ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

なぜ座禅は脳と心のエクササイズと云われるのか

2013-01-25 08:03:46 | 座禅

 静かに座っているだけの座禅が、なぜ脳と心のエクササイズと云うのでしょうか。 座禅を行うときに、吐く息を出来るだけ長く吐き、吐く息を下腹の臍下丹田に向けて吐き、体の中へ入っていく息を追うようにして、その息だけに意識を集中していますと、自分では分からないと思いますが、生来、持っていた機能・気感を取り戻すことになります。

 私たちは、誰もがお母さんのお腹の中にいたときには、体の中は気が充実していたと思われます。 ところが生まれ出た瞬間から、オギャーという泣き声とともに、気の呼吸から空気を吸う肺呼吸に変化します。 時間の経過と共に、次第に気感は忘れられていきます。

 長く吐く呼吸、体の中へ吐く呼吸(逆腹式呼吸)を通して、半ば眠っていた経絡を刺激し、気の通りを良くし、勢い良く流れ出します。

 従って長く吐く呼吸と体の中へ吐く呼吸を伴いながら行う座禅は、結果的に上半身の背中に流れる督脈と、体の前部を流れる任脈の気の流れを良くします。

   気を通る路・経絡は、神経の腺に沿って流れていると云われ、微細な神経が集中する脳をも刺激します。 気の流れは、はじめは硬く時間の経過と共に、緩やかに滑らかになります。 その時間は45分から1時間です。

 気の流れが緩やかになめらかになると、脳もストレスから解放され、いわゆる崇高な至福感を感得します。 30分の座禅時間では、到底その感覚は得られません。また45分ではこれからという時間で、終わってしまうことになります。

 従って座禅時間は、最低でも1時間はあったほうが良いのです。 崇高な至福感を感得することによって、座禅が、逆腹式呼吸が楽しくなってきます。