新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

ニヒリズム

2010年04月05日 08時16分26秒 | 写真俳句・エッセー

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 童謡の「しゃぼん玉」が好きだ。

 昔から、愛唱歌の一つだった。

 孫がまだまだ小さかった頃、唄って寝かせたこともあった。

 野口雨情が作詞し、作曲は中山晋平。大正11年に発表された。

 しゃぼん玉は虹色をしていて美しい。

 どんどん膨らんで、やがて空中に浮遊し、ふわふわと飛んでいく。

 やがて、パチンと壊れてしまう。

 野口雨情は小樽時代、生まれたばかりの長女を喪っていた。それがモチーフになっていたのだろうか。否定する説もあるようだが……。

    ♪ しゃぼん玉消えた  飛ばずに消えた

       生まれて直ぐに   こわれて消えた

       風 風 吹くな    しゃぼん玉飛ばそ ♪

 この童謡と娘の死を結びつける必要はないかもしれない。

 童謡を離れても、あるいは野口雨情の事情を抜きにしても、私にはしゃぼん玉に明るい未来だけを描くことはできない。

 しゃぼん玉ひとつ一つのニヒリズム  鵯 一平

 もちろん、今の経済情勢や貧弱な政治体制のみに言うつもりはない。

 すべてに言える「存在の不確かさ」かもしれない。

 別館として、写真俳句ブログの「ひよどり草紙」を開いてます。

 ご覧いただけると嬉しいです。

   → こちら

 

コメント (10)
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