農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

鮭の遡上する栗山川そしてコウノトリの再来を期待して(第7回)

2007-03-02 21:13:22 | 多古の里山

鮭の遡上する栗山川

 鮭の遡上する南限として位置づけられ以前から小中学校の教材として、稚魚の放流は行われてきた。昨年栗山川下流の横芝堰が50年ぶりに魚道をつけて鮭が多古南玉造の堰まで100匹以上遡上した。そこから1.5キロ上流に山倉神社があり、鮭を奉納したという言い伝えがあり鮭を燻製にして健康祈願に出している。12月の第一日曜日には毎年鮭祭りを行っている。1昨年この南玉造の堰のところで鮭が産卵したのをきっかけに上流の山倉神社近くまで鮭を上げたいというのが鮭を見学に来た人々の願いになり、栗山川漁業協同組合や市町村が協力して魚道の設置について検討した。

 昨年の暮れは温暖化の影響か?遡上する鮭の数は大幅に減少した。そして魚道も予算がつき仮の魚道を付けたが、大量の水量で鮭はそこを登れなかった。

 栄町のイネ不耕起栽培を行う水田の近くの川でも鮭の遡上が話題になっているが、不耕起・湛水田で藻類が繁殖し水質が浄化されるににつれ、鮭が安心して遡上できる環境づくりが期待されている。

 また過去にはコウノトリやトキの飛来を裏付ける千葉県の地名にも残っていたり、文献上でも登場する。千葉県の水田は基本的に湿田で、湛水田が当たり前だった。戦後の基盤整備で、冬期の乾田化が追求されてきた。その結果が河川の水質汚染であり、印旛沼・手賀沼の汚染、九十九里海岸に流れる河川の汚染であり、近海魚の減少につながっている。 不耕起・湛水でイネを栽培することで河川や地下水の汚染が解消される。重金属類の不溶性化が水田の湛水化で還元状態になることで可能になり、イネ自体も安全安心の美味しい米となる。1昨年あたりから千葉県香取郡東庄町夏目の堰にコハクチョウやカモが、昨年暮れから旭市三川にコウノトリが1羽であるが来ている。おそらく過去の渡り鳥たちの飛翔が当たり前であった時代の遺伝子が、たまたまこの地域の環境を蘇らせたのであろう。折角渡来した環境が餌もなく餓死したのでは可愛そうである。この地域でも不耕起・冬期湛水の米づくりが始まることを願わずにはいられない。(終わり)


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