「藪の中」から何かでた。

2011-09-28 10:11:52 | 塾あれこれ
こちらから自分の考えを、聞かれもしないのに
生徒に押しつけるのは最悪です。

しかし何か聞かれたときに自分の考えがないようでは
「人に教える」立場につくことはできません。

もちろん相手によりどのような話をするかは
状況に合わせて変化します。

自分と一般論が違っている場合、まず一般論を話し
場合によって個人的見解に触れる場合もある、くらいが
穏当なのでしょうね。
学年が低い場合は一般論だけをいうのが普通。

「一般にはネ」と前ふりをしての説明です。

では「自分の考え」は必要ないのでしょうか。

相手から一歩突っ込まれた場合、自分が人間として
それに向きあえるか、その準備が常にあってこそが
ブレない教育の基本でしょう。

一般的な意見と同じであれ、違うものであれ
こういう根拠で自分はこう思う!が重要です。
できればあらゆることに。

そこで、何にでも首を突っ込む、分不相応のブログに
なってしまいました。

しかし「偏ったことを教えないためにこそ自分を確認する」
ということは実際にはなかなかご理解いただけません。

「ま~、かたよった人だこと!やはり塾だわねー。
 うちの子をそんな塾にはやれないわ」

無自覚であることの方が大いに危険なのですが
それは別の機会に書きます。

突っ込んだことでも自分の考えを表明するのには
もうひとつ理由があります。

自分の正体を隠した偽善者的な教育はしたくない
と思うのです。

少なくとも保護者の方には、私はこんな人間です、
こういうふうに生徒に接しています、ということを
なるべく正直にお伝えしたい。

教育はこうでないと安心できないでしょう。

経営にマイナスになるかもしれないからホンネは
控える、というのが現在の日本風ですが、
そんな先生に教えられて、自覚的な国際人が育ちますか?

我々は自分のために仕事をするのか、生徒のためにか?


前置きが長くなってしまいました。
前外務次官の藪中氏が米国に向かって発言した内容が
ウィキリークスによって明るみに出されました。

オバマの広島長崎訪問は時期尚早だ、と伝えたのです。

中学生くらいならば質問の対象になるニュースですね。

で、これをどう考えるか、どう教えられるか?
絶望的ですよね。
この無茶苦茶なありさまを伝えられるか?

まず、ニュースが出た後の外務省のコメントですが
「違法な手段によったリークは相手にできない」

自分にはコメントしようもない、都合が悪いことがバレたと
外務省自身で白状しているようなもので、極めて拙劣な対応
なのですが、これ一本やりで簡単に通ってしまう怖さが
ずっと日本にはありました。
まだ一定の効能がありそうな雰囲気です。

「機密だ、安全保障だ、推測には答えられない、証拠が
あるか、・・・」
厚顔もよいところなのですが、それで押し通せちゃう。
見え見えのウソでも平気なのです。

大なり小なり、世界中で起きることのようで、結果的に
ウィキリークスが一定の支持を得ちゃうのですね。

例えばカミサンがダンナの通信を勝手にチェックして
浮気の疑いを確認した時
ダンナが「不正な手段で得たその浮気情報に関しては
コメントできない」といって、通りますかね。
問題は浮気そのものなのに。

高級官僚の世界ではそれがまかり通るのです。

これを生徒にどう教えられますか?


推測でしかありませんが、外務省が米国から頼まれた
のではないかと思います。

オバマはヒロシマ訪問を検討している、しかし米国の
軍人ほかでは「謝罪」などを大問題にするだろう。
面倒な問題は起こしたくないので日本から時期尚早を
言いだしたことにしてくれないか。
その代わり式典には在日米大使を出す。

外務省は米国の出先機関みたいなものですから
二つ返事です。
そうして公電が残った・・

日本国民の付託を受けて米国のために働く、そんな官僚って
アリですかねえ。
・・オオアリだった。。。

国民は怒らなければなりませんが、マスメディアは
この一件に触れないように動いているようですね。
これも同じ穴のムジナたち。

公電の文面には「謝罪できない以上、来ても」とも
書いてあるようです。
アメリカのためと言いつつ、後々のためを抑えた
官僚らしいレトリックなので
「両国政府は世論の期待を抑えなければならない」
「よって時期尚早」
こちらに重点があることは明らかです。

まさかここで外務省が米国に強く謝罪を求めているわけは
ないですからね。

外務省は国民の意見はそっちのけで米国の都合を下請けし
恥ずべき発言をしているわけです。機密裏に。

公僕であるどころか逆に(バカどもが騒がぬよう)
と言いたいらしい。
エリートといわれる人々のホンネが見えますね。

結局「日程の都合がつかない」という理由で
広島長崎には訪問しませんでした。

核を解決する方向への重要な一歩を踏みだせたかも
しれないのに。

それより「世論の期待を抑える」ことが大切らしい。
どこが民主国家なのでしょうか。


「大騒ぎしない形での質素な訪問」ならばという
文言が付け加えられているようですが
米大統領がどうやればそういう訪問ができるのか
具体案があればお伺いしてみたいものです。

ギャグかなあ?

『藪中が妙な声だす、恥ずかしさ』