波と狛のつれづれ日記

日本スピッツ波と狛と、ときどき箔

半日で二つの世界遺産を巡ってみた(広島・岩国方面二人旅その2)

2016-08-24 00:31:16 | 旅行記
こんばんは、白黒茶々です。
前回、たつぴとの二人旅でフェリーで安芸の宮島に近付いたまさにそのときに終わってしまい、「なんじゃこりゃ~ 」と雄叫びをあげられた方もいらっしゃることと思います。 えっ?いないですって。そ、そんな……… 何にしても、今回はそのシーンから始めさせていただきます。



宮島まであと少しというところで、時刻のほうも12時になろうとしていました。その日は8月15日の終戦記念日なので、私は正午になったら戦没者に黙祷をささげるつもりでいました。 そういえば、昨年は二人旅の途中の姫路駅のホームでその時間を迎え、世界遺産の姫路城に向かって黙祷したような。 それが、今回はこれもまた世界遺産の厳島神社に向かって海上からすることになるなんて。なんて言っているうちに、正午の時間を知らせるサイレンが鳴り始めました。も、黙祷………

その時間は1分。終わって私が目を開けたら、フェリーはすで対岸に到着していて、ほとんどの乗客は下船していました。 とにかく、私も急いで降りなければ そして、宮島側の桟橋を渡った向こう側には………



可愛らしい鹿がいました。 こちらの鹿は奈良公園のものより穏やかで、人に攻撃的な態度を取るようなことはしませんでした。どうやら餌付けが禁止されているみたいで、鹿が先を競って食べる鹿せんべいも売られていませんでした。そいつが大好物な箔に、おみやげに買ってきてあげると約束していたのに。まだ食べたことのない波にも、味わわせてあげたかったのに。味はしないのですけど、その草っぽくてカリッとした食感にハマった私も、つまみ喰いしたかったのにぃ~~~



シカせんべいがないのはシカたがないので、ここは気を取り直してシカいの先にある厳島神社に向かうことにしましょう。 賑わっている門前町を抜けて、しばらく歩いていったら………



厳島神社のシンボルともいうべき海上に浮かぶ巨大な鳥居が、見えてきました。 とはいっても、そのときは干潮で陸続きになっていて、その真下に大勢の観光客が集まっていました。そんな光景を脇目に見ながら………



私たちは入場料を払い、参拝することにしました。白壁に朱色の梁や柱、隙間の開いた踏み板が続いている風景が、印象的ですね。 それに、「國寶嚴島神社」の看板も金ピカですし。 その廻廊をずいずいと進んでいったら………



祓殿や幣殿を備えた客社本殿のそのまた向こうに、五重塔も見えてきました。
厳島神社は、推古元年(593年)に創建されたと云われています。平安時代後期の仁安3年(1168年)に佐伯景弘が平清盛の援助を得て大造営し、今日見られるような廻廊で結ばれた海上社殿が完成しました。その後も修理や再建がおこなわれ、今日に至ります。



とかなんとかうんちくを垂れていたら、平舞台(平安時代、国宝)にたどり着きました。そこから本殿(平安時代、国宝)を撮ってみたのですけど、人が多過ぎて、間にあるハズの高舞台(平安時代、国宝)が隠れてしまいました。



こちらの西廻廊も、いいですね。 さらにそこからは………



能舞台(江戸時代、重要文化財)がよく見えました。 この時間帯は干上がっているのですけど、普段はこの舞台は海上に浮かんでいて、その効果も相まって観劇でより感激できるそうです。

厳島神社は引き潮のときでも魅力的だったのですけど、これが満ち潮の状態だったら、また違う姿を見せてくれることでしょう。つまり、一粒で二度美味しい神社といってもいいでしょう。 なのでまた行く機会があったら、今度は満ち潮の時間帯を狙おうと思います。

宮島の参拝と見学が済んだら、お昼御飯を食べられるところを見つけなければ こちらの名物の穴子丼や牡蠣料理などが私たちを誘惑したのですけど、どこのお店も席待ちの人であふれていました。 このままいったら、食べられないまま帰りのフェリーに乗るハメになってしまう………



………と焦っていたら、桟橋の近くの食堂に多少の余裕があり、ようやく席に腰を下ろすことができました。そこで私はチキンライスをいただき、気分も胃袋も落ち着かせることができました。
フェリーで宮島口に戻った私たちは、さらにそこから列車に乗っていき、西広島駅からは路面電車に乗り換えていきました。 そして「原爆ドーム前」で降りて、私たちが向かった先は……… って、タイトルや停留所名からしてもうお分かりですよね?



そうです。私たちの次の目的地は、原爆ドームだったのです。こちらは、平成8年(1996年)の12月に世界遺産に認定されたので、今年で20年になります。最近補強工事が終わったばかりなのですけど、廃墟感はそのままですね。



この建物は、大正4年(1915年)広島県物産陳列館として開館し、戦時中は広島県産業奨励館と呼ばれてました。 西洋風の美しい建物だったのですけど………



昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分、広島市の600m上空で原子爆弾が炸裂。強烈な熱線と爆風によって、街はほとんどが破壊され、約7万人の市民が即死。放射線などの影響もあって、その年の12月までに約14万人もの方が亡くなりました。戦後は「原爆ドーム」と呼ばれるようになったこちらの建物は、原爆の恐ろしさと「二度と同じ過ちを繰り返さない」という戒めを後世に伝えるために、負の世界遺産として大切に保存されることになりました。
裏側からとなりますけど、平和記念公園に入っていったら………



私たちは、平和の鐘に行き着きました。ドーム型の屋根が、4本の柱で支えられていて、梵鐘が吊り下げられていますね。さらにそれらの周りには、蓮の池が。海外の方たちが突いていたので、私たちもその列に並びました。そして、私たちの番に。世界の平和を願って突いたのですけど、あまりに遠慮し過ぎて小さな音となってしまいました。 しかも、私に引き続いて突いた、たつぴまでもが。



次は「原爆の子の像」です。塔の上では、少女が鶴を持ち上げています。佐々木貞子さんは2歳のときに被爆し、その10年後に白血病を発症。病床で、病気の回復と平和を願って鶴を折り続けたのですけど、亡くなってしまいました。その後、彼女の同級生たちが「原爆で亡くなったすべての子供たちのために、慰霊碑をつくろう」と呼びかけ、全国から寄付を集めてこの像を完成させました。



その像のまわりに折り鶴を納める場が設けられていたので、私は千羽とはいかなかったのですけど、家で折ってきた1羽を入れてきました。 貞子さんのことがきっかけで、折り鶴は平和の象徴となったみたいですね。



今年の5月に、現役のアメリカの大統領として初めて広島を訪れたオバマ大統領は、一緒に折り鶴も持ってこられました。その鶴とメッセージが、平和記念資料館のほうにありましたよ



この日は、終戦記念日だったからでしょうか?平和記念公園にはたくさんの人が来ていました。 こちらの原爆死没者慰霊碑にも、参拝するための列ができていました。埴輪の家型を模した屋根の下の石棺には、原爆死没者全員の名簿が納められているそうです。「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」という碑文が、心に染みます。



あとは広島平和記念資料館を見学するだけなのですけど、入口となっている東館に向かって、長蛇の列ができていますよ しかも、こちらも海外の方が多いですね。オバマ大統領の効果があったのでしょうか?とにかくこちらの展示は、国内外を問わず多くの人に見てもらいたいです。 東館のほうは現在改装中で、受付と二階に至る通路以外は入れないのですけど………



本館のほうは、しっかりと見ることができました。というよりは、混み過ぎてなかなか前に進めなかったおかげで、かえってゆっくりじっくりと見学できたのですけど。
この時点では、これから扱いが吟味されるという、被爆親子の人形がまだ置いてありました。衣服は所々が焼け、熱線で皮膚が垂れ下がり、原爆の恐ろしさと悲惨さが伝わってきます。しかし実際の原爆投下直後の広島には、所々に黒焦げ死体が転がっていたり、生きていても目玉が飛び出ていたり、全身にガラス片が刺さって血まみれになった人などがいたそうです。



それから、被爆した人が実際に着ていた服の遺品や………



黒焦げになった弁当………



原爆の熱線で、腰掛けていた人の影が残った石段………



爆風で折れ曲がった鉄扉などが展示されていました。



それから、被爆して着物の模様が皮膚に付いた人や、やけどで皮膚がケロイド状になった人の写真もありました。
これら一つ一つの展示品は、人々の苦しみ、悲しみ、怒りが込められていて、このような悲劇が繰り返すことのないように、静かに語りかけているようでした。私は高校の修学旅行でこちらを訪れ、強い衝撃を受けました。しかし、たつぴは来月の修学旅行では違うところに行くというので、ぜひ彼にも見てもらいたくて、今回は二人旅のコースにこちらを入れたのです。

その二人旅レポートは次回が最後となるのですけど、そちらでは広島の名物が二つ出てくることになっています。しかし、私たちは思わぬ落とし穴にハマってしまい……… 気になる方は、次回もお付き合いしてくださいませ。


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