kan-haru blog 2007
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彼岸の先祖供養
今年の秋の歳時記お彼岸は、秋分の日の9月23日が「中日(ちゅうにち) 」で、前後3日間の20日の「彼岸入」から26日の「彼岸の明け」までが秋彼岸です。
同様に、春分の日を中心に7日間を春の彼岸と云います。
春分の日、秋分の日は、昼と夜の長さが同じで太陽が真西に沈みます。真西には極楽浄土があるという仏教説から、先祖の霊を供養する仏事が行われるならわしとなり、この時期にはお寺では七日間に渡って彼岸会(ひがんえ)が行われます。
彼岸とは、仏教でいう俗世界に対する佛の世界のことで、現世に対してあちら側という意味です。
家庭では先祖の霊を供養するためにお彼岸の前に仏壇、仏具を綺麗にして、お花やお供物を供えますが、お盆の時のように決まった行事や飾り付け(「大森町界隈あれこれ お盆歳時記 大森町のお盆、先祖供養」参照)はありませんが、一般には家族でお墓参りに出かけて先祖供養をすることが多いようです。
仏壇のお供え物は、一般に秋にはお萩と呼ぶぼた餅を供えます。この名前のいわれは、季節の花に関係しており、秋には萩を、春には牡丹をたとえています。
古河の菩提樹お墓参り
菩提樹のお墓参りは、法事、月遅れのお盆と春・秋の彼岸にはなるべく都合をつけて、家族で先祖の供養を心がけています。今年の彼岸には、彼岸入りの20日にお参りしてきました。
菩提樹は、埼玉と栃木との県境に近い茨城県古河(こが)市にある神宮寺(「小さな旅(2) 菩提寺墓参」参照)で、JR宇都宮線の古河駅まで1時間のところです。
神宮寺(古河市横山町1-1-11)へは、駅前の28階のアプリKOGAの横を北に進み、広場のある道を左折すると県道261号線と交差するので、そのまま直進すると右手の石塀が神宮寺境内(地図赤線、航空写真参照)です。
神宮寺の境内に入ると、右側は檀家用の広い駐車場になっており、ここは以前には由緒ある太田屋旅館があったところで廃業により神宮寺で引き取りました。本堂は、参道を進んだ正面にあります。
日光街道に面した神宮寺 神宮寺正門 本堂
・神宮寺由緒
この寺は、1446年(文安3年) に良宥上人の開基で、もとは鎌倉にありました。1455年(享徳4年)に帰衣が深かった関東公方足利成氏が幕府の追討を受け、鎌倉から古河城に移り古河公方と称し、守り本尊である十一面観音菩薩像を良宥上人が守護してともに古河に移り、古河城中の観音寺曲輪を賜り建立し心城院と称し、後に十一面観音菩薩を雀神社の本地仏とし境内の観音堂に祀られました。
1620年(元和6年)に、城主奥平美作守忠昌が城増築のため町割りをした際、現在地に移って真龍山心城院神宮寺と称しました。1688年(貞享5年)に類火に遭い寺宝、縁起等を焼失しましたが、1691年(元禄4年)に再建されました。
本尊の不動明王とは別にある十一面観音座像は、もともとは、雀神社の境内の観音堂にまつられていましたが、1869年(明治2年)に神仏習合が禁止されて神宮寺に戻されました。
その後、1915年(大正4年)には解体しその古材を使用して大改修をし、平成3年には床修理工事を行い土台を強固にして、平成12年には屋根の瓦を新しく葺き替えて現在に至っております。
(拡大)
・本尊、宗派
宗派:本山 長谷寺、真言宗豊山派
本尊:大日如来
・神宮寺の黒松
神宮寺の庫裏の入り口にある黒松は、古河城から移築したもので樹齢が400年以上経ており、樹高が5.50m、幹周りが1.36mあります。庫裏を建替えるまえの木造の家屋の縁側から眺めた黒松は見事なものでした。この、黒松は、お墓参りの都度出迎えてくれ、400年もの間神宮寺を見守ってきた歴世の松です。
(拡大) (拡大) (拡大)
・お墓参り
お墓は、本堂のすぐ裏手にあり、そこは先祖が本堂から遠いと寂しいからと近くを選びました。
元のお墓は、沢山の墓石があり平成10年に整理して、先祖代々のお墓とし、向きをも方向の良い東向きにして現在に至っております。
お墓参りは、彼岸中であればいつ行ってもかまいません。用意するものは生花、線香、ロウソク、御供物、マッチ、数珠などで、遠方から参りますので手桶とひしゃくはお寺に保管してある、他の檀家の方のものを借用します。
お墓参りの手順ですが、まず墓の掃除(周囲の雑草、お墓のよごれ)、生花・御供物を供えます。次いで線香に火をつけ供え、手桶の水を墓石にかけます。その後しゃがんで合掌し一礼、という手順で行います。
ふだんは忙しくていけないお墓参りですが、家族そろってお参りしましょう。お墓のご先祖様は、“よく来たね“と喜び、帰りには”また来ます“と帰れば心が休まります。
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毎月1日付けのIndexには、前月の目次を掲載しております。(9月分掲載Indexへ)
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彼岸の先祖供養
今年の秋の歳時記お彼岸は、秋分の日の9月23日が「中日(ちゅうにち) 」で、前後3日間の20日の「彼岸入」から26日の「彼岸の明け」までが秋彼岸です。
同様に、春分の日を中心に7日間を春の彼岸と云います。
春分の日、秋分の日は、昼と夜の長さが同じで太陽が真西に沈みます。真西には極楽浄土があるという仏教説から、先祖の霊を供養する仏事が行われるならわしとなり、この時期にはお寺では七日間に渡って彼岸会(ひがんえ)が行われます。
彼岸とは、仏教でいう俗世界に対する佛の世界のことで、現世に対してあちら側という意味です。
家庭では先祖の霊を供養するためにお彼岸の前に仏壇、仏具を綺麗にして、お花やお供物を供えますが、お盆の時のように決まった行事や飾り付け(「大森町界隈あれこれ お盆歳時記 大森町のお盆、先祖供養」参照)はありませんが、一般には家族でお墓参りに出かけて先祖供養をすることが多いようです。
仏壇のお供え物は、一般に秋にはお萩と呼ぶぼた餅を供えます。この名前のいわれは、季節の花に関係しており、秋には萩を、春には牡丹をたとえています。
古河の菩提樹お墓参り
菩提樹のお墓参りは、法事、月遅れのお盆と春・秋の彼岸にはなるべく都合をつけて、家族で先祖の供養を心がけています。今年の彼岸には、彼岸入りの20日にお参りしてきました。
菩提樹は、埼玉と栃木との県境に近い茨城県古河(こが)市にある神宮寺(「小さな旅(2) 菩提寺墓参」参照)で、JR宇都宮線の古河駅まで1時間のところです。
神宮寺(古河市横山町1-1-11)へは、駅前の28階のアプリKOGAの横を北に進み、広場のある道を左折すると県道261号線と交差するので、そのまま直進すると右手の石塀が神宮寺境内(地図赤線、航空写真参照)です。
神宮寺の境内に入ると、右側は檀家用の広い駐車場になっており、ここは以前には由緒ある太田屋旅館があったところで廃業により神宮寺で引き取りました。本堂は、参道を進んだ正面にあります。
日光街道に面した神宮寺 神宮寺正門 本堂
・神宮寺由緒
この寺は、1446年(文安3年) に良宥上人の開基で、もとは鎌倉にありました。1455年(享徳4年)に帰衣が深かった関東公方足利成氏が幕府の追討を受け、鎌倉から古河城に移り古河公方と称し、守り本尊である十一面観音菩薩像を良宥上人が守護してともに古河に移り、古河城中の観音寺曲輪を賜り建立し心城院と称し、後に十一面観音菩薩を雀神社の本地仏とし境内の観音堂に祀られました。
1620年(元和6年)に、城主奥平美作守忠昌が城増築のため町割りをした際、現在地に移って真龍山心城院神宮寺と称しました。1688年(貞享5年)に類火に遭い寺宝、縁起等を焼失しましたが、1691年(元禄4年)に再建されました。
本尊の不動明王とは別にある十一面観音座像は、もともとは、雀神社の境内の観音堂にまつられていましたが、1869年(明治2年)に神仏習合が禁止されて神宮寺に戻されました。
その後、1915年(大正4年)には解体しその古材を使用して大改修をし、平成3年には床修理工事を行い土台を強固にして、平成12年には屋根の瓦を新しく葺き替えて現在に至っております。
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・本尊、宗派
宗派:本山 長谷寺、真言宗豊山派
本尊:大日如来
・神宮寺の黒松
神宮寺の庫裏の入り口にある黒松は、古河城から移築したもので樹齢が400年以上経ており、樹高が5.50m、幹周りが1.36mあります。庫裏を建替えるまえの木造の家屋の縁側から眺めた黒松は見事なものでした。この、黒松は、お墓参りの都度出迎えてくれ、400年もの間神宮寺を見守ってきた歴世の松です。
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・お墓参り
お墓は、本堂のすぐ裏手にあり、そこは先祖が本堂から遠いと寂しいからと近くを選びました。
元のお墓は、沢山の墓石があり平成10年に整理して、先祖代々のお墓とし、向きをも方向の良い東向きにして現在に至っております。
お墓参りは、彼岸中であればいつ行ってもかまいません。用意するものは生花、線香、ロウソク、御供物、マッチ、数珠などで、遠方から参りますので手桶とひしゃくはお寺に保管してある、他の檀家の方のものを借用します。
お墓参りの手順ですが、まず墓の掃除(周囲の雑草、お墓のよごれ)、生花・御供物を供えます。次いで線香に火をつけ供え、手桶の水を墓石にかけます。その後しゃがんで合掌し一礼、という手順で行います。
ふだんは忙しくていけないお墓参りですが、家族そろってお参りしましょう。お墓のご先祖様は、“よく来たね“と喜び、帰りには”また来ます“と帰れば心が休まります。
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