C57密閉改造機は全長が長くなっている!

2010-04-03 | 国鉄時代
新開発「伸縮ドローバー」を生かして機炭間を実物通りとしたC57を設計していて「おかしいな」という事態に立ち至りました。

キャブ密閉改造機が「成り立たない」のです。

次期蒸機製品であるC57は三回に分けて生産します。
密閉キャブ改造機が加わるのは二回目の生産の時です。

設計していて「成り立たない」不思議を解明する為、設計者と技師長が世田谷公園のC5757を測りに行ってきました。

其処で判明した驚愕の事実!

密閉改造機は全長を20cm程延長していたのです。

テンダーの台枠を前方に延長してあり従輪~テンダー車輪の軸間で20cm伸ばしてあります。

最初から密閉キャブの「C55流改」はキャブ形状そのものが全く異なります。
あれはああいう形だからこそ短い全軸距の中に密閉キャブが収まっているんだなと思い
ます。
流改;C55二次型から全軸距は短くなっていてC57も同じで18m(60ft)転車台に対応可能としたはずですが北海道にはそのような転車台は無かったということでしょうか。

また、焚口と石炭掻出口の距離が20cm伸びてしまいますが問題なかったのでしょうか。室蘭本線は開放キャブと密閉キャブが半々に居たはずです。

こうなるとD51はどうなのだろうかと気になります。D51には意外に密閉改造機は少ないのですが、テンダー前端部を斜めに欠取るだけでなくテンダー台枠延長まで必要な大工事であったとするなら(少なくともC57に於いて)昭和35年以降あまり行われていないのでは?という密閉改造のやらなくなった理由も解ろうというものです。

蒸機については意外に時代によっても千差万別があることも考えられますのでさらに調査を続けていきます。