋史巻436 - 維基文庫

2017年04月11日 | 数学
 宋史/卷436 - 维基文库

  亮自以豪俠屢遭大獄,歸家益厲誌讀書,所學益博。其學自孟子後惟推王通,嚐曰:“研窮義理之精微,辨析古今之同異,原心於秒忽,較禮於分寸,以積累為工,以涵養為正,麵盎背,則於諸儒誠有愧焉。至於堂堂之陳,正正之旗,風雨雲雷交發而並至,龍蛇虎豹變現而出沒,推倒一世之智勇,開拓萬古之心胸,自謂差有一日之長。”亮意蓋指朱熹、呂祖謙等雲。

 上は、西郷隆盛の筆で有名な陳亮(竜川)「推倒一世之智勇,開拓萬古之心胸」の元来の文脈を確認する目的で、維基文庫版でのあたり段落ぐるみをざっと引いたのだが、よくよく見ればたいへんなことが当の句の前後、とくに前に書いてある。

宋栄培 「略論利馬竇向東方文人介紹世界地図和演繹法思惟的意義」

2017年03月13日 | 数学
 【全文】略论利玛窦向东方文人介绍世界地图和演绎法思维的意义 宋荣培 嘉应学院学报

 伝統中国において(原文では“東方”=アジアではと不注意にか故意かは不明ながら地理的範囲を拡大しているが)、医者の実際上の知識や経験則と彼らのもつ医学理論がまったく乖離していた状況についての指摘はあるものの、その原因の究明はない。いや正確には原因としてある理屈が書かれてあるのだが、私には理解しづらい。25頁。これでは乖離の反対で緊密に連結しているはずではないのかと思える。中医にかぎらずマテオ・リッチが西洋の学術を持ち込むまで中国(知識)人の推論は帰納主体であったという全体の論旨はその通りとしても、それが中医学の経験論的思考様式の説明にはなっても、彼ら中医の理論がなぜいわば“机上の空論”であるのかの理由の説明になるわけではない。

鈴木峻 『扶南・真臘・チャンパの歴史』

2017年03月10日 | 数学
 版元トッドコムの紹介

 非常に興味深く、また面白い。興味深いのは独自の関心と視点に基づいているからで、面白いのは仮説を立ててそれを立証するという行き方を取っているからである。同じ著者の『シュリヴィジャヤの歴史』(出版社同じ、2010年5月)も読みたくなった。

(めこん 2016年12月)

ヒューリスティクス - Wikipedia

2017年03月04日 | 数学
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9

 「なお、論理学では仮説形成法と呼ばれている」として「アブダクション」の項に飛ぶので仰天している。面倒くさくて「だいだいこんなところだろう」と、厳密な帰納の果ての「もしかしたらこうでもあるかもしれない」が、一緒なのか
 abduction (abductive reasoning)は、ヒューリスティックよりも勘intuitionに近いのではないか

Review - The Greeks and the Irrational - Philosophy

2017年03月04日 | 数学
 http://metapsychology.mentalhelp.net/poc/view_doc.php?type=book&id=2503

  In The Greek and the Irrational, first published in 1951, E.R. Dodds (1893 - 1979) investigates the question of whether the ancient Greeks were really insensitive to the presence and importance of nonrational, religious elements in human experience. (下線は引用者)

 タイトルとは違い、ここ(書評)では、"irrational"ではなく"nonrational"という語彙(形容)が使用されているのが興味深い。「rationalではない」のではなく、「rational(ity)じたいが存在または機能しない」。

サイエンティフィック・アメリカン編 遠山啓監訳 『現代数学の世界』 2 「空間の征服」

2017年03月03日 | 数学
 古代ギリシアの人々は,自然の真理を演繹することに熱中したので,その数学はとにかく,自然界の真理に立脚したものでなければならなかった。幸いなことに,次のような“一見して自明な”真理が彼らの手もとにあった。

 二つの点は1直線を決定する。
 直線はどちらの方向にも無限にのびている。
 すべての直角は等しい。
 重ね合わせることのできる図形は合同である。〔後略〕
  (モーリス・クライン「幾何学の世界」 本書12頁)

 まさに現実として“一見して自明”なものである。すこしでもそうでないものは、ユークリッドは公理ではなく公準として区別した。
 “一見して自明な”自然の真理から出発するがゆえに、もしここの記述が事実であるとすれば、古代ギリシア人はその真理を“演繹することに熱中した”のであろうか。

(講談社 1974年2月)

サイエンティフィック・アメリカン編 遠山啓監訳 『現代数学の世界』 1 「数と人間」

2017年03月01日 | 数学
 古代エジプト人は数学の問題をすべて試行錯誤で解いたといわれている。 (J・R.・ニューマン「1 リンド文書の謎」19頁)

 それでは解法の説明はできないだろう。していないのではない。そんなものははなから有りはしなかったのだから。

 (講談社 1974年1月)