ETV特集「ジンタは心の行進曲」

2010-12-15 10:49:27 | 塾あれこれ
いつもこれくらいのドキュメンタリーを
製作してほしいですね。
短編映画としても成り立つほどの内容でした。
TVドキュメンタリーとしてはほぼ満点かな。


ジンタといえば私などはサーカスを思い浮かべます。
明るくて、どこか哀しくて。

戦前は全国に在ったらしい少人数の吹奏楽隊ですが
太鼓、トランペット、サクス、クラリネットなど、
賑やかな音楽を奏で人々を楽しませたそうです。

私などはチンドン屋みたいに思うイメージがありますが
さすがに、そこまで言うと叱られてしまいますか。

兵士の出征の際にも盛り上げに欠かせなかったようです。

娯楽の少なかった時代、良きにつけ悪しきにつけ
当時の庶民レベルでの西洋音楽ですから今の耳で
評価するのは妥当ではないでしょうね。


それにしても『石巻市北村、大沢ジンタ』は強烈。
グチャグチャで、笑えます。

最後の農村ジンタとかテロップが流れていましたが
一番若くて70歳、年上が85歳
いつ解散になってもおかしくない(失礼)バンドです。

近隣からお声がかかるとどこへでも出張し
プカプカ・ドンドンと演奏されます。
お客さんはあまり耳を傾けてくれないようで
まあ仕方がないですかねえ。

ムセちゃうような音の外れ方をしていますから。


美しい田園風景、苦境の農業、そういうなかで
カラリと明るく、いかにも東北人らしく粘り強く
生きておられるオジイたちにいつのまにか
感情移入していました。

ドキュメンタリーには造り手だけでなく
映される側の引力で見てしまうものがありますが
何も著名なことをしていないのに、スゴイ。

人が生きると云うことはこういうことだった。。。


ナレーションが入らない、すっきりとした番組で
60分があっという間に過ぎました。

未見の方にはぜひお勧めします。