「長生きの秘訣って・・」

2011-11-21 20:10:31 | 塾あれこれ
「よい天気ですね」「ええ」
人は挨拶を交わします。

犬だってネコだって会えばお互いやってますね。

人は主に言葉で行います。
天気のことなど誰でもわかっているので
「寒いですね」などと
ワザワザいう必要は、本当はありません。

司馬遼太郎が描く村田蔵六(大村益次郎)は
挨拶をリクツで済ますものだから、村人からは
変人と思われていました。
(分かり切ったことの会話は無駄口であると)

人は意味のないことでも言うことが大切。
いやむしろ意味のないことを言うことが大切なので
「今時、ユーロ圏の経済危機は・・」などでは
挨拶になりません。

あなたは「こんちは」だけの人ですよ、とか
「こんちは、今日は良い天気ですねえ」の人か
立ち止まってもうすこし話す人か・・
会話時間の量こそがサインになります。
(ご婦人は長いとか聞きますが。。。)

気を使っていますよという意思表示が重要なのでしょう。

トビコミの営業マンが「おくさん!お若い!」
なんて年齢を確認するまえから口走っても大丈夫なのは
やはり(気を発信している)からでしょう。


もちろん人の会話でも、意味がない言葉を発してはいけない
レベルもあります。

先日、ドキュメンタリ映画の中ですが高齢の大田堯さんに
とある公演会場で(質問!)としてマイクを持った若者が
「いつまでも活躍される秘訣は?」などという下らない
質問をしていました。
大田先生、ウンザリの御様子でしたが流石ですねえ。
笑いをとる話で答えておられました。

質問のための質問、をしたくてこんな失敗をする若者は
多いと思います。
(私はどうだったかなあ)


長生きの秘訣など、あろうはずがないことをなぜ聞くのか?

「意味がない質問」の延長にあるものならば理解できます。
しかし、TVのインタビューなどではどうなんでしょう。

「お元気そうですね、長生きの秘訣を教えてください」

当人がコンブを食おうがラジオ体操しようが、それが
いったい何じゃっちゅーねん。
少なくとも当人が思いこんでいるだけの話で
正しいかどうか、逆に長寿の足を引っ張っているかも
しれないことを聞いてどうなるというのでしょう。

他人にも当てはまる事だと信じるのでしょうか。
・・・アホじゃ。

それとも、どうでも良いと知りつつ聞くのでしょうか?
・・どんな神経?

応えるほうも結構シラケていたりしてねえ。
「阿呆」とも言えないので聞かれた老人が心遣いして
適当に無難なことを答えているのじゃないかなあ。


では

「センセイのとこ、近頃はいかがですか?」
「ええ、相変わらずですねえ」

これは時候の挨拶なみなのでしょうか?

それとも苦笑しているのを誤魔化した返事なのでしょうか。

もしかすると時間だけ掛けて内容がないほうがよいタグイ
かもしれませんから、真面目に答えるのは不可かも。

良ければ妬まれるし、悪けりゃ「ふふん」と笑われるし。

こういう付き合いは苦手です。
かといって、しなきゃなにか言われそうだし。