ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

大きく胸いっぱいに息を吸ってから出来るだけ長くゆっくりと息を吐く

2021-03-21 05:56:37 | 座禅
出来るだけ息を長く吐こうと思えば、はじめに大きく息を吸うのが自然です。 ここでの長く吐く呼吸法は、いわゆる禅宗(一般的な)の呼吸法とは相違します。 私は幸いなことに、一般的なはじめに息を吐き出す腹式呼吸を知らずに、長く吐く呼吸を行いながら、10年近く座禅を行っておりました。

子供の頃に行っていたラジオ体操での深呼吸です。 大きく息を胸いっぱいにして、ゆっくり息を吐く呼吸です。 自分の体験から肺での呼吸と下腹の臍下丹田と呼吸とは、体の生理的な動きからは同期しないと云うことを感得したのです。

大きく息を吸う時には胸は拡がりますが、下腹は凹むのが自然です。 凹むと云うことは下腹の臍下丹田は気を吐いているのです。 息を吐く時には胸は元の大きさに戻り、下腹も元の大きさに戻り、臍下丹田の気は気を吸うのです。 これが生来行って来た自然の動きです。 つまり肺の動きと臍下丹田の動きは同期しないのが、自然の動きなのです。

ここでの吸う吐くの1回の呼吸は、はじめは長く吐くことは出来難いのですが、慣れるに従い長く吐けるようになります。はじめは1回の呼吸は30秒ぐらいかも知れませんが、次第に長く1分を超えるようになって来ます。

ここでの座禅時間は最低でも1時間は行って頂くように、座禅の真髄を感得できるようにお勧めしておりますが、1回1分以上長く吐く呼吸ができるようになれば、60回呼吸を続ければ1時間経過したことになり、1時間の座禅時間はあっという間に過ぎてしまいます。

口を閉じて鼻だけで呼吸を行い、大きく胸いっぱいにして息を吸い、出来るだけ長くゆっくりと息を吐きます。 息を吐く時にはイメージで体の中へ吐くことにより、この呼吸法がより長く吐くことが出来る呼吸法であることを、自ら感得することになるのです。

長く吐く呼吸は全部吐き切る寸前まで吐きます。 全部吐き切ってしまうと苦しくなって、後が続きません。 寸前ちょっと手間で軽く息を止めて、また大きく息を吸います。 あくまでも吸う吐くの呼吸を、苦しい中にあっても、出来るだけ自然の流れに沿うように行います。

長く吐く呼吸のみに、意識を集中します。 このことだけに意識を集中すると、雑念は起こらないものです。 然しながら、このように長く吐く呼吸に意識を集中しているときに、ふと浮かぶ雑念は払うことなく、その雑念を考えても良いのです。 その過程でまた思考力が深まることを、自ら感得するはずです。


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