新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

とんだお笑い

2008年10月12日 08時53分54秒 | 身辺雑記

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 今朝は明るい。風が吹いているが、さほど強くはない。写真はその空模様だ。

 幾つかのニュースに驚きながら、のろのろと起床した。

 今日のブログは、「中島公園deエッセイsay」のnakapaさんの記事で思い出したことを書きたい。

 私の仕事仲間、M氏の武勇談である。武勇談と言っても、荒っぽい話ではない。つまり酔いっぷりの話だ。お笑いと言ったほうが適切かもしれない。

 今から15年ほど前、同じ職場内のグループで、旅行をする仕来りがあった。その仕来りに従い、10人ほどで、近くの温泉場へ一泊旅行をした際のことである。

 例によってコンパニオンに入ってもらい、下手なカラオケや余興を行い、全員がすっかり出来上がった。

 もはやこれまで。手際のいい幹事が、「お開き」を宣言した。つまり、「十〆三本」で締めた。

 もちろん飲み足りないヤツは、外へ行く相談ができていたかもしれない。

 私にはそんな元気もなく、野心の持ち合わせもない。風呂に入って寝る算段に入っていた。

 一同がほかの宴会場脇を、ダラダラと通り抜けようとした。カラオケの真っ最中だった。

「………?」 一緒に歩いていた仲間が、一様に聞き耳を立てた。聞き覚えのある声なのだ。

 戸の隙間から覗いてビックリ。

 我々グループのM氏が、よそ様の宴会に闖入して、マイクを手に熱唱中ではないか。

 驚いたことに、その宴会の連中も、自然体で聞いている。ヤジも飛ばない。

 我が同行の幹事が慌ててその会場に入り、M氏を引き取ってくる羽目になった。

 その幹事がマイクを取り、「ムニャムニャムニャ……」と、詫び言を入れた。

 幸いなことに、大宴会の人々から非難の声は上がっていない。むしろ、「もっと唄えっ!」とヤジが飛ぶ程度だった。その宴会場も、大いに酔っぱらっていたのだ。

 よかった、よかった。我々一同は、一様に胸をなで下ろした。

 ところが、M氏だけはブツブツ言っていた。マイクを取り上げられことが不満だったのだ。

 M氏に、「どうして入っていったんだい?」 私は聞いてみた。

 M氏曰く、「あっ、この歌は歌えるっと思ったから、歌ったんです!」と、アッケラカン。

 もともとM氏は演歌が好きだった。どちらかと言えば、ド演歌調派だ。

 トイレから戻る途中、その宴会場から好きな歌の前奏が流れていた。「あっ、これはオレの歌だ」 そう思って、ステージに上がったらしい。

 呆れた話なのだが、こともなく収まった。おおらかな人たちだったので助かった。

 次の朝訊ねたところ、昨夜の所業について、M氏はまったく記憶していなかった。

 もう一つ、M氏には愉快な話(本人にしてみれば痛い話?)があるのだが、これは約束なので言えない。もちろん、法律に触れることでもなく、婦女子にかかわることでもない。

 M氏と言えば、謹厳実直居士。それだけに、このエピソードは忘れられない。

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22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほんとに愛嬌とも言える失敗で憎めませんね。 (だんだん)
2008-10-12 10:20:44
ほんとに愛嬌とも言える失敗で憎めませんね。
大好きです、こういうお話、エヘッ…

お酒は酔うために飲むんでしょう、
との言葉に、また失敗をものともせずに・・・
返信する
だんだんさん、今日は。 (ひよどり)
2008-10-12 12:10:30
だんだんさん、今日は。
お笑いの一幕でした。
普段は真面目一方な男なので、落差の大きさにサプライズがありました。
返信する
酒に限らずほどほどがよいと感じる齢になりました。 (まさやん12)
2008-10-12 15:39:31
酒に限らずほどほどがよいと感じる齢になりました。
アルコール依存に陥らない適度の酒は人生を豊かに
し度を超すと悲惨な人生を招くことになるのでしょうね。
経験者は語るではありませんが、平凡な日常と「酒のない人生の素晴らしさ」を感じながら生きています。
愉快なエピソードに笑ってしまいました。素敵なブログですね。
返信する
 酔うということは、ときには良いことかも。辛い... (太郎ママ)
2008-10-12 16:02:08
 酔うということは、ときには良いことかも。辛いとき忘れるほど飲むとか言いますものね。
 何にも覚えていないって本当かしら? と疑問を持ちますが、あるのですね、意識外の時間って。
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こんにちは・ (れんげ)
2008-10-12 16:19:17
こんにちは・
私達グループも若い頃は旅の恥は掻き捨てなどといって
旅行に出ると結構はめを外していました。
悪さはしないが元気が有り余っているのでしょうね。

楽しい想い出でよかったですね。
返信する
私は酒の方は余り飲めませんが、嫌いではありません。 (霧の中の散歩)
2008-10-12 17:16:23
私は酒の方は余り飲めませんが、嫌いではありません。
一合ほどですが、毎日飲みたいです。
酒の好きな方で、人間関係に恵まれている方は、人生も豊かで、経験豊富ですね。エピソードも多くあるようですね。
類を持って集まると言うのは感じます。
私の地元の親しい友人で、酒の飲める人は殆ど居ません。私が最も親しくしている彫り物の師匠は一滴も飲めません。彼が少々でも酒が飲めたら、と度々思います。
返信する
酒は好きなのですが、一定量以上は飲まないように... (オコジョ)
2008-10-12 17:29:57
酒は好きなのですが、一定量以上は飲まないように気をつけています。
しかし、気のおけない仲間だと、つい適量を越えることがあります。
どう帰ったか、記憶にないことも・・・

酒を飲んで、いきなり、崩れる人はいますね。
それも、普段は「謹厳実直居士」の人に多いようですね。
泥酔で、蛸になったものを家まで、送って、奥さんに怒られたことも・・・
そして、本人は覚えていない・・・

でも、この話しは、楽しいですね。
普段の鬱憤が出たのかもしれません。
人間たまには、こういうこともあってもいいのかもしれません。
でも、やはり程々に、楽しく飲むのが一番ですね。
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いい青空ですね。自分が空を見上げている気分!  (min)
2008-10-12 17:50:32
いい青空ですね。自分が空を見上げている気分! 
返信する
まさやん12さん、今晩は。 (ひよどり)
2008-10-12 18:23:42
まさやん12さん、今晩は。
まさに「ほどほど」の生活は素晴らしいですね。
私もここ一年ほど、酒からは少し遠のいた生活です。
受け付けないわけではなさそうですが、酒と向きあう生活ではなくなりました。
酒の話は、昔ばなしになりましたね。
返信する
太郎ママさん、今日は。 (ひよどり)
2008-10-12 18:28:39
太郎ママさん、今日は。
意識外というより、忘れるのだと思います。
私も「昨晩のこと、まったく記憶にない」ことが幾度かはありました。
そのときなりに判断して行動したのでしょうが、翌朝は覚えておりません。
冷や汗ものなのですが、恐る恐る聞いてみると、それなりの行動していました。
M氏は大胆になるクセがありましたね。
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