農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

医食農の統一を考える(4回目)

2007-04-04 20:09:56 | 農を語る

不耕起水田は小動物が豊かに生息する環境私が佐原の藤崎さんの水田に始めて訪れたのは2001年の6月8日でその時すでに水田のなかにメダカが多数泳いでいてサヤミドロも一杯であった。当時は湛水技術が導入される直前であったため収穫後の水田はところどころ乾いていてイトミミズやユスリカ以外のトビムシやダニ類、アブの幼虫などツルグレン装置にかけると多種類の小動物が観察できた。これは慣行栽培、あるいは代をかいた無農薬でアイガモを除草に使う水田と比較して生き物の存在は圧倒的に多かった。

 そして佐原の藤崎水田では不耕起で20年、湛水化して4年目であるが不耕起20年の価値は他にない事例であり、尾瀬の湿原湿地のミズゴケで堆積している沼地と比較できるかもしれない。尾瀬の湿地は貧栄養帯であるが、常時水があって生き物がいて、そこにコメヌカと棚倉断層のミネラル(貝化石)(注)が施される。イトミミズやユスリカに秋からコメヌカの餌が与えられる。トロトロ層の形成はこれら小動物の糞である。そしてそのトロトロ層の下には稲株や切りワラ、古い根など有機物が厚く堆積している。

 田植え後の6月には水の色が白濁したり、ことしは紫色に透明に光っている。赤みを帯びた光合成細菌であるかもしれない。我々の目では色の変化しか判らないが様々な微生物の存在を予想できる。今年藤崎水田で消滅したアカウキクサは窒素を合成する共生菌が存在するらしく、繁殖後水を干しあげると窒素肥料として7~10日後にはイネの葉色が濃くなる。有機認証米でも開始して3年は転換期間としているが、不耕起栽培でも美味しくて本当の味がでるのには3年、5年とかかる。


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