「いにしへの賢き御代には、あはれみをもちて、国を治め給ふ」
方丈記の一部です。
(昔の優れた天子様の時代は、国民に対して憐れみをもって政治をなさっていた)
そのような意味でしょうか。
「すなはち、殿に茅をふきても、軒をだにととのへず」
(御殿の屋根を茅で葺いても、その軒を整えようとはしなかった)
・・・・中略・・・・
「今の世の有様、昔になぞらへて知りぬべし」
(ところが今の世の姿はどうか。昔に比べてみると、よく分かるのである)
方丈記は、鎌倉時代に、鴨長明によって書かれた随筆です。
大火、飢饉、大地震などを体験した長明が、人の生と住居の空しさや頼りなさを記したものだそうです。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」
そんな書き出しの方丈記に、私は強く惹かれていますが、上のようなことも書かれてあったので、つい取り出してみました。
「いにしへの賢き御代」に比べ、「今の世の有様」というクダリ、思い当たることが多く、笑い出したくなりました。
今日はエイプリルフールです。
洒落た話をして、大いに笑いたいと思ったのですが、残念ながら駄目でした。
そこで下らない五七五で締めくくります。
万愚節どの道行くも行き止まり 鵯 一平
万愚節とは、エイプリルフールのことです。
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