ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

何故、舌を上の歯の付け根につけるんですか

2009-01-28 08:21:22 | 座禅
 座禅の時には、舌を上の歯の付け根に付けなさいと、禅宗の作法に書いてありますが、何故、そうする必要があるかについては、記述がありません。 体の中を流れる気の通り道(径絡)で、主要な大きな流れのうち、上半身の前部を流れる任脈と体の後部を流れる督脈をつなぐのが、その部分に当たるからです。

 男性の場合は、下腹にある臍下丹田から発した気は、体の後ろ側の督脈を流れ、会陰、尾りょう関、侠せき関、玉沈関、から百会、目の間の奥にある上丹田を通り、上の歯の付け根から舌を通して、任脈へと流れていきます。 気の通り道は神経の線に沿って流れているといわれていますので、顔にも流れていますが、上の歯から下の歯にも流れています。 ただし、歯を通しての気の流れの量は、少ないのです。 舌を通して任脈へ流れた気は、胸の中心の奥にある中丹田を通り、下腹の臍下丹田に戻っていきます。

 禅宗の作法には、歯と歯を合わせるように書いてありますが、あわせないほうがよいのです。 歯と歯を合わせませと、そこにも気が流れ顔が、硬直化する恐れがあります。 歯と歯がついてなくても、近接しているだけで気は流れていきます。 また、歯と歯を合わせると、力が入っていくのではないかと思われます。 座禅のときは、リラックスし力を抜くことが大切です。

 口の中の舌を上の歯につけるのが自然か、付けない方が自然なのかを、自分自身で座禅をしながら、確かめてみるのもよいかもしれません。