沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

読書のオータム Ⅱ

2007年11月22日 | 読書

 またもルー語風のタイトルを再利用いたしました。時代はエコですから・・・。

 昨日に続きOFFだったハチロー。外は素晴らしい秋晴れだったのにも関わらず、風邪気味ということもあり、一日中引きこもっていました。どうせオタクるなら読書をしようと考えたのです。AMAZONで購入してからまだ読んでない本を何冊か解禁?しました。

 恒例(?)の本紹介の前に、昨日の新聞で久々に興味のある記事を見つけたので、転載いたします(下写真。11月21日付け沖縄タイムス朝刊24面より)。「横溝正史の生原稿発見」とあるではありませんか。

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 まぁ、生原稿自体に興味があるわけではありません。ただ、横溝正史(よこみぞ・せいし)とは言わずと知れた名探偵金田一耕助の生みの親、ハチローの最も尊敬する作家の一人なんです。何を隠そう、ハチローの読書史上、最も面白かったのが「八つ墓村」なんです(笑)。笑うなかれ! あなどるなかれぇぃ! 

 あれは忘れもしない中学1年生の梅雨時、貧乏のあまり当時流行っていたファミコンすらないハチロー家。キチガイのように勉強を強制するハチロー父を尻目に(すでに身長は超えていました)、外出しました。行くあてもないまま近くの古本屋へ(行動範囲狭!)。そこで手にしたのが「八つ墓村」だったのです。選択した理由は覚えていませんが、カバーもなく手垢で汚れた単行本の裏表紙に鉛筆で「80円」と書かれていたのは20年経った今でも鮮明に脳裏に焼きついています。そのくらいのお金は持っていたので購入。やむなく帰宅し(13歳の反抗には限界あり)、薄汚れた畳の上に寝転がり、トタン屋根に打ち付ける雨の音を聞きながら、パラパラと読み始めました・・・。それからの約5時間は、ハチローの34年間の人生の中で、もっとも文学に圧倒されたひとときでした。「な、な、何て面白いんだ!!!」。 あまりの衝撃に、しばらく幽体離脱状態でしたよ。忘れられない思い出です。

 内容については特に書きません。あまりにも有名な作品ですから。ただ映画(もちろん面白いですが)は、原作の比には及びません。第一、ストーリーを彩るヒロインがカットされているので。

 横溝正史は、重病を患いながらも緻密なプロットを考えるために朝晩問わず田んぼのあぜ道を歩きまわったそうです。「気違い」「鬼が歩いている」などといわれながら練り上げた作品なんです。しかも発表当時は売れなかったんですなぁ、これが。角川春樹が起こしたリバイバルブームまで30年ほどかかるんですよ! どんないい作品でも「世に出る」ってことは大変なんですね。 

 新聞のとある記事で、いろいろ思い出させてもらいました。

※下サイトは横溝正史のファンらが作ったサイトと思われます。チラ見しましたが、ハチロー以上のマニアたちの意気込みが伝わってきますなぁ。興味のある方はご覧下さい。ちなみにファン投票では「八つ墓村」は第4位。「獄門島」が1位でした。「獄門」も確かに傑作なんですが(俳句殺人)、個人的には「八つ墓村」こそ横溝エッセンスが全て詰まった稀代の傑作だと評価してるのですけどねぇ・・・。いつか投票してみます(笑)。

 ⇒「横溝正史ワールド」

 さて、前置きが長くなりました。いつもながら(笑)。現在読んでいるのはUminntyu 「沖縄ウミンチュ」(河出書房新社)です。「一人追い込み漁」で有名な本部町の生きる伝説・仲村善栄さんを取り上げたもの。前回の「海人-uminchu-」照屋規正さん同様、まさに海のスペシャリスト、職人です。しかも照屋さんよりも10歳も年上。ウミンチュ界の大御所と言っても過言ではありません。表紙にも「86歳、今なお現役」(!)と書いてあるではありませんか。86歳って日本男性の平均寿命をとっくに超えているではありませんか! すごいっすねー。しかも風のうわさでは、90歳を迎えた現在も家族の目を盗んで一人海に潜っているんだとか・・・。恐るべしウミンチュ魂! 重厚な物語だった「海人」に比べ、こちらは善栄さんが語るような感じで書かれているので読みやすいですね。しかも写真入り。撮影は東京出身で沖縄在住の女性カメラマン古谷千佳子さん(と、都会のおなごは自立しとるばい!)。自らもウミンチュ生活をしながら撮り続けたという写真は生き生きしていますねー。

 寝る前にもうちょっと読み進むつもりでーす。

 追伸:どなたか鼻炎にきくいい薬があれば教えて下さい・・・。