沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

テルとナツコ

2008年01月28日 | 家族、親戚

 昨日はテルあばぁの三・七日でした。少ないながらも家族・親戚が実家に集い、喪に服しました。

 ※しかし、この儀式を七・七日つまり四十九日まで毎週続けるという儀式、ハチローはどうも腑に落ちませんなぁ。亡き人を悲しむ気持ちはいつの時代も変わりません。でもその弔い方には、変化があってしかるべきだと強く思います。

 それは置いといて・・・(笑)、久々に姪っ子、甥っ子に会いました。すっかり話すのが上手になったひまりん(姉の長女4歳)、甘えん坊ざかりのたいちん(同長男3歳)、そして家族一の人気者NAOTA(妹の長男1歳)です。みんな可愛いのですが、特にNAOTAの笑顔を振りまきながらえっちらおっちら歩く姿は、なんとも言えません。でもハチローを見ると必ず一瞬固まるNAOTA・・・(笑)。大丈夫だ、捕って食うわけじゃないぞー! テルおばぁの遺影をバックに(いいんでしょうか?)男三人記念撮影。左はたいちん、中央がNAOTA、そして右が怖い怖い伯父さんです。たいちんは変顔ポーズをしておりますが、目鼻立ちの整った顔、そして年齢の割りには手足が長いことから、将来モデル系のイケメンになることを期待しております! ジャニーズに写真送ろうかなぁ・・・。伯父の欲目でしょうか?(笑)Photo

 藤崎マーケット(ららららい♪)や小島よしお(はい、オッパッピー♪)を協同で披露してくれた姪っ子甥っ子。暗くなりがちな三・七日を、若く新しい命がにぎやかにしてくれました。遺影のテルおばぁもきっと目を細めたことでしょう。

 さて、雨天が続くここ沖縄。なかなか双眼鏡で「一人野鳥の会」(寂!)を決行することがで きないでいます。それならばと、読書に転じた34歳宅ハチローです。オススメは右下の二冊。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」(奥野修司:著)と「真相」(横山秀夫:著)です。

 まず「真相」から。ご存知「平成の松本清張」こと横山秀夫の短編集なんですが、相変わらPhoto_3ずいいっす。犯罪を起こした、もしくは巻き込まれた人間たちの心理を見事に書きあげ、読ませます。一番どれがいい?と聞かれると答えに窮するくらい小粒でもピリリなストーリーが5編収められています。あえて言うと4番目の「花輪の海」以外全部面白いっす。

 もう一冊「ナツコ」は副題の通り、終戦直後の米軍政府による占領時代に、いわゆる密貿易で一時代を築いた金城夏子という女傑の人生を追ったノンフィクション。取材に12年もかけたという奥野氏は本書で大宅賞を受賞しました。ウチナンチュの間でも伝説化しつつあった密貿易の女王を、現実的手法で丹念に取材し、リアリティーを持った一人の沖縄女性として甦らせたのは、素晴らしいことです。これをウチナンチュができなかったのはある意味悔しいことですがね。

 まだ完読していないのですが、すでにひき付けられています。ナツコという女傑の姿もそうですが、終戦直後の混乱の中を強く生き抜いた無数無名のウチナンチュの姿がそうさせるのです。生き延びるために与那国から本島まで密貿易にきた若い女性が、真夜中の海に飛び込み泳いで浜に上がり、まだ沖縄戦での戦死者が無数に横たわる浜を密輸品を持って駆け抜けていくSCENEは圧倒的でした。みんな「ただ生きるため」に必死だったんですね。

 調べてみると、金城夏子とテルおばぁ、ほぼ同年代でした。

 あの時代に生きた女性は、こうも強かったのですね。

 一読をお勧めします!