私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

アムネスティの問題から現在の日本の問題を考える

2017-02-28 14:10:48 | 日記・エッセイ・コラム
アムネスティのシリア報告書をきっかけに、NGOとその資金源の問題、人事の回転扉の問題、国連の問題、シンクタンクの問題などをみてきましたが、ここでは、こうしたテーマと深く関連するものとして、現在の日本の問題を考えてみたいと思います。

まず、日本人の中には「国連」というと、善なる存在、正しい存在と受け止めやすい傾向があり、「国際平和協力」の名の下での武力行使についても、あまりにもナイーブな議論が多いような気がします。自民党の改憲案は、「国際的に協調して行われる活動」とあるだけで、「国連」の頭越しに無限定に広がる恐れがあり、正当性と正統性の双方で疑わしい有志国連合・多国籍軍の場合でも派兵可能となる規定のため、まったく論外です。しかし、旧民主党(現民進党)の改憲案も問題で、こちらには「国連の意思決定があれば自衛隊を派兵させる」という、国連の実態を無視したあまりにも単純な考え方が示されていました。

自民党「日本国憲法改正草案」
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/130250_1.pdf

旧民主党「憲法提言」
http://web-saiyuki.net/kenpoh/minshu.pdf

旧民主党の憲法提言には「憲法に何らかの形で、国連が主導する集団安全保障活動への参加を位置づけ、曖昧で恣意的な解釈を排除し、明確な規定を設ける。これにより、国際連合における正統な意志決定に基づく安全保障活動とその他の活動を明確に区分し、後者に対しては日本国民の意志としてこれに参加しないことを明確にする。こうした姿勢に基づき、現状において国連集団安全保障活動の一環として展開されている国連多国籍軍の活動や国連平和維持活動(PKO)への参加を可能にする。それらは、その活動の範囲内においては集団安全保障活動としての武力の行使をも含むものであるが、その関与の程度については日本国が自主的に選択する」とあります。国連のお墨付きがあれば自衛隊を派遣してもいいという考えが明確に示されていますが、非常に単純すぎる思考だと危惧します。

先の「戦争法制」に反対の論陣を張った論者からも、曖昧な憲法解釈の余地を残さないためにも「新9条」が必要などという声が出ましたが、新9条の条項案として「国連決議があれば海外派兵は可能とする」というものもあり、旧民主党「憲法提言」と同様の思考パターンになっています。新9条論への批判記事としては以下をご参照ください。

「新9条論」は危険な悪手
http://vergil.hateblo.jp/entry/2015/11/19/000424

私はこの問題を考えるとき、浅井基文先生の「国連憲章と日本国憲法」という文章が忘れられません。「人権」「民主」「平和」の問題で活躍されている弁護士の方々、とりわけ浅井先生の講演を聞きに来られるような関心の高い熱心な方々まで、このようなあまりにも単純な国連観に支配されているという現実は、ショックであり残念でした。

http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2002/21.html

さて、NGOの独立性の問題ですが、実は日本も無縁とは言っていられない状況にあります。驚くべきことにNGOの側から、外務省との人事交流を要望する提言が出されていることが、以下の文章からもわかります。「1. 政府との連携強化」の5には「政府との人事交流の促進」として「政府・NGO間における現場レベルでの協働作業や幅広いレベルでの人事交流を積極推進することにより、相互理解の促進とイコール・パートナーシップの確立を図る」とあります。

NGOからの政策改善提案等
https://www.y-shiozaki.or.jp/contribution/other/020731.html

また、以下の「外務省改革案」には、「具体的改革案 (2)人事制度」の「提言9: 外部人材の導入」として「外部専門家の登用(広報、条約、NGO・国際機関対応など)」とあります。まさに、政府とNGOが人事面で緊密な関係を築き、NGOがもつ力や効果を政府の広報宣伝活動に活かしていくということでしょう。

外務省改革案-国益を担う外交の再生:31の提言-
https://www.motegi.gr.jp/proposal/image/gaimukaikaku.pdf

独立性や公平性を歪めるおそれがあるとして、政府との関係性が問われた問題が最近二つ注目されました。一つは日本学術会議で議論された防衛省からの助成金を受けての軍事研究の問題、もう一つは文部科学省から大学への天下りの問題です。人権NGOの問題ではありませんが、大学という組織も独立性・公平性が強く求められる存在であり、政府との間で「資金面」「人事面」で癒着があると、そうした大切なものが崩されていく恐れがあります。

資金面と人事面でのなあなあの関係が蔓延し常態化すると、それを正そうとする者に対して不当な圧力がかかるようで、以下のような怒りの声もあがっています。

https://twitter.com/wakabayashiaki/status/825912068519768064

大学の独立性・自主性、学問の自由を棄損しないかたちでどう財源を手当てするかは非常に難しい問題で、諸外国の事例を調査された方の以下のレポートを読んでみても、その難しさが窺えます。

「高等教育への資金配分」(丸山文裕氏、大学財務経営研究第6号、2009年8月)
http://www.zam.go.jp/n00/pdf/nf008002.pdf

政府は、従来の安定的な「基盤的経費」から、成果を競わせ配分する「競争的資金」にシフトする方向ですが、丸山氏の論考の13頁目には「競争的研究資金配分は、市場を意識しすぎ、知識生産の画一化を招き、マイナスが大きいこともある。またより研究業績が出やすい領域が優遇され、資金獲得が困難な分野が無視される危惧もある。そして研究のイノベーションが妨げられる。この点は、近年の日本の競争的研究費配分対する議論と類似性がある。基盤的経費は、研究、とくに研究の開始が研究者や大学のイニシアティブで進められやすい。競争的資金は、資金の出所によって、研究が研究者や大学以外の企業など第三者の意向に左右されやすく、国家プロジェクト研究など政策的に誘導されることもある」とあります。

防衛省からの予算配分だけが問題なのではなく、文科省からの予算配分でも、その配分の仕方しだいでは大学の自主性が損なわれ、研究の在り方に大きな影響を与えてしまうということです。

大学の資金源としては、①税金、②企業資金、③授業料、④寄付金などが挙げられますが、③は、貧困のために進学を諦めたり、学費の捻出のためアルバイトを掛け持ちする若者の問題がクローズアップされているなか、むしろ引き下げや無償化に向かうべきものです。教育機会均等や格差解消といった社会政策面からだけでなく、そもそも教育の恩恵は学生のみならず将来的には社会全体にも還元されるものだから、教育サービスを受ける者が授業料を支払う「受益者負担」には馴染まないのだと「経済の原理」から説かれる方もおられます。研究・教育の公共性を考慮し、基本的には①を充実・安定させる方向が本来あるべきものと思います。ただ、その配分の方法しだいでは、政府の不当な圧力・介入を招き、大学の自治や学問の自由を棄損しかねません。そして、すでに状況は看過できないところにまで至っているようで、以下の記事はその深刻さを指摘しています。

安倍流「国立大改革」の暴走(上)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-10/2015051002_04_0.html

安倍流「国立大改革」の暴走(下)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-05-11/2015051102_01_0.html

大学改革を問う 日本学術会議がフォーラム
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-01-09/2016010904_01_1.html

「資金面」だけでなく「人事面」の問題も深刻です。予算配分権を不当に行使して学長人事にまで介入することへの怒りのツイッターを先ほどご紹介しました。文科省の役人たちの大学への天下りがけしからんと今回はニュースで大きく取り上げられましたが、これは「氷山の一角」で、本来あるべき「大学の自治」を破壊し大学の人事・ガバナンスに不当に介入する動きはすでに深刻な状況にあります。以下の記事をご参照ください。

安倍流の「大学改革」 学問の自由あぶない!
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-05-08/2014050803_01_0.html

防衛省からの助成金を受けての軍事研究の問題は、日本の平和憲法・平和主義との関連でも重大な問題ですが、今回取り上げましたアムネスティの偏向の問題との関連では、学問の自由、大学の独立性に関わる問題として注目しました。

もう一つ、想起するのは、安倍政権になってから異常に増えたというマスコミ関係者との会食の問題です。

安倍首相 メディア幹部と会食
昨年は十数回 どう喝と介入の一方で右派との親密さ目立つ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-04/2017010401_03_1.html

ジャーナリストも大学と同様に、自由に取材して自由にものが言えるためには、権力との間の距離が非常に重要になります。「安倍首相の寿司友達」として名前が出た時事通信の田崎史郎氏は、あるテレビ番組で「こんなことで筆を曲げるなどありえない」という趣旨の抗弁をしていました。しかし問題は「寿司くらいで報道が歪むかどうか」というものではないはずです。「寿司なら歪むか」「旅行やゴルフ接待なら歪むか」「商品券や現金なら歪むか」「いくらなら歪むか」といった問題ではないのです。ジャーナリストは権力の監視役であり、自分が監視・批判する取材対象とそういう飲み食いをする関係に入ること自体が問題だということです。田崎氏は「筆を曲げることはない」と抗弁をしていましたが、大事なのは「言葉」ではなく「行動」です。私は、安倍政権の政策や政治手法に対して田崎氏が厳しい批判をしたのをいまだ見聞きしたことがありません。戦後最悪ともいえる、立憲主義・民主主義・基本的人権・平和主義のすべてに挑戦的な内容と立法手続きを示したあの「戦争法」が問題となっていたときもそうでした。反対派の1人が「安倍さん個人の思いになぜ国民が付き合わなければならないのか」と批判すると、田崎氏は間髪を入れずに「そりゃ選挙で選んだからでしょ」と返しました。

https://www.youtube.com/watch?v=5bLxMzjBAO0

しかし、安倍政権は選挙にあたり争点隠しに終始し、まともな「国民との対話」も「国民的な議論」などもありませんでした。さらにいえば、民主主義とは選挙がすべてではなく、国民意思と国民代表とを一致させることであり、選挙はその一致を図るための一手段にすぎません。ズレが生じれば、請願・デモその他の運動をとおして政治を動かすのも立派な民主主義です。しかも、当時の世論調査では、反対世論が多数という状況を示していたのです。ベテラン政治記者ですから、そうしたことはおそらくすべて知ったうえで、あえて反対派にあのような暴論を吐いたのでしょう。安倍首相も大満足の援護射撃をしていたわけです。田崎氏は、彼自身が言うように「寿司で」買収されたわけではありませんが、寿司を会食する仲になるなかで(寿司はそうした仲を示す一つの象徴にすぎません)批判力が鈍ってしまったことは間違いありません。

政界・官界を広く汚染した贈収賄の闇「リクルート事件」のスクープなどで活躍された元朝日新聞記者・山本博氏の本を以前に読んだことがあるのですが、ジャーナリストと取材対象(とりわけ権力)との距離の問題について、非常に熱心に説かれていたのが印象的でした。

山本博 『朝日新聞の「調査報道」-ジャーナリズムが追及した「政治家とカネ」』(小学館文庫、2000年)

私の大学時代の恩師が以前、「国王大臣に近づくことなかれ」という曹洞宗の道元の言葉を引用されたのを思い出します。恩師は憲法の先生ですが、私は「道元の本なども読まれるのか、幅広くいろいろとお読みなのだなあ」と感じつつ、先生のお話に耳を傾けました。先生は、「権力の介入」は「真理の探究」(宗教上の真理であれ、学問上の真理であれ)にとって大きな障害になるので、権力とは距離を置くことが肝要であるにもかかわらず、今の学者の中には権力に安易に近づく者が多すぎる、と嘆かれていました。先生は、学問一筋の本当に学究肌というタイプの方ですが、このように非常に厳しくご自身を律してこられたのだなと感じました。探究された学問の深さのみならず、このような学問の姿勢の面でも、非常に尊敬すべき方とあらためて思ったものです。

今回は、シリアのセドナヤ刑務所の報告書をうけて、アムネスティ・インターナショナルという団体の問題を論じてきましたが、もちろん、問題のあるNGOはアムネスティに限ったことではありません。それは、先にご紹介した記事の中でも取り上げられていたとおりです。ここでは、日本人の著名なNGO関係者が、シリア紛争をどのようにとらえ、どのような発言をしているのかを見ておこうと思います。

日本紛争予防センター理事長(インタビュー当時は事務局長)の瀬谷ルミ子氏は、「シリアでは政権による市民の弾圧が続き、多くの被害者が出ています」と語りました。国内外で高く評価されている方のようで、マスコミや学校の教科書にまで彼女の活動が紹介されているそうですが、シリアに関しては間違ったとらえ方をし、誤ったメッセージを発しています。この方は、安倍政権の戦後70年談話に関する有識者会議のメンバーにも選ばれていますが、政府とNGOとの距離という点でも問題があるような気がします。

紛争地の人々へ、生きる選択肢を
日本紛争予防センター事務局長・瀬谷ルミ子氏インタビュー
http://synodos.jp/international/1738

ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京ディレクターの土井香苗弁護士は、ホウラ(フーラ)の虐殺は政府側によるものと糾弾し、「ロシア政府と中国政府が、国連安全保障理事会でシリア政府の肩を持ち続け、その間にも実に多数の人命が失われたことは許されることではない」と、シリア政府のみならずロシア・中国にまで批判の矛先を向けます。

求められるシリア虐殺行為の調査と武器禁輸の制裁
http://webronza.asahi.com/politics/articles/2012060600015.html?guid=on

シリアをめぐっては、あまりにも多くの、あまりにも巨大な嘘が氾濫しており、このホウラの虐殺にも慎重な判断が求められます。以下の記事には、土井氏の主張とはまったく反対のことが書かれています。アサド政権を支持する住民が殺害されており、事件のタイミングからしても、政治的解決を妨害することを狙ったものとみられ、反政府テロリスト側が仕掛けたものであるという見方が示されています。

Syrian government denies involvement in Houla massacre
https://www.rt.com/news/damascus-refutes-accusations-houla-massacre-339/

ヒューマン・ライツ・ウォッチの土井香苗氏は、以前に藤永先生がエリトリアを心配されて書かれた記事の中でも批判されていました。

エリトリアが滅ぼされないように(1)
http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/852ee605e207268cad473df7c391760d

私は以前、シリアに関する虚偽情報を新聞やテレビで拡散していることにつき、政治学者の山口二郎氏とジャーナリストの池上彰氏を批判しました。そのときにも書きましたが、影響力のある人たちの虚偽情報ほど恐ろしいものはないということです。政治不信が高まるなかで政治家やいかにも怪しいイデオローグが発する言葉には、人々は多少とも警戒することでしょうが、著名な学者やジャーナリスト、国際的な人権団体や高名な人道活動家の発する言葉は、人々の心に入りやすく、それだけに危険性が高いということです。警戒が必要であり、疑問があれば、そのつど声に出していくことが必要だと強く感じます。

桜井元    (2017年2月28日)
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アムネスティの偏向の原因を考える

2017-02-27 21:06:54 | 日記・エッセイ・コラム

アムネスティ・インターナショナルはもともと限界を抱えていた団体なのか、もとはまともだったが堕落していったのか、そこは議論があるかもしれません。いずれにせよ、かなりひどい実態になっていることは間違いありません。善意の支援者たちを失望させていることも確かでしょう。以下は、数十年にわたりアムネスティを支援してきたという1人の学者が、今回のセドナヤ刑務所報告書をうけて書かれた文章です。

Amnesty International on Syria – at it again!
https://timhayward.wordpress.com/2017/02/08/amnesty-international-on-syria-at-it-again/

「アムネスティの草の根の支援者たちが何よりも気にしなければならないことは、今回の報告書によってこの団体は何を成し遂げようとしているのか、ということだ。アレッポ包囲戦が収束し、国際社会によるより建設的な関与の可能性が出てきたところで、シリア政府を悪魔化する試みを再開する理由は何なのだろうか? 紛争当事者のいずれも一線を超えた行為に対しては責任を問われねばならないが、アムネスティが最も気に掛けるべきは人間存在であり、アムネスティが最も関心を置くべきは平和の達成に本来はあるはずだ。消えかかった紛争の燃えさしをかきたてるということではない」というメッセージは、本当にそのとおりだと感じました。「at it again!(性懲りもなくまたか!)」というタイトルには、救いがたい幻滅の響きもありますが、本文からは、長年支援してきたアムネスティに本来あるべき姿に戻ってほしいという願いも感じられます。

アムネスティはなぜ西側の侵略戦争の代弁者になったのか、この問題は難問ですが、いくつかの構造的な要因は挙げることができると思います。一つは資金面、もう一つは人事面です。

NGOはその名のとおり非政府組織、いかなる政府からも独立の立場にあり、それゆえに活動に公平性が担保されると考えられています。しかし、これは建前で、実際には多くのNGOに政府からの資金が流れているようです。アムネスティにも欧米各国からの資金が流れているという指摘があります。

http://www.ngo-monitor.org/ngos/amnesty_international/

「アムネスティは、人権調査活動のための資金を、いかなる政府や政党からも受け取ってはいないと主張しているが、実際には政府の資金を受け取っており、イギリス国際開発省、欧州委員会、オランダ政府、米国政府、ノルウェー政府などが含まれている」

Breaking Its own Rules: Amnesty's Researcher Bias and Govt Funding
http://www.ngo-monitor.org/reports/breaking_its_own_rules_amnesty_s_gov_t_funding_and_researcher_bias/

この記事によれば、イギリス国際開発省から入った2008年から4年間の助成金合計が3,149,000ポンド(この当時のレートをおよそ1ポンド150円とすると約4億7千万円)、2009年には250万ユーロ(およそ1ユーロ130円とすると約3億3千万円)を各国政府から受け取っています。

「アムネスティの自己正当化」という見出しの部分を以下にご紹介します。

「ほとんど知られていない文書だが、アムネスティは政府助成金の受け入れを容認している。2006年5月発行のアムネスティのニュースレターにはこうある。「人権教育プログラムは、アムネスティが通常行っている問題発生をうけての事後的な調査や運動、被害防止的・啓発的な人権活動とは異なるものです。このため、人権教育プログラムにおいては、アムネスティは各国政府とより協力的に活動し、教育活動に充てるための資金を政府から受けることも可能とします」と。そして、この立場を正当化するために「教育プログラムのために政府から資金を受けることは、アムネスティが政府に取り込まれるとか、公平性の原則をないがしろにするとかいうことを意味するものではありません」としつつ、「国内または世界の人権問題に関する理解を各国政府がより一層推進しようとしているかどうか、その熱意を測る」ための手段の一つとして、政府から資金を受け入れるのだと主張している。この部分は、アムネスティが自身のウェブサイトに掲載している「私たちは“人権調査のための”資金を政府に求めたり受け取ったりすることはしません(強調部分追加)」という言い回しが何を意味するものだったのかを示した。しかし、この注意を呼び掛けるべき但し書きが、アムネスティのPR文書からは抜け落ちているのだ。…」

ご参考までに、以下にこのアムネスティのニュースレターを添付します。

Human Rights Education Newsletter: Issue 15, May 2006
https://www.amnesty.org/en/documents/pol32/002/2006/en/

また、以下の二つの記事には、アムネスティへの資金提供者として世界的大富豪ジョージ・ソロス(George Soros)の名前があがっています。政府(政治権力)からの資金のみならず、大富豪(経済権力)からの資金提供も、公平な活動を歪めているようです。

“Human Rights” front groups (“Humanitarian Interventionalists”) warring on Syria
https://ingaza.wordpress.com/syria/human-rights-front-groups-humanitarian-interventionalists-warring-on-syria/

George Soros: Anti-Syria Campaign Impresario
http://21stcenturywire.com/2016/04/22/george-soros-anti-syria-campaign-impresario/

二つの記事を順にご紹介します(役職などは記事掲載当時のもの)。

「アムネスティ・インターナショナル:
アムネスティは各国政府と企業投資家の双方から資金を得ている。後者で最も悪名高いのは、金融犯罪で有罪判決を受けたジョージ・ソロスが率いるオープン・ソサエティ財団である。この財団は、ヒューマン・ライツ・ウォッチをはじめ無数の人権活動家たちに資金を提供している。アムネスティ米国支部事務局長のスザンヌ・ノッセル(Suzanne Nossel)は、米国国務省から直接引き抜かれてきた人物である。…アムネスティのウェブサイトには、米国が後押しして実現したイラン・シリア・リビア・コートジボワールなどに関する国連決議のためにノッセルが果たした役割が紹介されている。…ノッセルの役割は、剥き出しの軍事侵攻や国際的な企業投資家のヘゲモニーを、見せかけの“人権活動”で着飾らせることにほかならない。〔Amnesty International is US State Department Propagandaより〕」

「パートナーNGO
ソロス財団にとってこれまた非常に重要なパートナーシップの形態がさらにある。補助金を受ける者たちとの関係だ。これらの者との間でソロス財団は、自身の重要なアジェンダを遂行するうえでの同盟関係を、長年かけて培ってきたのだ。パートナーには次の者が含まれるが、これらに限られるものではない。国境なき医師団(Médecins Sans Frontières)、エイズ財団(AIDS Foundation East-West)、世界の医療団(Doctors of the World)、パートナーズ・イン・ヘルス(Partners in Health)。なぜこうした団体なのかというと、公衆衛生に深刻な危機が生じる事態では、人権の被害も付随することが多いからである。
(オープン・ソサエティ財団〔ソロス財団〕のパートナー・リストより)

アムネスティ・インターナショナル
さらに、ソロス財団から資金を受けているNGOの中で、シリアの虐殺はすべてアサド政権のせいだと悪魔化し、欧米の武力介入に世論が賛成するよう助力している団体がある。アムネスティ・インターナショナルである。2013年までアムネスティ米国支部事務局長を務めたスザンヌ・ノッセルは、米国国務省の国務次官補代理から移って来た人物だ。米国国務省はシリアに関してバイアスのない組織とは必ずしも言えないものだろう。
(New Eastern Outlook掲載のウィリアム・インドール〔William Engdahl〕氏の記事より)」

アムネスティを歪ませる要因の一つとして、政治権力や経済権力からの資金の流れという問題を見てきました。次に、もう一つの要因としての人事面の問題に移ります。

既に名前が出ましたが、スザンヌ・ノッセルについては以前に藤永先生が批判をされていました。

Add Women and Stir (3)
http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/f7000abf7d69629c4098ab2fa36e4edb

ネット上には以下のような記事もありました。

AN INTRODUCTION: Smart Power & The Human Rights Industrial Complex
http://21stcenturywire.com/2016/04/19/an-introduction-smart-power-the-human-rights-industrial-complex/

「コンセンサス形成のアウトソーシング
重要な国際問題について西側の人々の認識・世論を形成することは、主要大国が外交政策の目標を実現するうえで必須となる。NGOの政策方針の多くが西側諸国の外交政策とぴたりと一致しているという事実は驚くに当たらない。1990年のユーゴスラビア紛争では、人権団体はユーゴの分断を支持した。2014年のウクライナ、2016年のシリアとイエメンでは、彼らはレジームチェンジを支持した。いずれのケースでも彼らは、国連安保理の西側ブロックである米国・英国・フランスの外部広報機関として機能した。こうした共謀について団体の上層部は百も承知であり、彼らの最新アジェンダは、NGO・政府・メディアの間に存在する彼らにとってうまみのある回転扉(訳注:人材が相互に行き来することを指すたとえ)をとおして、確認・形成されていくものである。

人権擁護産業
20世紀に勃興した国際的革新運動の中では添え物程度に過ぎなかった存在が、21世紀に入ると雨後の筍のように増殖し、数十億ドルが動く、国際的な規模をもった、非政府組織へと発展した。そして、世界的な多国籍企業が、こうした団体に資金面で支援をしているのだ。この複雑な関係性の中で牽引役を務めているのが、アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、国際人権連盟(Worldwide Human Rights Movement: FIDH)である。彼らは、中央政府との直接的なつながりのほか、驚くことに軍産複合体の中枢との間でもつながりを充実・発展させてきた。「慈善団体」という表向きの顔に隠れて、こうした団体の多くは、政治的アジェンダを推進し、米国・NATOの戦争計画のためのPR機関としても効果的に機能する。こうした「人権擁護産業複合体」を前面に押し出し、その裏で地政学的アジェンダの形成に動いている重要な存在がある。西側ではホワイトハウスと国務省がその中心である。そして、そうした「政治」のさらに裏側においてこそ、実は本当の仕事がなされており、そこには無数のシンクタンクが存在している。彼らは、大学研究機関類似の支援機構として、政策立案、国家基本戦略その他の重要計画の展開などを担っている。この“シンクタンク業界”の中で名前を挙げることができるものとしては、外交問題評議会(Council on Foreign Relations: CFR)、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies: CSIS)、ブルッキングス研究所(Brookings Institute)、ヘリテージ財団(Heritage Foundation)、アメリカン・エンタープライズ研究所(American Enterprise Institute :AEI)、外交政策イニシアチブ(Foreign Policy Initiative: FPI, アメリカ新世紀プロジェクト〔Project for the New American Century: PNAC〕の後継団体と見られている)などがある。こうしたシンクタンクや財団は、大部の政策論集や調査報告、戦略研究などをまとめあげ、様々な商業メディアをとおして、あるいは、ワシントンDCやニューヨークで開かれる式典・会合・イベントなどの場で配布するが、そうした能力から「政策製造所」とも呼ばれている。1990年代には、湾岸平和安全委員会(Committee for Peace and Security in the Gulf)のようないくつかのシンクタンクが、「イラク戦争開戦」といったある特定の対外政策目的の推進のために立ち上げられた。戦争のあるところその裏には間違いなくシンクタンクあり、ということだ。

人権活動家の就職用回転扉
米国国務省と西側の主要な人権団体との間に人事の回転扉が存在するということは周知の事実である。外交問題評議会(CFR)の政策文書からもそうした関係を知ることはできる。そこにはこう書かれている。「“曖昧な反対の意思”から“強い説得力のある構想”にまで前進させるために、進歩的な政策の立案者たちは、20世紀の米国の外交政策「リベラル国際主義」という力強い頼みの綱に依存すべきである。この政策は、安定的な自由民主国家からなる世界システムは戦争に向かう危険がより少ない、という前提に立つものである。…この理論(リベラル国際主義)は、自決・人権・自由貿易・法の支配・経済発展の推進や、独裁者や大量破壊兵器の締め出し・排除、といった広範な目標を達成していくために米国が積極的なリーダーシップを発揮すべきであるという論を展開していく」。シリア紛争の文脈においてこの文章を読むと、ワシントン(米国政権中枢)が実際どのように動くのかについての荒涼とした絵を示しているものと言える。これは、ワシントンの最も高名な人権活動家の1人であるスザンヌ・ノッセルが書いた文章だ。彼女は2012年に、米国国務省の国際機関担当国務次官補代理の地位から、アムネスティ・インターナショナル米国支部事務局長の地位にダイレクトに移籍した。国務省勤務の前は、ヒューマン・ライツ・ウォッチの最高執行責任者や、ウォール・ストリート・ジャーナル副社長(戦略・執行担当)、CFRの設立メンバーの一社マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタント(メディア、コミュニケーション担当)などを歴任した。ここに見られるのは、ワシントンの外交政策の中枢との間で確たる紐帯をそなえた強力な広報宣伝者の履歴である。しかも、リビアやシリアといった中東のいくつもの国々が、米国主導の国際的圧力への屈服・従属を強いられつつあるというときのものだ。ワシントンが好むようなナラティブを発信していくことは最優先事項であり、米国の対外方針を第一級のNGOアムネスティをとおして国際的に発信していくうえで、ノッセルはきわめて重要な存在だったことだろう。この頃、米国は若者向けの新たなキャンペーンを立ち上げ、地政学的意図をもったナラティブを売り込み始めた。そのナラティブとは「言い訳はもうたくさんだ。ロシアは二度にわたり国連安保理決議に拒否権を発動し、武器を供給し続け、暴力を悪化させている」というものだ。デジタル媒体や紙媒体をとおしたこのキャンペーンは、反ロシア・反シリアのPRを促進するための集会やイベントなどでも支持された。2012年のあるイベントでは、ネパールの若い生徒たちが「Russia: Stop Arms Transfer to Syria!(ロシアよ、シリアに武器を運ぶのをやめろ!)」と書かれたプラカードを掲げる姿が見られた。

https://themoscowtimes.com/static/uploads_new/publications/2016/7/1/e1626f52588a40bcb960c94e807d9b4b.jpg

米国国務省発の対外政策を鏡のように忠実に反映している事実を思えば、このキャッチーなスローガンがいかに人権擁護と関係が薄いものかということが容易にわかるだろう。地政学上の思惑から、ロシアとシリアを孤立させる試みであることが容易に見えてくるだろう。実際、アムネスティのナラティブは、事実とまったく逆なのだ。アムネスティは、シリアにおける暴力の継続と悪化の責任はすべてロシアにあると責め立てる。しかし、そのシリアは、代理戦争をしかけてきた米国主導の有志国連合に属するCIAやその他の国々の諜報機関に加えて、外国からの過激派テロリスト武装集団、違法に国境を越えて搬入される武器などであふれかえっているというのが事実なのだ」

スザンヌ・ノッセルが去った後の現在のアムネスティはどうかといいますと、根本的には何も変わっていないようです。アムネスティのサイトには主要構成員のキャリアが紹介されており、現事務局長のマーガレット・フアン(Margaret Huang)は米国議会スタッフ、上院外交委員会スタッフとして活動した過去がありました。メンバーの中には、上の批判記事に出てきたジョージ・ソロスの財団で活動していた者も見られます。

http://www.amnestyusa.org/about-us/who-we-are/board-of-directors

アムネスティを歪ませる「資金面」と「人事面」の問題をそれぞれ見てきましたが、次の記事はこの双方の問題が手短にまとまっているものです。手厳しいタイトルですが、これがアムネスティの真実なのかもしれません。ちなみに、私もこれは何だろうと気になったのですが、記事冒頭の奇抜な女性たちの写真は、「ロシアのプーチン大統領に目出し帽を送りつけよう」というアムネスティのキャンペーンとのことです。

Amnesty International is US State Department Propaganda
http://landdestroyer.blogspot.jp/2012/08/amnesty-international-is-us-state.html#_blank

桜井元   (2017年2月27日)
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アムネスティの偏向は昔も今も変わらない

2017-02-26 20:51:28 | 日記・エッセイ・コラム


アムネスティの偏向した姿勢は今回のセドナヤ刑務所報告書に限りません。例えばごく直近の例ですが、アレッポの論じ方を見てみます。昨年末にアレッポが政府軍・ロシア軍によって解放されて以降、反政府支配地域で何が起きていたかが明るみに出てきています。以下の記事と動画には、1人の女性が、自分が体験したことや目撃したことを、勇気を出して証言しています。ISだけでなく、世に「穏健派」と呼ばれている反政府派も、ISに劣らぬ残虐さをもって市民を痛めつけていたことが証言されています。

Syrian Woman on Torture under NATO Rebels in Aleppo
https://syria360.wordpress.com/2017/01/13/syrian-woman-on-torture-under-nato-rebels-in-aleppo/

「彼らは「シャリーア」を私たちに強制しました。ひどい飢えを強いられ、パン一つを盗もうものならその手は切断されました。女性は自由に結婚相手も選べず、彼らと結婚するように強いられました。政府を支持する男性との結婚は認められないというのです。政府は、女性が化粧することも、働くことも、顔を隠さずに外出することも認めるからだと。こうした禁を犯した者は首を切断されました。テロリストとの結婚はどういうものかといいますと、男たちは1時間あまり満足すると女性を捨て、セックス・ジハード(従軍慰安婦)として手放すのです。私の女友達は皆そうした目に遭いました。彼らは子どもたちを連れ去ることもします。私はもう2年も息子に会っていません。ヌスラ戦線が息子を拉致して行ったのです。抵抗する女性は拷問され、首を切断され、切られた首は車に載せて巡回し、他の女性たちへの見せしめとして晒されました。彼らは私たちから食糧を、家を、家財のすべてを奪いました。彼らは私の夫を殺し、亡骸をいったんトルコに運んだあと私の元へ返しました。帰って来たときに夫の臓器はありませんでした。あらゆることがタブーとして禁じられました。私はガソリン・タンクに火をつけて焼かれましたが、医者の治療を受けられませんでした。科学はタブーなのです。知り合いの医者に駆け込んだのですが、新しい規則のため女性の体を見ることができないと治療を断られました。母と私が監獄から解放されたとき、私はトルコの病院に行くことを懇願したのですが、彼らはそれをも拒みました。私はいま21歳です。この両手を見てください。治療を拒まれてこのような容姿になってしまいました。私と結婚してくれる人はいるでしょうか。「ロシアとシリアが東アレッポの病院を攻撃している」とマスコミはさんざん報じました。これほど厳しい「シャリーア」のもとで、それはどこの病院のことでしょうか。東アレッポに病院などはありません。保健所も、学校も、なにもありません。テロリストたちは、子どもたちが学校に行くことを禁ずると命じました。…学校は以後、テロリストと武器のための施設と化しました。写真にあるAMC(アレッポ・メディア・センター)のロゴを見てください。こうしたNATO(欧米)が資金援助するテロリストたちは、校庭を武器庫に変え(地対地・地対空ミサイルで埋め)、フランスのパリに招かれては欺瞞に満ちた社会党の政治家たちから称賛を受け、アメリカの連邦議会に招かれては戦争犯罪者たちから称賛を受けました。アレッポが政府軍によって解放されようというとき、主要マスコミやその他の好戦的なメディアはどれも、「アレッポでは女性たちが(政府軍兵士によるレイプをおそれて)自殺を図っている」という嘘を撒き散らしました。実際は、テロリストたちが、(本来の)イスラム教を嫌う(過激な)ワッハーブ派の「聖職者」の許可のもと、女性の殺害、家族の殺害を行っていたのです」

マスコミでは、そしてアムネスティの報告書などでは、アサド政権の残虐性が強調され、また、さすがにISの蛮行も報じられますが、反政府派の問題はまったくと言っていいほど取り上げられてきませんでした。この女性の語ることが真実であれば、マスコミがこれまで人々に示してきた「シリアの紛争の絵」そのものが崩れ去るのではないでしょうか。欧米等が支援する反独裁・自由シリアを求める側の支配する地域が、実はこのような地獄だったとなれば、です。

しかし、アレッポ東部の実情が明らかになった今も、アムネスティは、あいかわらず以下のような主張を撤回していません。真実が見えないのか、見ないようにしているのか、見えていてもそれに反する嘘をついているのか、いずれにしましても「国際人権団体」の名が泣きます。

Syria: Reports of execution-style killings in Aleppo point to war crimes
https://www.amnesty.org/en/latest/news/2016/12/syria-reports-of-execution-style-killings-in-aleppo-point-to-war-crimes/

アムネスティは、国連人権高等弁務官事務所の報告を引用しながら、アレッポ東部で政府軍による市民への虐殺が起きていると主張しています。以下のようなものです。

「アレッポ東部に進軍する政府軍によって多数の市民が超法規的に処刑されているという国連のショッキングな報告は明らかに戦争犯罪を示している、とアムネスティ・インターナショナルは語る。アムネスティは、紛争の全当事者に対して市民の保護を緊急に要請している。国連人権高等弁務官事務所によると、この数時間で82人もの市民が、政府軍とその同盟軍によって、自宅を襲撃されたり路上で銃口を向けられたりして即座に射殺されたという」

そして、アムネスティ・インターナショナルのベイルート地方事務所・調査次長を務めるリン・マールーフ(Lynn Maalouf)の言葉を長く引用しています。以下のとおりです。

「子供を含む市民が在宅中に政府軍によって冷酷に虐殺されているという報告は非常にショッキングではありますが、政府軍のこれまでの行動を考えれば想像できないことではありません。こうした超法規的な処刑は戦争犯罪を構成するものになりましょう」

「紛争をとおして、ロシアの支援を受けたシリア政府軍は、国際人道法を平然と無視し、市民の命をまったく軽視することを繰り返してきました。実際、彼らは普段から戦略として市民をターゲットにしてきました。軍事作戦の過程でも、また、恣意的な拘束・失踪・拷問・その他の虐待行為によってでも。政府軍が東アレッポの完全な支配権を得れば、彼らがさらにひどい虐殺を実行する危険性があり、まだこの地域に囚われの身となっている数千もの市民に対する虐殺が生じる恐れは非常に大きくなっています」

「この数か月、世界(国連安保理も含む)は、市民が連日虐殺され、東アレッポが爆撃を受け大量の墓場と化していくのを傍観し続けてきました。このような非人道の前に国際社会が行動を起こさないことは恥ずべきことです。戦争犯罪や人道に対する罪を不問に付すことで、紛争当事者とりわけ政府軍が大規模にそうした行為に及ぶのを許してしまったのです」

「いま、独立監視団が現地に派遣されることがきわめて重要になっています。市民が保護されること、救援物資が人々のもとへ届くよう人道的なアクセスが保障されること、これらが確保されるためにです」

「現在、負傷した人たちは避難することができず、また、避難を試みる人たちは命の危険に晒されています。アムネスティ・インターナショナルは、紛争地からの避難を願う市民に安全に避難できる経路が確保されるよう、すべての紛争当事者に呼びかけています」

「この数週間、政府軍が進軍するなかで、東アレッポの市民はアムネスティに対して、政府軍の報復が怖いと語っています。先週、国連は、数百人もの男性や子供たちが、政権支配地域から行方不明になったと伝えています」

「アムネスティはこれまで、シリア政府が広範囲に組織的に市民への攻撃手段として行っている「強制された失踪」の問題を強調して訴えてきましたが、これは人道に対する罪となるものです。これ以上の強制された失踪や拷問・その他の虐待行為を防止するために、独立監視団が現地に派遣されることがきわめて重要です」

リン・マールーフ調査次長の以上の発言に対して、ここでは「調査」というものの基本に関わる点ついて疑問を呈しておきます。政府軍・ロシア軍による解放以前の東アレッポが、先ほどの女性の証言のように、まさにISの支配と同じような「地獄」であったとすれば、政府側に有利な発言、反政府派に不利な発言をすることへの住民の恐怖は我々が想像できないほど強烈なものであるはずです。自分たちの身を守ってくれるかどうかも定かでない国連職員の調査に対して、周囲の目を気にして「政府軍が怖い」と回答することは、そうした状況下では十分に考えられることです。市民へのマインドコントロールや恐怖心などを解き、身の安全が確保され、自由にものが言える場所や状況での調査でなければ意味がありません。

なお、アムネスティはここで国連人権高等弁務官事務所を引用しつつ批判しているのですが、大国の思惑で「非難」や「経済制裁」「武力行使容認」などの決議が通る国連安保理の問題のみならず、こうした人権機関などの諸機関も問題を含んでおり、全体として「国連」という存在が発信する情報に対しては、私たちはより警戒しながら接することが求められているように感じます。

シリアをめぐるアムネスティ・インターナショナルの深刻な偏向ぶりを示す事例をもう一例だけご紹介します。こちらは2013年8月とずいぶん以前の記事になります。

Amnesty International, War Propaganda, and Human Rights Terrorism
http://dissidentvoice.org/2013/08/amnesty-international-war-propaganda-and-human-rights-terrorism/

「2013年8月7日、ダマスカス郊外のジャラマナで、18人の市民が木っ端みじんに吹き飛ばされた。犠牲者には子供も含まれていた。ロシア政府はこの非人道的な犯罪行為を厳しく非難した。この犯罪は、西側のメディアでほとんど報道されず、テロリストに武器支援している西側の各国政府が沈黙を守ったことは言うまでもない。おそらく、この攻撃で殺された赤ん坊たちは、バシャール・アサド大統領の支持者で罪人だという扱いなのだろう。
そのとき、人権の母国(フランス)では、パリジャンたちが高級紙ルモンドを読みながらコーヒーを飲んでいた。フランスでは、人権擁護で国際的に名高い「アムネスティ・インターナショナル」が発信するストーリーが日々報じられていた。
 アムネスティは、シリアでの市民への暴力に強い怒りを示すものの、ジャラマナの虐殺にはまったく触れない。…ルモンド紙は、事件を報じるかわりに、アムネスティの活動家ドナテラ・ロベラ(Donatella Rovera)の声明を掲載していたが、彼女は、ジャラマナで爆弾を仕掛けたような連中と同類の集団と、共に時間を過ごしたことがある人物だ。
 ロベラは、シリア政府軍が決然とテロリストを打倒しようとするとき、怒りを示してきた。彼女は「あの体制は、使用が禁じられている武器を使っている」と言う(訳注:エヴァ・バートレット記者も語っていたことですが、シリアへの呼称として「政府government」と言わず「体制regime」と言う時点で、その人物の偏向ぶりが実は示されます。「シリアは独裁体制であり体制転換(レジームチェンジ)が必要だ」という話者の前提が滲み出た表現であり、人々にそうしたイメージを刷り込む効果を狙っている用語だからです)。ロベラの偏見によれば、人口密集の市場に仕掛けられる自動車爆弾などは使用禁止の武器に含まれないようだ。…
 われらが人権活動家ロベラも、彼女のお気に入りの「反乱軍」が関わる犯罪行為をさすがに認めざるを得ないことがあるのだが、それでも彼女は、プロのお手並みで、それは付随的損害だったのだとし、そうした犯罪行為から批判の矛先を逸らすのに注意深く努めるのだった。
 いわく「犯罪行為は、(市民に対してではなく)拘束した政府軍兵士や民兵に対して基本的に行われたものです。ただ、反政府グループも市民の間で目に付くようになり、「彼らの見解」を市民に押し付けているところがあります」と。
 アムネスティの人権活動闘士(ロベラ)は、その「彼らの見解」がいかなるものかについてそれ以上詳しく述べようとはしない。彼女は、彼女のお気に入りの反乱軍たちが占領したアレッポの女性たちにブルカの着用を強制していることにも、人々を飢えさせて服従させるため食料を武器にしていることにも、けっして触れることはない。否、彼女の言わんとすることははっきりしている。「反乱軍は、中にはならず者もいますが、基本的にはいい人間ですよ」と。
(中略)
 アムネスティから見れば、ジャラマナの瓦礫の下に眠る赤ん坊たちは明らかに「政府軍」の一味ということなのだろう。もしそう見ないのであれば、アムネスティはこのような犯罪に対する強い非難を発したはずである。しかし、彼らはそうはしなかった。つまり、彼らはこの犯罪の共犯者と言ってもよい。これこそが、アムネスティがシリア紛争勃発以来、何年にもわたり行ってきた行為であり、彼らは一貫して侵略者たちの側に立ってきた。彼らのシリア紛争に関する報告書はすべて「(シリアの)活動家は…と語っている」「活動家によれば…」「人権運動の闘士たちは…」というもので、そうしたいわゆる「信頼できる情報源」が発するなんらの裏付けもない主張に基づいて、シリア政府を批判し続けてきたのだ。そうした者たちについては、自ら犯罪行為に及びながら、それをシリア政府のせいにしているという事実が確認されている。2011年3月17日、ダラアの町で、素性の知れない狙撃手が、デモ隊と警官隊に発砲したあの時以来ずっとそうなのだ。
 アムネスティは、帝国主義のためのプロパガンダ機関の一つである。実際、広く知られているほとんどの西側の人権団体が、新植民地主義・帝国主義のためのイデオロギー洗脳機関として機能している。19世紀、キリスト教宣教師たちは「キリスト教による開化」の名のもとに、植民地支配の正当化を提供したが、今では人権団体がその代わりというわけだ。「キリスト教の普及」が「人権の促進」に取って代わったのだ。
(以下、記事には、興味深い政治思想の議論が続きますが、割愛します)」

桜井元    (2017年2月26日)
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アムネスティのシリア「人間屠殺場」報告書(ネット上の批判記事から)

2017-02-23 20:33:38 | 日記・エッセイ・コラム

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2月7日付けのアムネスティ・インターナショナルの「人間屠殺場」報告に6日遅れをとりましたが、ヒューマン・ライツ・ウォッチの方も、負けじと「アレッポでのシリア軍の化学兵器使用」を非難する長文(動画、詳細地図つき)の報告を、2月13日、発表しました。

https://www.hrw.org/news/2017/02/13/syria-coordinated-chemical-attacks-aleppo

この二つの代表的人権擁護団体は、正しくは、反人権擁護団体と読んで然るべき団体であり、これに対する痛烈な批判を下の記事が与えています。

http://www.blackagendareport.com/shamnest-international-human-slaughterhouse

(藤永茂 記)
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今回のアムネスティの報告には、すでに批判の声があがっています。シリア報道で信頼のおけるジャーナリスト、エヴァ・バートレット(Eva Bartlett)さんやヴァネッサ・ビーリー(Vanessa Beeley)さんも、いちはやくツイッターで「フェイク(虚偽)」だと批判しています。

https://twitter.com/EvaKBartlett/status/829613789993648129

https://twitter.com/VanessaBeeley/status/829427975271677952

以下に、ネット上で確認できたいくつかの批判記事をご紹介します。

①AMNESTY INTERNATIONAL: Humanitarian Spin Merchants and Propaganda Peddlers
http://21stcenturywire.com/2017/02/08/amnesty-international-humanitarian-spin-merchants-and-propaganda-peddlers-for-nato/

21st Century Wireのこの記事には、多くの関連記事のリンクが貼られており参考になります。批判記事のプラットホームとしてご参照ください。

②Amnesty International’s Kangaroo Report on Syria
http://ahtribune.com/world/north-africa-south-west-asia/syria-crisis/1501-amnesty-international-syria.html

報告書への疑義が箇条書きされています。要点は以下のとおりです。

「アムネスティには調査方法の原則があり、それによると、アムネスティのスタッフ自身が現地で実地に調査すること、収集した証拠は多様な見地から検証し、対立する立場からのクロスチェックと裏付けを経ること、などとある。今回の報告書は、そうした原則をすべて無視している」

「スタッフ自身の調査・一次証拠・物証などがなく、すべてが匿名の証言というあいまいなものに基づいている。しかも証言はトルコ南部でなされたとあるが、この地はシリア紛争に直接介入している地域である」

「証言者との接触をお膳立てした団体がすべて反政府側に偏っている。Syrian Network for Human RightsはシリアへのNATO軍事介入を求めた団体であり、The Commission for International Justice and Accountabilityは西側からの資金を得てシリアのアサド大統領を刑事告発した団体である」

「刑務所や裁判の様子を知る者からは「報告書は実態と違う」という声があがっている。アムネスティは本来、こうした証言との間でのクロスチェック・裏付けをすべきだった」

「報告書は衛星写真を示し「墓が増えたのは絞首刑が増えたから」とするが、そもそも、シリア国軍兵士の殉職者を埋葬する墓地に、処刑された者を埋葬することはありえない。墓が増えたのは、紛争でシリア国軍兵士の死者が増えたからだ」

「逮捕された大半が政権に反対する立場の一般市民だったというのも虚偽である。誤認逮捕の可能性はどこの国にもあろうが、セドナヤ刑務所の95%が一般市民だったというのは馬鹿げた主張だ」

「報告書は、大ムフティー(イスラム法最高位)のアハマド・バドレディン・ハッスーン(Ahmad Badreddin Hassoun)師が一般市民への死刑執行を許可している、と批判する。しかし、このハッスーン師は、イスラム過激派に息子を殺害された後も、赦しと暴力の停止を呼びかけている人物であり、報告書は確かな証拠もなく、こうした苦しみの中にある人を糾弾している」

「報告書は、政権が「人々を絶滅させる行為」を実行していると批判するが、東部アレッポ解放以降、90%の住民が政権支配側での生活を希望したという事実と矛盾する」

「報告書は、平和的手段で政権に反対する市民を投獄し処刑していると批判するが、シリア国内には何万人もの暴力的な過激派が入り込み、自動車爆弾・迫撃砲その他の方法で連日市民を攻撃しているという事実を無視している」

「報告書は、政権が残酷に市民を弾圧しているというが、過去数年間、政権から反対派民兵に対して、武器を捨てれば恩赦を付与し平和的に社会に包摂するという「和解プロセス」の呼びかけがなされてきた事実とも矛盾する」

「報告書は、「シーザー」という偽名の人物が提供したという「証拠写真」に依拠しているが、その信憑性には疑いがある」

「シーザー」写真の問題点については以下の記事をご参照ください。

The Caesar photo fraud that undermined Syrian negotiations
http://ahtribune.com/in-depth/614-caesar-photo-fraud.html

記事によれば、写真の信憑性にお墨付きを与えたのは、英国の弁護士ピーター・カーター=ラック(Peter Carter-Ruck)の法律事務所が中心の調査チームでしたが、この事務所は、シリア紛争で反政府側を支援しているカタールから報酬を得ているほか、かつてトルコのエルドアン大統領の代理人も引き受けました。調査チームには米国人の大学教授デイヴィッド・クレイン(David M. Crane)も参加しましたが、彼は国防総省や国防情報局にもいた人物です。クレイン教授の活動“Syria Accountability Project”はシラキュース大学が拠点ですが、この大学にはCIAの資金が流れており、学生の反対にもかかわらずCIAへのリクルートも盛んです。「シーザー」写真にはCIAの関与が疑われています。こうしたことから調査チームによる「検証」の公平性が疑われます。しかも調査はきわめて杜撰で、写真には、反政府側に殺害された政府軍兵士や市民が多数含まれているほか、通常の戦死者の写真を拷問や処刑によるものと偽っています。

③Amnesty International Admits Syrian "Saydnaya" Report Fabricated Entirely in UK
http://landdestroyer.blogspot.jp/2017/02/amnesty-international-admits-syrian.html

この記事も、アムネスティの調査方法や証拠に疑義を呈しています。掲載された1枚の死亡診断書も、それが拷問・処刑で死亡した者の診断書だという根拠がない、と。そして、アムネスティは事実と証拠に基づいて報告書をまとめておらず、そうした証拠の欠如を糊塗するために、映像クリエーターを雇い3Dアニメと効果音からなる動画を制作したのだと批判しています。ちなみにこの動画の制作には、ロンドン大学・ゴールドスミスカレッジが協力したそうです。

④Amnesty International “Human Slaughterhouse” Report Lacks Evidence, Credibility, Reeks Of State Department Propaganda
http://www.activistpost.com/2017/02/amnesty-international-human-slaughterhouse-report-lacks-evidence-credibility-reeks-of-state-department-propaganda.html

この記事が呈している疑義は以下のとおりです。上の記事との重複する点は略します。

「報告書は、シリア政府と反政府派とで和平協議が行われるタイミングを狙って発表されたものであり、現に“背広を着たテロリストたち”が「この報告書も協議の議題にしろ」と叫んでいる」

「和平を呼び掛けている穏健な大ムフティーのアハマド・バドレディン・ハッスーン師は、イスラム教スンニ派のコミュニティで教徒の案件において判断を述べることしかしない(カトリックの司教のように)。また、政府の側から宗教指導者にこのようなこと(死刑判決)に関して諮ることもありえない。そもそも、世俗派でアラウィ派のアサド大統領がスンニ派の大ムフティーの意見に従おうとするだろうか。アムネスティの“専門家”は、シリアが世俗国家だということに無知だったか、あるいは、人々は騙されやすいのでそういう細かいことは問題ないだろうと思ったのかもしれない。反対派にくみする証言者たちも、自身の生活全般が宗教権威に支配されていることに慣れすぎていて、(世俗国家)シリアに関する証言の中に、そうした(自身の)カルチャーを持ち込んでしまったのかもしれない」

⑤Amnesty International report on Syria: a response from a Syrian dissident (former political prisoner living in Europe)
http://angryarab.blogspot.jp/2017/02/amnesty-internation-report-on-syria.html

この記事には、シリアの人権活動家でセドナヤ刑務所にも収監されたことがあるというニザール・ナユーフ(Nizar Nayyouf)氏による批判が紹介されています。ナユーフ氏はフランスに亡命後もシリア政府を批判し続ける一方、オランダ紙のインタビューでは「イラクの大量破壊兵器は米国のイラク侵攻直前にシリアに運ばれて隠された」などと主張しており、どこまで彼の言うことを信じてよいのか迷うところです。ただ、こうしたアサド政権に対立する人物からもアムネスティの報告への批判が出ているということはご紹介しておきます。

⑥Hearsay Extrapolated - Amnesty Claims Mass Executions In Syria, Provides Zero Proof
http://www.moonofalabama.org/2017/02/amnesty-report-hearsay.html

共同通信が「少なくとも1万3千人を処刑」と書き、報告書の人数すら正確に報じていない点を先にご紹介しましたが、AP通信も同様の見出しを付けていたことがここには指摘されていました。この記事があげた報告書の疑義は以下の点です。

「証言は誇張や不確かなものばかりである。例えば、「寝ていると下の階から、定かではないが、「ゴボゴボ」という音がした」という証言に、世の裁判所は「どこかの部屋でシャワーが流れていた」という事実認定の証拠に採用することはあるかもしれないが、「処刑(絞首刑)」があったということの証拠として採用するだろうか? 話しぶりからは、自分が実際に処刑を目撃したのか、誰かから聞かされたことを話しているのかも、はっきりしない」

「(関係者から提供されたという)95人の名前-実際に処刑されたかどうかも不明-、アムネスティが名前をあげることができるというのは、わずかこれだけである。処刑されたと主張する全体の人数の1~2%にも達していない」

「(証人とのコンタクト調整に関与した)Syrian Network for Human Rightsという団体は、イギリスの情報機関や怪しい資金源とのつながりが疑われる。この団体も犠牲者数の杜撰な算定方法が指摘されており、武装民兵すら市民としてカウントしているのではないかと疑わしい。この団体も、刑務所の囚人(大半が市民だという)が死亡していると主張するのだが、処刑によるものとは語られていない。シリアの犠牲者数の情報源としてメディアで頻繁に引用される団体が、アムネスティが算定した5千人から1万3千人の被処刑者に関する記録をなんら把握していないということがありうるだろうか」

Syrian Network for Human Rightsの怪しい素性については以下の記事をご参照ください。

The Syrian Network for Human Rights: one of four Sources of Amnesty International new report on Syria.
http://angryarab.blogspot.jp/2016/08/the-syrian-network-for-human-rights-one.html

「シリアの憲法や法律の中に、軍法会議や刑事司法手続における大ムフティーの役割を規定しているものは見当たらない」

「シリアの法律には重い凶悪犯罪に対する死刑が規定されてはいるが、2011年以前に実際に執行されたのはきわめて稀で、多くが死刑を減刑されていた。2011年以降は、武装テロリストを処罰できるよう法改正があったとされており、重大な犯罪を犯したテロリストに死刑が宣告された可能性は十分に考えられる。シリア政府は、大量殺人その他の虐殺行為で知られるIS(イスラム国)やアルカイダその他の過激派組織と戦っており、一部に死刑が適用された可能性はあるだろう。しかし政府は、武装解除した何万人もの者たちに恩赦を与えてもいる」

⑦Sednaya Prison: Who needs proper evidence when you’re Amnesty International?
https://www.almasdarnews.com/article/sednaya-prison-needs-proper-evidence-youre-amnesty-international/

この記事は以下の点に疑義を呈していました。

「報告書がいうとおり完全に秘密裡に処刑されるのだとすれば、セドナヤ刑務所の囚人たちが実際に処刑されたのか実はまだ生存しているのかについて、関係者は何も証拠立てて語れないはずである。それなのに複数の家族(22の家族がアムネスティに証言)が自分の身内がセドナヤ刑務所に囚われているとどうして知ることができるのだろうか」

「報告書はダマスカスに秘密の集団墓地があるとしつつ、アムネスティとしては現地にアクセスできないので独自に真偽を検証できなかったとある。情報源となったという人たち、とりわけ刑吏に写真一枚撮ってきてもらうこともできなかったのだろうか」

「verify(実証する・確認する)という重要な単語がようやく二番目に出てくるのが報告書の40頁(訳注:48頁からなる報告書の終盤)だが、この節は非常に短いもので、(アムネスティが)どのように実証したのかについては書かれておらず、375人の囚人が拷問死したとSyrian Network for Human Rightsが主張していることを根拠にセドナヤ刑務所内の死亡事例を確認(verify)した、とだけある」

「Syrian Network for Human Rightsは、375人の囚人が拷問・虐待で死亡したとはっきり言えるほどセドナヤ刑務所内での出来事を把握できていたとすれば、つまりこの団体にセドナヤ刑務所をモニタリングする能力がそれだけあったのだとすれば、13,165人もの囚人をいったいどうして見失ったのだろうか(訳注:13,165人とは、アムネスティの「推定(estimate)」最大値13,540人から「verify(実証・確認)」できたという375人を差し引いた人数)」

「アムネスティは、自分の監房で目撃したという元囚人から、拷問・虐待で死亡したという者の名前36人分をさらに入手したという。つまり、アムネスティが面会や電話で接触した人物は、何らの裏付ける証拠もなく36人の名前を提供してきたということである。そのうえ、秘密裡に処刑された者は推計で1万3千人になるという主張まで、我々に信じろというのだろうか」

「(報告書に協力した)シリアの拘禁事情に詳しいという内外の専門家たちはなぜ匿名でいる必要があるのだろうか。もしも彼らが本当に専門家であるならば、実名で仕事をするはずだし、そうすることで専門家の評価は可能になる」

今回の報告書に関する批判記事のご紹介はここまでにします。重複するポイントは省略しても、これほどまでに様々な疑義が提示されていることがわかります。対立する者がいる場合(シリアでは紛争の当事者同士)、一方の言い分(または一方に近しい者の言い分)だけを元に結論づけるのは調査方法のイロハに反することですし、検証不可能な匿名の証人による曖昧な証言をもとに「推定」を膨らませていくという手法も問題です。より根本的な問題としては、そもそもシリアの紛争は、現代の国際法では許されない「主権国家の政権に対して外国が軍事力をもって干渉してその転覆を図る行為」(=侵略)を、欧米・トルコ・サウジ・カタールなどが共同で実行しているというものです。しかも藤永先生が詳述してくださってきたように、アサド政権を弱体化させるために、そして、シリアの国土を破壊するために、利用できる好都合の道具とみて、IS(イスラム国)などに裏で様々な支援をしているのも、実はそうした国々です。アムネスティ報告書の問題点は、シリアの地で起きている最大・最悪のそうした不正義・犯罪には触れず、シリア政府だけをピンポイントで攻撃している点です(しかも上述のように杜撰な怪しい報告書をもってして)。

桜井元    (2017年2月23日)
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アムネスティのシリア「人間屠殺場」報告書(一読して感じた疑問点)

2017-02-21 21:46:45 | 日記・エッセイ・コラム

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今回から5回にわたって櫻井元さんからの寄稿論説を掲載します。このブログでは、過去に何度もいわゆるNGOの問題について論じてきました。例えば、2012年7月4日付の『Add Women and Stir (3)』では、アムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウォッチ、それに関連してスザンヌ・ノッセルのことも取り上げました。今度、寄稿をお願いした櫻井さんの論考は、事態が極めて深刻な様相を呈していることを私たちに告げています。私たちは、個人として、どのように対処すればよいか。これは大きな問題です。上掲のブログ記事にアムネスティの元日本支部長を勤めたイーデス・ハンソンさんの名前も出ていますが、彼女は現在のアムネスティ・インターナショナルについて決して快く思っていないだろうと私は忖度します。しかし、彼女が自分の本当の気持ちを公言することはありますまい。タレントとして「お声」が掛からなくなるからです。櫻井さんの論説の中に出てくる有名人たちについても同じことが言えると思います。いや、時流に乗るために進んで迎合する人たちも多いのでしょう。我々名もない人間たちはいろいろな形で抗議の声を大にしなければなりますまい。(藤永茂 記)
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東京新聞(2月9日)の国際欄の片隅に「シリア1万3千人処刑」という見出しの小さな記事が出ました。共同通信配信の記事で、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの報告によるものとあり、アサド政権がダマスカス近郊のセドナヤ刑務所で2011年から2015年までに少なくとも1万3千人を処刑したとありました。ネットでその報告書に当たり全文を読んでみましたが、まず共同通信は報告書の内容すら正確に伝えていませんでした。報告書は推定処刑人数を「5千人から1万3千人」と記述しているので、「少なくとも5千人」とすべきものでした。しかし、それは些末な問題で、問題の本質は、影響力のある国際人権団体が虚偽報告を発信し、マスコミがそれを無批判に掲載して拡散している点です。アムネスティのサイトには報告書だけでなく、非常に手の込んだ映像もアップされています。

https://www.amnesty.org/en/documents/mde24/5415/2017/en/

https://saydnaya.amnesty.org/

報告書には、「2011年以降、シリア政府による被拘禁者への暴力はその規模・苛烈さを格段に増した…セドナヤ刑務所その他の政府系刑務所において拷問や死のリスクにさらされたのは、政権に反対するとみなされた者たちだった。多くは、デモ参加者、長期にわたる反対派、人権擁護者、ジャーナリスト、医師、人道支援活動家、学生たちだった。…アムネスティの調査によれば、殺害・拷問・強制された失踪・絶滅させる行為は、市民への弾圧の一環として行われ、政権の方針に見合うよう組織的にしかも広範囲に行われた。これは人道に対する罪である」とありました。2011年からの紛争の過程を、政府側を極悪視して描いています。

元シリア大使・国枝昌樹氏の著書(『シリア-アサド政権の40年史』平凡社新書、2012年)を以前にご紹介しました。マスコミ(中東のテレビ局も含めて)のシリア紛争の歪曲した報道ぶりを厳しく批判されていましたが、同書にもあるように、シリアは、イスラエルとの中東戦争、周辺国・欧米との軋轢、イスラム原理主義者・ムスリム同胞団による武装蜂起、大統領暗殺未遂事件、世俗的で社会主義的な政権に反対する勢力に加え、多民族・多宗教の複雑性など、たいへん難しいかじ取りを余儀なくされてきた国です。シリア危機では、反政府派の武装蜂起のみならず、この機に乗じてアサド政権打倒を図る諸外国の介入も加わり、ことは「平和的なデモ隊に対するアサド政権の暴力的弾圧」という単純な図式ではないものです。藤永先生もこれまでこの問題を追究され詳細に提示してくださいました。

アムネスティの報告書は全体で48頁に及ぶものですが、その中にわずか13行からなる節「3.2 DETENTION-RELATED ABUSES BY NON-STATE ARMED GROUPS(非国家武装グループ諸派による拘禁関連の虐待行為)」があります。反政府派やIS(イスラム国)などの犯罪行為への言及はほんのこれだけで、しかもその書きぶりは驚くべきものでした。「反政府武装グループやIS(イスラム国)などにも様々な非人道的な戦争犯罪があり、拘禁中の劣悪な環境・拷問・殺害などが確認されているが、2011年以来の拘禁者への暴力行為の大半はシリア政府によるものだった」と。今回の報告書は、アムネスティのスタッフがシリア各地で実地に調査したものではなく、トルコ国内であるいは電話などを使ってのインタビューという方法をとり、その証言をもとに被害者数を推定したとあります。匿名の証言者とのコンタクトを調整したのはすべて反政府側にくみする諸団体で、それ自体が偏向しているという問題もあります。また、反政府側の武装集団の諸派あるいはISによる被害者数はどのように積算したのでしょうか。それぞれを算出しなければ、「政府による被害が最大だった」とは結論づけられないはずです。あの残虐なIS以上にひどいことをしていると書くとは、アサド政権をおとしめようと意図するあまり、かえって怪しい作為の臭気が漂います。

報告書は「拷問の末、政府軍兵士殺害などの罪を自白させられた者は即決裁判にかけられたが、その裁判は弁護士も付かず、わずか1分から3分ほどのもので、判決内容は本人に告げられることもないという、とてもまともな司法手続きではなかった。…大統領恩赦や捕虜交換で釈放されることもごく稀にあるが、その場合でも被拘禁者の家族や友人は賄賂の提供を強要された」とします。自白を引き出すための拷問や性的虐待、処刑の日の直前に加えられる嗜虐的な拷問の様子が執拗に記述されており、「最初に行われる拷問は“歓迎パーティー”と呼ばれた」「拘置所と裁判所の間の移動は目隠しと手錠のままで行われ、看守や囚人たちの間で“食肉用冷蔵庫”と呼ばれる白いトラックが使われた」「処刑はぎりぎりまで本人に知らされず、目隠しのまま刑場に連れ出され、首に縄が巻かれて初めて自分の処刑方法を知るのだった。囚人たちの一斉絞首刑は“ザ・パーティー”と呼ばれていた」などと、おぞましい“隠語”をまじえ恐怖と残虐性を醸し出します。なにより報告書のタイトルが「人間屠殺場(Human Slaughterhouse)」という猟奇的なものです。明らかにナチスのホロコーストを想起させる印象操作です。

拷問が絶えない地獄のような刑務所にいたという囚人たちの証言は不自然に詳細で、処刑された遺体を運ぶ場面を見たという囚人は、「監房の流し台に足をかけて高窓から外の様子をのぞいた」とありますが、遺体を運ぶ車両が「韓国の現代(ヒョンデ)自動車製のトラック」とまで識別できるものでしょうか。のぞいているところを見つかれば殺されると別の証言者は語っていますが、そのような緊迫した状況下で、しかも、この証言者は「遺体の運搬作業は午前3時すぎから日の出前の暗いうちに行われた」と証言しています。別の証言者はトイレに行くふりをしてそこの電気を消してからそっと外をのぞいたと言いますが、同じく「韓国の現代自動車製のトラックだった」と述べ、しかも「緑色だった」とまで証言しています。日の出前の暗い時間帯に、刑吏に見つからぬように恐る恐るのぞいた窓から、車種や色まで識別して記憶できるものでしょうか。

複数の者が口をそろえてわざわざ「現代自動車のトラック」と証言しているところがひっかかります。もしかしたら「緑色の現代自動車のトラック」は実際にあるのかもしれません。「これを目撃したのだ。やはり証言は確かだった」と主張できるように。しかし、証言の信憑性を高めようと内容を詳細にしたことが裏目に出て、上述のように刑務所内の状況を語った部分との間で矛盾をきたし、かえって不自然になっているような気がします。また、ある証言者は「トイレに行くふりをして窓からのぞいた」と語り、別の証言者は「夜間はトイレに行くことを禁じられ、禁を破れば罰せられるので、外の音をとらえようと耳をすませた。あれはトラックに遺体を運搬する音だった」と語り、夜間のトイレが認められていたのか禁じられていたのか、刑務所内の状況に関しても矛盾が見られます。さらに、多くの証言者が「何時頃に見た」「何時頃に音を聞いた」と語るのですが、報告書によると刑務所の監房は日差しも換気もない劣悪な状況だったとあり、そうしたなかで拘禁されている者に時間の感覚というものが維持できるのかも疑問です。

報告書には、「絶滅させる行為」(国際刑事裁判所ローマ規定7条1項(b)・2項(b))についての記述もありました。絶え間ない暴行、侮辱のほか、水・食料・薬・治療などを与えないことにより、精神的・肉体的に衰弱させ死に至らしめるものとあり、3人の瘦せ細った人たちの写真が健常時の写真と比較して添付してありました。しかし、現在のシリアでは飢餓が深刻であり、このような痩せ方をしている人は珍しくないはずです。飢餓の原因は、長年の経済制裁(米国中心ですが、日本も追随して参加)と紛争そのものによるものです。ネット上では飢餓の悲惨な写真とともにアサド政権を責める内容の文章が数多くアップされていますが、これらは為にする一方的な断罪でしょう。

Syrian government will allow UN aid in villages after reports of severe malnutrition
http://www.nydailynews.com/news/world/syrian-governments-oks-aid-malnutrition-reports-article-1.2488870

シリア紛争を取材し続けているフリーランス記者のエヴァ・バートレット(Eva Bartlett)さんも語っていたように、反政府支配地域では、住民が逃げないように暴力的に監視していて、食料も十分に配給されない状況にあります。シリア軍とロシア軍が住民の脱出ルートを開き、政権支配地域に逃げられた人たちには食料が提供されているとありました。また、海外からの「援助物資」には反政府側への武器も確認され、円滑な受け入れができない原因は反政府側にあるわけです。こうした状況下で、飢餓の写真説明などは容易に捏造できるものと考えられます(「これほど痩せ細ったのは刑務所の虐待によるものだ」と)。

SYRIA: Eva Bartlett Faces Off with ‘Rebel’ Supporter on Sources and Propaganda
http://21stcenturywire.com/2016/12/17/eva-bartlett-faces-off-with-dilly-hussain-on-syria-news-sources-and-propaganda/_

Lavrov: Syria-bound Humanitarian Aid Convoys from Turkey Deliver Arms to Terrorists
https://syria360.wordpress.com/2016/03/01/lavrov-syria-bound-humanitarian-aid-convoys-from-turkey-deliver-arms-to-terrorists/

報告書には、「食事は、髪の毛やダニ・シラミなど汚物まみれの床の上にわざとまき散らして提供されたが、飢えた囚人たちはそれらをかき集めて食べた。天井の一部がはがれ落ちてきた際、幻覚からそれがパンに見えて食べた者もいた。掃除用の洗剤入りの水を飲んだり、天井や壁の結露をなめたり、自分の小便を飲んだりもした」という極限状況の描写がある一方、「トイレの水すら与えられず便も流せないので、臭気の中で過ごすのを避けるため、便をしないように、提供された食事はベントから廃棄した」という証言もありました。人間は、飢えと渇きの極限状況で、食事を食べずに廃棄する行為に及ぶものでしょうか。こういう部分も、証言の信憑性を疑うところでした。

「真冬に窓を全開され、下着だけにされ、水をかけられ、体調を崩して命を落とす者が出た。同じ棟からは19人、そのうち自分の監房からは4人が亡くなった」という証言もありますが、報告書には刑務所の規則として「話すことはおろか囁くことすら禁じられ、見つかれば罰せられた。拷問の際にも声をあげてはならないというのが規則だった」とあります。自分の房の死者数はわかるかもしれませんが、互いに話すこともできない状況で、他の房の犠牲者数や棟全体の死者数をどのようにして知ることができたのでしょうか。

「刑務所での虐待の中心は鞭による殴打だった。様々な鞭が用意された」とありました。鉤を付けた鞭もあり、皮膚が引き裂かれ、床は血だらけになった、などと生々しい描写があります。もしこれが真実ならば、証言者は、瘦せ細った写真(服を着た状態)だけでなく、なぜその傷跡の写真を証拠として示さなかったのでしょうか。自身の尊厳にかかわることかもしれませんが、一方で、虐待の生々しい様子を事細かく証言しつつ、他方で、決定的証拠となる体の傷跡はいっさい示そうとしないのも、どこか不自然な感じがしました。

素人の私が一読しただけでも、このように複数の疑問がわく内容の報告書でした。

過去、敵対国をおとしめ、国際世論を味方につけ、戦争の口実をつくるために、数え切れないほどの「プロパガンダ」が作られ、流されてきました。ブッシュ(父)政権の湾岸戦争(第1次イラク戦争)の布石となった「ナイラ証言」(イラクの兵士がクウェートの乳児を殺害している)も虚偽でした。ブッシュ(子)政権のイラク戦争(第2次イラク戦争)の開戦理由となった「パウエル報告」(イラクが大量破壊兵器を保有している)も虚偽でした。オバマ政権のリビア侵略の口実となった「カダフィは傭兵を使い自国民を虐殺している」も虚偽でしたし、オバマの右腕・ヒラリーが語った「カダフィは兵士にバイアグラを配りレイプさせている」も虚偽でした。そして今、シリアをめぐり、「アサド大統領は冷酷な独裁者」「アサド政権は自国民を虐殺している」「ロシアは独裁者の後ろ盾」「反政府側は、独裁政権打倒に立ち上がった自由を求める市民」「欧米やトルコは反政府側を支援しつつISとも戦っている」といった虚偽があふれ、「ホワイト・ヘルメット」「救急車の少年オムラン」「ツイッターの少女バナ・アルアベド」など人々の情に訴えるストーリーや映像が捏造され世界中にばら撒かれています。

アムネスティがこうした「プロパガンダ」に無知・無警戒ということはまずありえないことです。本来であれば、「ナイラ証言」をめぐるアムネスティ自身の「前科」を深く反省し、欧米が敵視する対象を狙った糾弾・証言こそ、より慎重な姿勢で検証に臨むべきなのに、この団体は同じ過ちをリビアでもシリアでも繰り返し、まったく懲りずに今回の報告書に至りました。報告書は結論部分で、「国家ぐるみの拷問・虐殺は今も続いている。一刻の猶予もならない」と国連安保理の行動まで促し、「国際社会はこれまでもシリアの深刻な国際法違反を阻止することに繰り返し失敗してきた。国際社会を動かすには何が必要なのだろうか。世界は、市民への容赦ない爆撃、大量の行方不明者、包囲戦での飢餓、組織的拷問を目撃した。本報告書は、大量の超法規的処刑、拘禁者への絶滅政策について記録した。(ことここに至って)行動を起こさないことは人倫に反することになる」といった厳しい調子でシリア政府を断罪しました。

報告書は提言として、「国連が積極的にシリア国内の調査に入り、人道に反する罪、戦争犯罪を犯した者たちに法の裁きを課さねばならない」と言うのですが、アサド大統領にそうした法的責任を課し、紛争後のシリアの政治から彼を排除しようという布石でしょうか。アサド大統領とインタビューしたTBSの星浩氏なども番組内で「国際社会はアサド大統領の戦争責任を見逃さないだろう」などと述べていましたが、武力でアサド政権を倒せなくなった今、法的責任を問うというかたちでシリアの政権転覆を図るという汚い手を使ってきそうです。しかし、インタビューでアサド大統領も語っていたように、シリアの政治を決めるのはシリアの人たち自身であり、外国勢力であってはなりません。何より、戦争責任・戦争犯罪・人道の罪が問われるべき対象は、ISをはじめとしたテロ組織、反政府武装グループ、欧米・トルコ・サウジ・カタールなどです。

櫻井元    (2017年2月21日)
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