私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

オバマ大統領にノーベル平和賞が与えられた

2009-10-14 09:59:24 | 日記・エッセイ・コラム
 今夕(2009年10月9日)病床の私の耳に、信じられないニュースが飛び込んで来ました。隣室のテレビの午後7時のNHKニュースがオバマ大統領にノーベル平和賞が与えられたことを報じました。一日に二、三回、ほんのわずかの時間、机にについて、コンピューターにふれる私ですが、このニュースについては、ぜひとも書いて置きたい事があるので、次の水曜まで、思ったことを書きためます。
 9日午後10時30分、また机について、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストを覗いたのですが、まだホワイトハウスからの反応が出るほんの直前のようでした。その時、両方に共通の記事として、ジンバブエのモーガン・ツヴァンギライが本年度のノーベル平和賞の受賞候補の本命と看做されていたことが報じられていて、ワシントン・ポストにはツヴァンギライからのオバマ大統領あての祝辞もでていました。10日の朝になると、オバマ大統領の声明を中心に、あらゆるニュースがマスメディアに溢れましたが、不思議な事にツヴァンギライのことは消えてしまったようです。(もっとも私の探し方が不十分かもしれません)。ツヴァンギライって誰?-ほとんどすべての人はこの名を知らないでしょう。私のこのブログでは、ジンバブエの問題に関連して、随分と論じた人物ですが、この人が本年度のノーベル平和賞の受賞候補の本命と看做されていたとは、私にとって、オバマ大統領が現実に受賞したことより一層大きな驚きです。オバマ大統領の受賞については、ホワイトハウスの最側近の二人のアドバイザーであるアクセロッドとエマニュエルが共に「寝耳に水だった」というのを、一応、信じましょう。しかし、ツヴァンギライについては、アメリカ政府筋からの強力な、根回し、働きかけがなければ、絶対にノーベル平和賞の受賞候補の本命になることなど考えられません。この春、ツヴァンギライはホワイトハウスを訪れて、オバマ大統領とそのホワイトハウス・チームに会っています。
 今、ホンジュラスは大変なことになっています。マスメディアは殆どなにも教えてくれませんが。多数の民衆の血が流され、今も続けて流されています。アフガニスタンと異なり、この流血は、オバマ大統領の鶴の一声で直ぐにも止まるものなのです。オバマ政権の狙いは、クーデター側の暴力行使を黙認して、11月の総選挙で、セラヤ側の勝利を阻止することにあるのでしょう。もしそうであれば、12月10日、ノーベル平和賞を受け取るオバマ大統領の手はホンジュラスの民衆の血にまみれていることになります。オバマ大統領のホンジュラスは、同じくノーベル平和賞受賞者ウィルソン大統領のハイチと共に、永く世界史の汚点として名を残すことになりましょう。
オバマ大統領は受賞を辞退すべきです。もし、この空約束の名人が、国際平和に確かな貢献をしたあかつきには、ノーベル賞委員会は喜んで賞状を再発行するに違いありません。

藤永 茂 (2009年10月14日)


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