『花笠道中』から空洞化へ

2011-09-01 10:35:10 | 塾あれこれ
『花笠道中』ご存知ですか?
そうです、美空ひばりの
♪これこれ石の地蔵さん、で始まるあの歌。

私が少年のころ流行りました(古いね~)

調べると昭和33年だそうで、私9才、
もう、物悲しさが分かり始めたころです。

いえね、これはただの話のマクラです。
今日は『花笠道中』はこっちへ置いといて・・

同じころに尾道で初めてスーパーが出来たように
記憶しています。
「なんだかハイカラで安いお店らしー」

大都会の流れが地方都市にも及んできたのでしょう。
早いといえば早いですね。
日本では昭和20年代後半からスーパーが出来始めた
ようですから、尾道まで5~6年ですか。

しかし多くの日本人はこれが小売業で現在のように
大きな役目を果し、従来の個人営業店を圧迫するとは
思ってもいなかったでしょう。

何しろ
♪ぽっかり浮かんだ白い雲・・・
 愛し殿御の心のうちを、雲にお聞きと・・
こんな歌詞がフィットする時代でした。

東京オリンピックの6年前、
今上天皇が皇太子で、ご成婚が翌34年です。
パレードを見ようと全国でTVが売れたのは有名ですね。

日本が経済発展をしてゆくとともにアメリカ式の
資本にモノをいわせる小売業が力を得てゆきます。

価格がイノチなのですね。
安ければ遠くへ買い物に行く、これが賢いと喧伝された
のを記憶しています。

本当は資本主義には別の形態もありえたはずですが
アメリカ風なそればかりが力を得ました。
米国化する戦後の日本を象徴していますね。

少し高くても町内のお店で買う、これが地域を支える
ことなのに、自分で足元を崩したのです。

ついには小さな店が駆逐されちゃって地方都市では
シャッターが降りたまま地域社会が崩壊してしまった。

アメリカ文化に染まっちゃったのは、団塊世代と
その親の世代(!)の責任が重大です。
戦後教育に責任を押しつけてはいけません。

小売業からの社会崩壊が変容し、今、会社発の崩壊が
起きはじめてています。
製造業やサービス業などなど。

更なる列島沈下を団塊の世代は見届けるハメに
なっているようですね。

資本規模や販売価格が会社のイノチとして
ボーダレスが当たり前になり、人も会社もどんどんと
移動してゆきます。
日本に居る必要がなければ出てゆくだけ。

国境や日本語、日本文化が守ってくれる時代では
ありません。

やむをえない事かもしれませんが、駅前シャッター通りを
拡大再生産してどうなるのでしょう。

逃げてゆく会社も本当にそれでよいのか。
日本に住む人は幸せが増すのか。

MADE IN JAPAN のお蔭で会社が強くなったのですが
それには、頭脳・知識・経験・倫理などが集約した
空間があったからです。
また、これからも緻密な空間は必要であるハズです。

ボーダレスで海外に出てそれが保証できるでしょうか。

IT化が進めば時空は乗り越えられる・・・ホント?

フェイスブックでお友達になってどこまで信用できます?
ネット会議より井戸端会議が有効なこともあるのです。

今後、人や会社の流出は続くでしょう。
失敗するおそれも強いと思います。
そのとき戻ってくる日本が集積回路のごとき長所を凝縮した
社会を維持できているかどうかがその後を左右します。

結局、人材育成にかかってきますね。(我田引水か・・)

成熟社会の子は勉強しないですから大変です。

してもらわねばならないのですが量を増やして詰め込むだけ
しかノウがないなら、途上国の連中には勝てません。

西欧型の授業(未だに日本はそれを目指していますが)では
西洋人に勝てません。
人の土俵に上がってはいけないのです。

では、日本古来の歴史的試練を経てきた教育法は?
今の学校に通う生徒にフィットさせるには?

・・・

『花笠道中』の♪流れて消える白い雲
どこかさびしいのは半世紀前の予言なのでしょうか。

それでもあのころは明るかったですね。
厳しくて、しかし見通しがあって、淋しさを知った明るさ。

今は甘ったるい明るさ、国家の運営にいつ地震が襲うか。
いつか分からないというだけで放っておく無責任。