F・L ライトの付け縁:trim-補足・・・・trim は何のため?

2007-02-28 02:10:21 | 設計法
 
 ライトは、trim を設ける手法を、煉瓦主体の建物でも使っている。その一例が上のボック邸。

 自由学園は trim はそれほど目立たないが、ライトの息が直接かかった建物の一例として紹介(遠藤新が協力者)。なお、上掲の写真は、保存修理前の状態。 

 開口部の枠回りの材:額縁なども、壁面を引き締める重要な役割を持つ。ライトはその点にもかなり気を使う。

  註 trim には、整える、仕上げる、飾る、飾りをつける、
    ・・の縁を飾る、などの意味がある。

 日本の場合は、開口部は軸組に「敷居」「無目」「鴨居」ときには「方立」を組み込むことでつくられるのが普通の方法だった。
 したがって、組み込まれる材がそのまま表われ、空間の雰囲気をつくりだすのに大きな影響があった。
 だから、かつては、材の寸面はもとより、材と材の取合いにも細心の注意が払われた。
 この点に特に気を配ったのが茶室である。小さな空間では、壁の中のそれらの材に自ずと目がゆくからである。

 しかし今、こういった「作法」は、大壁の流行とともに、なくなりつつあるのではないか。

  註 「作法」とは、「形式」や「様式」をなぞることではなく、
    ものごとの「原理・原則」あるいは「意味」(建築の場合は、
    「空間」の意味)を考えること。

  写真・図は先回と同じ書の「1907-13」「1913-23」より

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