![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/31/dda30b3e4418978422b32138d4692fd2.jpg)
ライトは、trim を設ける手法を、煉瓦主体の建物でも使っている。その一例が上のボック邸。
自由学園は trim はそれほど目立たないが、ライトの息が直接かかった建物の一例として紹介(遠藤新が協力者)。なお、上掲の写真は、保存修理前の状態。
開口部の枠回りの材:額縁なども、壁面を引き締める重要な役割を持つ。ライトはその点にもかなり気を使う。
註 trim には、整える、仕上げる、飾る、飾りをつける、
・・の縁を飾る、などの意味がある。
日本の場合は、開口部は軸組に「敷居」「無目」「鴨居」ときには「方立」を組み込むことでつくられるのが普通の方法だった。
したがって、組み込まれる材がそのまま表われ、空間の雰囲気をつくりだすのに大きな影響があった。
だから、かつては、材の寸面はもとより、材と材の取合いにも細心の注意が払われた。
この点に特に気を配ったのが茶室である。小さな空間では、壁の中のそれらの材に自ずと目がゆくからである。
しかし今、こういった「作法」は、大壁の流行とともに、なくなりつつあるのではないか。
註 「作法」とは、「形式」や「様式」をなぞることではなく、
ものごとの「原理・原則」あるいは「意味」(建築の場合は、
「空間」の意味)を考えること。
写真・図は先回と同じ書の「1907-13」「1913-23」より