映画『はんなり』

2010-12-07 10:50:56 | 塾あれこれ
京都・花街の世界をハリウッド資本が
日本人女性監督に撮らせたドキュメンタリーです。

美しい京都の四季に息づく「総合芸術としての
芸者という存在」を分かり易く紹介しています。

主に外国人向けのCM映画ですね。
京都の花街が自らの売り込みでタイアップしています。
普通ならば撮れないであろうお座敷を撮影出来たりして
いますがPRだから当然かもしれません。

お蔭で、美しい世界、すごい世界、厳しい世界など
コンパクトに見渡すことができます。

日本では若い人が簡潔にその世界を知るという役には
たちそうです。

ただ、私には表面的すぎる印象が残りました。
宣伝というものは、この程度かなあ。
作者の目を強く出すとまずいかもね。

長く生きていると様々なメディアを通して既知のことも
増えてしまうので、紹介映画では物足りないのでしょう。

逆に言うとあまり知らない人には手ごろかもしれません。


美しい芸子さん舞子さんの世界を見ようという目的以外に
芸事の教え方にも関心がありました。(←本当かなあ)

厳しさは残しながらも、やはり現代化しているようです。
優しく、丁寧に。
それでも辞めてゆく若い子が多いそうです。

教育だけの問題ではないでしょうが、厳しいことに
耐えられないのでしょう。

入ってくる気持ちが安易かもしれません。
いや、昔から続く子は少なくて、根性がある人だけが
立派なプロになることができるともいえるのす。


踊りの先生が映画中でこう言われました。

「歌舞伎の役者には一度だけ教える。 
 芸者さんには五度だけ。
 素人さんには出来るまで教える。」

「教えない」の一つのかたちですね。


花街の文化も継承が大変だそうです。
いずれ観光用としてだけ生き残るのかもしれませんね。
映画を見る限りでは芸事が衰退し始めているようです。

世界中の伝統文化がかかえる問題でしょうが
日本国ではアイヌの観光村みたいな伝統継承です。
残すだけでも立派とも言えるのでしょうけれど・・・

(追記)
カミサンがNHKのトラッドジャパンみたいだねって。
賛成。