『冬景色』

2010-12-02 21:58:41 | SONGS
文部省唱歌『冬景色』
我々の世代ではよく知っている唱歌の一つです。

♪さぎりきゆる みなとえの ふねにしろし あさのしも

子供でも情景が目に浮かぶようでした。
クリアーな歌詞のように思っていましたが
詩のセンスがないせいか、ちょっこし?も
あります。

それでよく句などひねろうとするものだと
我ながらアキレます。


受け取る側の自由、好き好きではあるのですが
たとえばこの情景はいつごろのものか?

冬の入り口か、真っただ中か、
私にはよく分からないのです。
センスのなさゆえでしょう。

さぎり、しも、だから冬の入り口かもしれません。
でも真っ白で静寂な世界は真冬が似合うか?
子供に教えるとしたら、両方あるとしても
自分ならばいったいどっち?


じつは「舟に白き朝の霜」と思っていました。

白きが霜に掛かるのですから「連体形」=白き、です。

けれど、それではイメージが弱いようです。

舟に白し で切れ、朝の霜と倒置法的に続ける方が
良さそうです。


「しろし」は色のホワイトか、はっきりしているという
「著し」か。

こういうところがセンスある人は迷わないはずなのです。


舟は船か? 小さな舟が私好みではあるのですが。

水に浮いている方がよいか
浜辺に引き上げてある方がよいのか。


「水鳥の声はして」か「声和して」か
何に和するのか。
複数の鳥の鳴き声か?一羽なのか?


「未だ覚めず岸の家」
ここが子供心に好きでしたが
これこそ連体形で「未だ覚めぬ岸の家」ではないか。

いややはり「覚めず」と切るほうがよいのか・・・

はっきりとした情景が浮かぶ歌詞だと思っていたら
案外と悩まされるのです。

(追記)
三・三・五の調子も良いのでしょうね。
七・五調にすると情報は盛れますが、重くなります。

たとえば
「朝霧うすれ みなとえの 水面孤舟も 霜降りぬ
 小鷺浅瀬に 佇みて 覚めぬとま屋を 訪ね鳴く」

情景を書こうとしているだけでポエムになりません。

詩とは難しい物ですね。