映画『サルガド』

2015-09-15 18:17:42 | 映画
映画『セバスチャン・サルガド』を見ました。
期待通りの映画です。

サルガドという天才をヴィム・ヴェンダース他が撮った
ドキュメンタリです。

超有名な人間だけに、あらためて映画にしなくても
みんな知ってるぞ、なのです。
が、忠実に作品を捉え、人間が浮かびあがります。
さらには「人間と言うもの」も。

人間ってのはどうしようもない、とも取れます。
こんなに残酷な生き物が他にいるか。


前期の報道写真も素晴らしい。

他の報道写真家は、現場に行って伝えるだけです。

サルガドは、ものすごい芸術になっています。
ドラクロアの名画のような美しさ。

構図だけでなく、取られている人の状況が
劇的に表わされています。

それも、場所や対象ががらっと違うのに。

私など小さな人間から見れば「ほんとかよ」
なにかヤラセでもしているのか、と思うくらいです。

そして後期の動物写真をみてびっくり。

劇的にサルガドの世界です。

危険な動物相手じゃヤラセは不能です。


映画の中でも言っていましたが、
同じ時、同じ場所にいても人が違えば写真は
違うのです。

出来た作品が人を語る。

山頭火=71

2015-09-15 09:44:34 | 句など
昭和12年、山頭火も晩年です。

山『ぼろ着て着ぶくれておめでたい顔で』
井 「ぼろばかり着ぶくれ ぽつん御目出度い」

山『とんからとんから何織るうららか』
井 知らない世界は羨ましく見えるだけ。

山『死ねない手がふる鈴ふる』
井 死ねないとは他人のことか、ご自分か?
  老いれば震顫もくる。行乞の鈴振り

山『その一片はふるさとの土となる秋』
井 よく分かりませんが、戦死の人を詠んでいるようです。
  「ふるさとの土に還らむ骨一片」