童謡の「しゃぼん玉」が好きだ。
昔から、愛唱歌の一つだった。
孫がまだまだ小さかった頃、唄って寝かせたこともあった。
野口雨情が作詞し、作曲は中山晋平。大正11年に発表された。
しゃぼん玉は虹色をしていて美しい。
どんどん膨らんで、やがて空中に浮遊し、ふわふわと飛んでいく。
やがて、パチンと壊れてしまう。
野口雨情は小樽時代、生まれたばかりの長女を喪っていた。それがモチーフになっていたのだろうか。否定する説もあるようだが……。
♪ しゃぼん玉消えた 飛ばずに消えた
生まれて直ぐに こわれて消えた
風 風 吹くな しゃぼん玉飛ばそ ♪
この童謡と娘の死を結びつける必要はないかもしれない。
童謡を離れても、あるいは野口雨情の事情を抜きにしても、私にはしゃぼん玉に明るい未来だけを描くことはできない。
しゃぼん玉ひとつ一つのニヒリズム 鵯 一平
もちろん、今の経済情勢や貧弱な政治体制のみに言うつもりはない。
すべてに言える「存在の不確かさ」かもしれない。
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