こんばんは、白黒茶々です。
話はちょっと前の、琵琶湖オフがおこなわれた日に戻ります。 そちらのレポートはきれいに(?)完結したのですけど、そのイベントと私の市内散策のために降り立った、長浜駅の東口前には………
「秀吉公と石田三成出逢いの像」なるものがあります。 石田三成は、近江国坂田郡石田村(石田郷、現在の長浜市石田町)出身で、幼名を佐吉といいました。
諸説あるのですけど、観音寺(米原市)の寺小姓のときに、鷹狩り帰りの秀吉に、三杯の茶(三献茶)を出したことがきっかけで、家来に採り入れられたと云われています。
昨今は戦国武将が人気で、彼のファンもたくさんいるのですけど、そのような方たちに失礼を承知で言わせていただくと、三成はあまり戦略的ではなく、戦ベタでした。いや、戦う相手があまりにクセ者だったということもありますけど………
天正18年(1590年)、天下統一を目指す豊臣秀吉は、関東一円を統治していた小田原の北条氏と最後の攻防をしました。 私と箔は先々月、その舞台となった小田原城に行ってきたのですよ。ただし、このような天守は北条氏の頃の城にはまだなかったので、ご注意くださいませ。
その際に秀吉は、石田三成に2万人の兵を預け、北条氏の支城となっている武州の忍城(おしじょう)を攻め落とすように申し付けました。その忍城に500人の城兵や、「のぼう様」こと成田長親がいたのですけど………
前フリが長くなってしまいましたけど、今回は映画の話です。 私が観ようとしている作品は、「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」………じゃなくて、 「のぼうの城」です。今回は家族全員で観に行きたかったのですけど、日曜日はなかなか都合が合わなくて、平日の夜にしました。しかし、青少年なんとか条例とかで「未成年は保護者同伴でも、23時を越える映画を観てはならない」と規定されているので、上映時間にも気を付けなければいけませんでした。 かつ、私が仕事を終えて、ムリなく行ける時間帯のものは……… よく利用しているTOHO系の映画館は、いずれの条件もクリアできませんでした。
そのような中で、県境をまたいだ愛知県豊橋市にあるユナイテッドシネマ豊橋18では、「のぼうの城」は20時15分に上映開始。2時間35分の長い作品ながらも、23時ちょっと前には終わるので、これならいけそうです
そして先月14日のレディース割引きの日に、その計画は決行されました。 「ナイトショーで、3人で3000円になります」って、これなら日付にこだわらなくても良かったじゃないですか また、休日のような混雑はなく、余裕でいい席を確保することもできましたし。そして「NO MORE 映画泥棒」を経て、いよいよ上映が始まりました。
むか~し、むかしあるところに、おじいさんとおばあさんが………
※はいはい、確かにいましたけど、脱線はこれくらいにしておいてくださいね。(編集部注)
時は天正18年(1590年)、ところは武州の忍城下。成田長親(野村萬斎)は、領民にわけへだてなく優しく接することもあって、みんなから慕われていました。また、彼らからは、でくのぼうの意味を示す「のぼう様」とも呼ばれていました。その頃、その城がおかれていた状況は先述の通り。城主の成田氏長(西村雅彦)は、豊臣秀吉(市村正親)と小田原で対峙している北条氏から兵をよこすようにいわれ、500騎の兵を引き連れて、そちらに赴きました。忍城のほうには、残り500人の城兵と病の床に伏した成田泰季(平泉成)、それにその息子の長親が残りました。氏長と泰季は、長親に「石田三成(上地雄輔)の軍が押し寄せてきたら、城を明け渡せ」と伝えたのですけど………
三成の使者として忍城に通された長束正家(平岳大)のあまりに横柄な態度に、長親は方針を改め、「戦いまする」宣戦布告をしたのでした。
忍城は、泥湿地と広い堀に囲まれた難攻不落の城。とはいっても、500人だけではとても守りきれません。そこに長親に信頼を寄せている民百姓が集まり、城兵は3000人ほどに増えました。そして、ついに石田方による総攻撃が始まりました。
しかし、忍城の各出入口は幅が狭いうえに水堀に囲まれていて、それに加えて奇策で迎え撃たれたこともあり、石田勢は退却せざるを得ませんでした。初戦はのぼう様の勝利です。
しかし、三成はこのまま食い下がるワケにはいきません。そこで今度は河川の水を操り、城を水没させるという水攻めの策をとることにしました。 この戦法は、本能寺の変があった頃に、羽柴(のちの豊臣)秀吉が備中高松城を攻めたときにも使われ、三成は「いつか、このような戦をしてみたい」と言っていました。そして忍城攻めのほうでは、大枚をはたいて地元の民百姓を雇い、総延長28キロの堤防をわずか1週間で築き上げたのです。「決壊させよ 」大量の水が城と城下に押し寄せ、忍城は本丸を除いてほとんど水に沈んでしまいました。その本丸が水没するのも時間の問題。さあどうする?のぼう様。
この映画は、豪華キャストがそれぞれハマり役に振り分けられているのも、魅力のひとつ。 ひょうひょうとした、のぼう様を演じられるのは、野村萬斎さんをおいて他にはいないでしょう。その脇を固める百戦錬磨の重臣、正木丹波守利秀に佐藤浩市さん。腕力が自慢の柴崎和泉守に、ぐっさんこと山口智充さん。さらに、実戦経験はないが、腕に自信のある酒巻靭負(さかまきゆきえ)を成宮寛貴さんが演じています。
強さのなかに凛とした美しさのある甲斐姫には、榮倉奈々ちゃんが。あと石田三成の盟友で、彼を支える大谷吉継を山田孝之さんが好演しています。
小田原征伐の際に、市村正親さん扮する豊臣秀吉が、箱根湯本の露天風呂に入るシーンがありました。 市村さんといえば、半年前に上映された「テルマエ・ロマエ」で、ハドリアヌス帝を演じたばかり。そういうこともあって、私は湯の底からルシウス(阿部寛)が出てこないか、ハラハラしながら観ていました。
この作品は、構想から8年の時間をかけて、今年になってようやく上映が叶いました。 大軍による合戦シーンなど、あまりにスケールが大きいということもあるのですけど、制作中に東日本大地震が起こったことも影響しているみたいです。
水攻めの際に「決壊させよ 」の号令とともに濁流が押し寄せ、民家などをのみ込むシーンは演出上欠かせないのですけど、津波を思い起こさせるという理由から、映画の公開を約1年遅らせ、人や馬が流されるところはカットしたそうです。さらに、劇場の入り口には、このような但し書きがありました。
実は私は、この映画の公開より2年前の夏に、その舞台となった忍城跡を訪れていたのですよ。 そのお城は現在、本丸の一部の土塁が残るだけですけど、その本丸跡には昭和63年(1988年)に、行田市郷土博物館が建てられ、その一角が御三階櫓を模しています。ただし、位置や規模は史実と異なります。
さらにそちらには、忍城おもてなし甲冑隊の方々が控えていました。 せっかくなので私も兜を借りて、一緒に写真を撮ってもらいました。 左から、成田長頼、柴崎和泉守、私、酒巻靭負ってトコでしょうか?
その中でも、特に酒巻靭負はノリノリでした。こちらのポーズは、彼が提案したのですよ。
映画「のぼうの城」は史実に基づいた話なのですけど、それぞれのキャラが立っていて、歴史にあまり興味のないという方でも、入り込みやすいと思います。また、スケールが大きいぶん、見応えもあります。現在まだ公開中なので、気になる方はぜひ映画館にお駆け込みくださいませ~
忍城おもてなし甲冑隊と戯れたい方は、こちらに投票してやってください。
話はちょっと前の、琵琶湖オフがおこなわれた日に戻ります。 そちらのレポートはきれいに(?)完結したのですけど、そのイベントと私の市内散策のために降り立った、長浜駅の東口前には………
「秀吉公と石田三成出逢いの像」なるものがあります。 石田三成は、近江国坂田郡石田村(石田郷、現在の長浜市石田町)出身で、幼名を佐吉といいました。
諸説あるのですけど、観音寺(米原市)の寺小姓のときに、鷹狩り帰りの秀吉に、三杯の茶(三献茶)を出したことがきっかけで、家来に採り入れられたと云われています。
昨今は戦国武将が人気で、彼のファンもたくさんいるのですけど、そのような方たちに失礼を承知で言わせていただくと、三成はあまり戦略的ではなく、戦ベタでした。いや、戦う相手があまりにクセ者だったということもありますけど………
天正18年(1590年)、天下統一を目指す豊臣秀吉は、関東一円を統治していた小田原の北条氏と最後の攻防をしました。 私と箔は先々月、その舞台となった小田原城に行ってきたのですよ。ただし、このような天守は北条氏の頃の城にはまだなかったので、ご注意くださいませ。
その際に秀吉は、石田三成に2万人の兵を預け、北条氏の支城となっている武州の忍城(おしじょう)を攻め落とすように申し付けました。その忍城に500人の城兵や、「のぼう様」こと成田長親がいたのですけど………
前フリが長くなってしまいましたけど、今回は映画の話です。 私が観ようとしている作品は、「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」………じゃなくて、 「のぼうの城」です。今回は家族全員で観に行きたかったのですけど、日曜日はなかなか都合が合わなくて、平日の夜にしました。しかし、青少年なんとか条例とかで「未成年は保護者同伴でも、23時を越える映画を観てはならない」と規定されているので、上映時間にも気を付けなければいけませんでした。 かつ、私が仕事を終えて、ムリなく行ける時間帯のものは……… よく利用しているTOHO系の映画館は、いずれの条件もクリアできませんでした。
そのような中で、県境をまたいだ愛知県豊橋市にあるユナイテッドシネマ豊橋18では、「のぼうの城」は20時15分に上映開始。2時間35分の長い作品ながらも、23時ちょっと前には終わるので、これならいけそうです
そして先月14日のレディース割引きの日に、その計画は決行されました。 「ナイトショーで、3人で3000円になります」って、これなら日付にこだわらなくても良かったじゃないですか また、休日のような混雑はなく、余裕でいい席を確保することもできましたし。そして「NO MORE 映画泥棒」を経て、いよいよ上映が始まりました。
むか~し、むかしあるところに、おじいさんとおばあさんが………
※はいはい、確かにいましたけど、脱線はこれくらいにしておいてくださいね。(編集部注)
時は天正18年(1590年)、ところは武州の忍城下。成田長親(野村萬斎)は、領民にわけへだてなく優しく接することもあって、みんなから慕われていました。また、彼らからは、でくのぼうの意味を示す「のぼう様」とも呼ばれていました。その頃、その城がおかれていた状況は先述の通り。城主の成田氏長(西村雅彦)は、豊臣秀吉(市村正親)と小田原で対峙している北条氏から兵をよこすようにいわれ、500騎の兵を引き連れて、そちらに赴きました。忍城のほうには、残り500人の城兵と病の床に伏した成田泰季(平泉成)、それにその息子の長親が残りました。氏長と泰季は、長親に「石田三成(上地雄輔)の軍が押し寄せてきたら、城を明け渡せ」と伝えたのですけど………
三成の使者として忍城に通された長束正家(平岳大)のあまりに横柄な態度に、長親は方針を改め、「戦いまする」宣戦布告をしたのでした。
忍城は、泥湿地と広い堀に囲まれた難攻不落の城。とはいっても、500人だけではとても守りきれません。そこに長親に信頼を寄せている民百姓が集まり、城兵は3000人ほどに増えました。そして、ついに石田方による総攻撃が始まりました。
しかし、忍城の各出入口は幅が狭いうえに水堀に囲まれていて、それに加えて奇策で迎え撃たれたこともあり、石田勢は退却せざるを得ませんでした。初戦はのぼう様の勝利です。
しかし、三成はこのまま食い下がるワケにはいきません。そこで今度は河川の水を操り、城を水没させるという水攻めの策をとることにしました。 この戦法は、本能寺の変があった頃に、羽柴(のちの豊臣)秀吉が備中高松城を攻めたときにも使われ、三成は「いつか、このような戦をしてみたい」と言っていました。そして忍城攻めのほうでは、大枚をはたいて地元の民百姓を雇い、総延長28キロの堤防をわずか1週間で築き上げたのです。「決壊させよ 」大量の水が城と城下に押し寄せ、忍城は本丸を除いてほとんど水に沈んでしまいました。その本丸が水没するのも時間の問題。さあどうする?のぼう様。
この映画は、豪華キャストがそれぞれハマり役に振り分けられているのも、魅力のひとつ。 ひょうひょうとした、のぼう様を演じられるのは、野村萬斎さんをおいて他にはいないでしょう。その脇を固める百戦錬磨の重臣、正木丹波守利秀に佐藤浩市さん。腕力が自慢の柴崎和泉守に、ぐっさんこと山口智充さん。さらに、実戦経験はないが、腕に自信のある酒巻靭負(さかまきゆきえ)を成宮寛貴さんが演じています。
強さのなかに凛とした美しさのある甲斐姫には、榮倉奈々ちゃんが。あと石田三成の盟友で、彼を支える大谷吉継を山田孝之さんが好演しています。
小田原征伐の際に、市村正親さん扮する豊臣秀吉が、箱根湯本の露天風呂に入るシーンがありました。 市村さんといえば、半年前に上映された「テルマエ・ロマエ」で、ハドリアヌス帝を演じたばかり。そういうこともあって、私は湯の底からルシウス(阿部寛)が出てこないか、ハラハラしながら観ていました。
この作品は、構想から8年の時間をかけて、今年になってようやく上映が叶いました。 大軍による合戦シーンなど、あまりにスケールが大きいということもあるのですけど、制作中に東日本大地震が起こったことも影響しているみたいです。
水攻めの際に「決壊させよ 」の号令とともに濁流が押し寄せ、民家などをのみ込むシーンは演出上欠かせないのですけど、津波を思い起こさせるという理由から、映画の公開を約1年遅らせ、人や馬が流されるところはカットしたそうです。さらに、劇場の入り口には、このような但し書きがありました。
実は私は、この映画の公開より2年前の夏に、その舞台となった忍城跡を訪れていたのですよ。 そのお城は現在、本丸の一部の土塁が残るだけですけど、その本丸跡には昭和63年(1988年)に、行田市郷土博物館が建てられ、その一角が御三階櫓を模しています。ただし、位置や規模は史実と異なります。
さらにそちらには、忍城おもてなし甲冑隊の方々が控えていました。 せっかくなので私も兜を借りて、一緒に写真を撮ってもらいました。 左から、成田長頼、柴崎和泉守、私、酒巻靭負ってトコでしょうか?
その中でも、特に酒巻靭負はノリノリでした。こちらのポーズは、彼が提案したのですよ。
映画「のぼうの城」は史実に基づいた話なのですけど、それぞれのキャラが立っていて、歴史にあまり興味のないという方でも、入り込みやすいと思います。また、スケールが大きいぶん、見応えもあります。現在まだ公開中なので、気になる方はぜひ映画館にお駆け込みくださいませ~
忍城おもてなし甲冑隊と戯れたい方は、こちらに投票してやってください。