私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

正月三日

2013-01-04 10:30:31 | インポート
 「正月三日」という言葉があります。その含意の一つに、三日まではゆっくりお休み、という意味があると思います。30年ほど前まではデパートやスーパーも三日まで休んでいたものですが、今年などは一日か二日から開店するお店が殆どになってきました。
 私の住まいの近所に、主に料理店の人々が顧客の業務用スーパーがあります。個々のパッケージの品物の量が多めなので、老夫婦ふたり暮らしの私どもにとっては少し不向きなのですが、なにしろ距離が近いし、チラシ広告などもせず、どこかのんびりとしたとても良い雰囲気なので、私の日々の買い物場所になっています。このスーパー、昨年までは毎年、正月の5日まで見事に休んでしまっていました。私にしてみれば、いささか不便であり、5日以前にお店を開ける料理店さんの買い出し係にとっても具合が悪かった筈ですが、この業務用スーパーは頑固に古い習慣を守り続けていました。従業員の人々は、毎年、ゆっくりとお正月を楽しんでいたに違いありません。ところが、お時勢に押されて、今年は1月4日から店を開けたようです。
 この正月は、私が年末にオーダーした書籍や雑品が、驚くべき迅速さで、一日、二日、三日と配達されて来て、配達にやってきた若者たちに何だか申し訳ない気がしました。私がこう言うのを偽善的だと思わないで下さい。玄関に出て受領印を押した時の率直な気持です。
 元日の新聞とか年賀状とかは昔から世話になっているので、これは配達をして貰いたいと希望しますし、三が日中にも、昔から働いてくれている多数の人々がいるのは承知していますが、出来るものならば、なるだけ沢山の人々が、もっとゆっくりお正月を楽しめるような世の中にしたいものです。このブログを、習慣になっている水曜日にではなく、本日金曜日にアップすることにしたのも、同じ、のんびりしたい気持からです。今年もよろしくお願い致します。

藤永 茂 (2013年1月4日)



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