最近、私の筆が滞りがちなので、それを助けてやろうというお気持ちからでしょう、桜井元さんという方から、中身のつまったコメントをいくつか続けて頂きました。たいへん読みがいのある内容なので、その一つをここに転載します。お読みください。
■「ノースウッズ作戦」と「ホワイト・ヘルメット」 (桜井元)
2016-05-15 03:49:00
藤永先生がご紹介くださった諸々のネット情報をじっくり読んでみました。まず、ウクライナ上空での民間機撃墜に関するもののなかに、1962年に米国軍部がキューバに対して極秘裏に計画した「ノースウッズ作戦(Operation Northwoods)」のことが触れられていました。情報公開された同作戦の計画メモを National Security Archiveのサイト上で読むことができました。
ttp://nsarchive.gwu.edu/news/20010430/northwoods.pdf
キューバへの軍事侵攻を正当化するための偽旗作戦で、そこには様々な謀略が記されていました。
「グアンタナモ基地への攻撃」、「船舶の沈没」、「航空機のハイジャック」、「民間機の撃墜」、「米軍機の撃墜」、「米国を目指す亡命キューバ人を乗せた船の沈没」、「米国内のキューバ人を狙ったテロ」、「フロリダ州のほか首都ワシントンにおけるテロ」、「カリブ諸国での地下活動」などなど。これらを自作自演し、すべてをキューバのカストロ政権の仕業として非難し、国内世論や国際世論を味方につけ、軍事攻撃の正当化根拠にしていくというものでした。
F86戦闘機をミグ戦闘機のように偽装する方法や、撃墜されたと見せかけるための民間機のすりかえの方法をはじめ、パイロットがニセの遭難信号を発信したり、当該海域に機体の残骸をまいたり、ニセの葬式を行うこと等々まで、細かい謀略の手法が念入りに書かれていて、これらが米国統合参謀本部の幹部の間で合議され認可されたということに戦慄を覚えます。
国際法をここまで無視する米国こそ「ごろつき国家」「ならず者国家」の称号にふさわしく、さらに、ここまで統治機構が腐敗している米国こそ「失敗国家」の称号にふさわしいと言えるのではないでしょうか。
ところで、米国とキューバの国交正常化のニュースが流れた際、おなじみの池上彰さんがわかりやく解説をするというテレビ番組がありました。キューバ危機の歴史にまでさかのぼっての解説でしたが、「ソ連のミサイル配備」、「緊張を高めたキューバ」、「理性的に対応して危機を回避したケネディ」といった教科書的な内容でした。池上さんやテレビ局には「親米・反共」のバイアスをかけず、ありのままの米国・キューバ関係史を視聴者に伝えることを望みます。そうした番組のなかではもちろん「ノースウッズ作戦」に触れる必要があるでしょう。
次に「国境なき医師団への公開質問状」を読みました。この文書の中には様々なリンクがはられていますが、そのなかで同じ著者による「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」について書かれた記事に当たることができました。その名のとおり白いヘルメットをかぶり、勇敢にも戦場を駆け回り、瓦礫に埋まる人々を救出する民間の救助隊とされている団体です。しかし、この団体も、シリアにおけるプロパガンダの一環、巧妙な罠のようです。以下は、同記事の要約です。
ttp://dissidentvoice.org/2015/04/seven-steps-of-highly-effective-manipulators/
(要約はじめ)
Jeremy HeimansがCEOを務める国際PR企業「Purpose Inc.」が、シリアでの情報キャンペーンを2014年に立ち上げ、石油・ガス関連の億万長者Ayman Asfariの財団から資金を援助されます。このなかでホワイト・ヘルメットという団体がプロモーションされていきました。この団体はもともと英米が作ったもので、シリアの反政府支配地域の人たちに金を支払ってトルコに送りそこで訓練をさせており、その中心に元イギリス軍人で今はドバイに拠点を置く「Mayday Rescue」という会社のJames Le Mesurierという人物がいます。
ホワイト・ヘルメットは党派性はないと言いながらも実際には反政府側の支配地域で活動しており、ヌスラ戦線(アルカイダ系)と協力関係にあります。そして、アサド政権を悪魔のようにののしり、外国勢力による直接的な軍事介入を求めています。
ホワイト・ヘルメットの情報戦は巧みで、団体自身のサイトのほか、団体幹部がワシントンポストに投稿したり、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを駆使したりしています。きわめつけは、リビアへのNATO・米軍の軍事侵攻を正当化・代弁したニューヨークタイムズの記者Nicholas Kristofによるホワイト・ヘルメット礼賛のプロモーション記事です。この記者は、「撃たれ傷つき家を破壊されたリビアの人たちは、侵攻した外国勢力を恨まず、むしろ感謝している」という記事を書いたのですが、その彼が今度はシリアへの外国勢力による軍事侵攻を扇動しています。
前出「Purpose Inc.」のCEOであるJeremy Heimansらは、このほかに、オンラインのロビーイング団体「Avaaz」というものを立ち上げました。設立資金はジョージソロス財団が出していますが、この「Avaaz」は、かつてリビアでNo Fly Zone飛行禁止空域設定キャンペーンを実施し、今ではシリアで同様の主張を展開しています。
「マニピュレーション」というものは、事実にではなく、扇情的なイメージやメッセージに依拠するものです。マスコミは善玉・悪玉を単純化し誇張して伝えたがり、大衆は疑問をもたず自分で調べてみようともしません。マニピュレートする側はそうした両者の傾向にも依拠しようとします。今日、ソーシャルメディアの発達もあり、情報は瞬く間に広範に拡散するようになりました。それだけニセ情報にだまされる危険性は大きくなっています。
(要約おわり)
このホワイト・ヘルメットに「ノーベル平和賞」を与えてはいけないと、警戒・反対するキャンペーンがあることを知りました。佐藤栄作、キッシンジャー、オバマなどへの授賞を考えると、本当に有り得ないこととも言えず、洒落にならない話です。
ttps://www.change.org/p/nobel-prize-do-not-give-2016-nobel-peace-prize-to-syrian-white-helmets
「国境なき医師団への公開質問状」は、アレッポの反政府支配地域の被害(その病院の実在自体が疑わしいのですが)と政権支配地域の被害への「国境なき医師団」の対応・姿勢の落差を非難する内容でしたが、公開質問状の(9)の項目に、両者の被害状況とされる動画へのリンクがあり(いずれもyoutube)、これらを比較してみてほしいとありました。筆者は前者の「やらせ」と後者の真実性を示唆しているわけですが、そう言われるとそのような映像に見えてきます。映像の鮮明性、現場の緊迫感、人々の戸惑いや怒りや悲しみにも差があるように見えました。
このなかで⑥の動画は、視聴に年齢制限がかかっているものでしたが、腕を失った瀕死の重傷者を担架で運ぶシーンや、幼い子どもたちを含む犠牲者の遺体が次々と映ります。検死をした医師が幼い遺体にキスをしてシートで覆うシーンや、マイクを持った記者と思われる男性が遺体安置室で悲しみのあまり泣きじゃくるシーン、一人の男性が犠牲者の遺体を前にやり場のない感情に大声をあげて叫ぶシーンには、見ていて涙が止まりませんでした。この動画は、今のシリアの現状をまっすぐに伝えています。目をそむけずに見なければいけないと思いました。
(反政府支配地域の被害)
①ttps://www.youtube.com/watch?v=KqhymyjTCRw
②ttps://www.youtube.com/watch?v=kYZp8oiNauw
③ttps://www.youtube.com/watch?v=6R8WgsWDMDk
(政権支配地域の被害)
④ttps://www.youtube.com/watch?v=-vaGwrb1r40
⑤ttps://www.youtube.com/watch?v=Sc5UlQgn4MI&feature=youtu.be
⑥ttps://www.youtube.com/watch?v=6RXC3Yn45l8&feature=youtu.be
■(桜井さんのコメント終わり)
5年ほど前に、私は『気楽に英文記事を読む習慣』と題するブログ記事の冒頭で
「前回の終りに掲げた英文記事の翻訳紹介を怠りましたら、桜井元さんが、前回のブログへのコメントの形で、その内容をまことに的確適切にまとめて紹介して下さいました。桜井さんはその中で「英和辞書を引きながら、わからない単語や表現は読み飛ばしつつ、なんとか大意はつかめたと思います」と申しておられますが、これは謙遜のお言葉でしょう。しかし、ここには私たちが英文記事を気楽に読むためのコツが述べられています。あとは慣れの問題です。とにかく、うるさがらず、好奇心を持って、ネット上に溢れる英文記事に目を通してみる習慣を身につけようではありませんか。すこし努力しながら続けているうちに、頭の中の英語の語彙は殆ど増大していないのに、いつの間にか、英文記事の内容が以前より随分と楽に読み取れるようになります。言葉というものに備わっている不思議さです。」
と書いています。私の勝手な、そして、おそらく失礼な想像ですが、桜井さんは、今は、5年前とは比べものにならないような気軽さで、あれこれインターネット上の情報源を読み漁りしておられるのでしょう。世界のマスメディアがほとんど完全にプロパガンダの道具と化してしまった今、我々一般大衆が世界で進行していることの真相を嗅ぎつけるためには、英文記事を忌避せずに読みこなすことが大変必要になっていると思います。
衆愚という言葉があります。多くの愚かな人間たち、愚かな群衆、つまり、我々のことです。その一人である私は、時折、読者の方から叱られます。私が『マスコミはWMD(マス破壊兵器)と化した』の中で、MSF(国境なき医師団)は中立性を失って米国寄りになったと書いたのに対して、特命希望さんから「何を今さら」と叱られました。
■MSFは朝鮮侮辱の前科があるのに (特命希望)
2016-05-08 12:40:20
何を今さら。
フォラツェンとかいう自称「北朝鮮」を知りすぎた医者とか言う輩が10年ほど前はびこっていたでしょう? ■
だいぶん前のことですが、9.11 (世界貿易センタービル崩壊)を偽旗作戦とはっきり認めるのを渋っていた私は、平和運動家の池辺幸恵さんからお叱りを受けたことがありました。衆愚の間抜けさ加減に苛立ちを覚えている方々も少なくないかもしれませんが、我々の大部分は愚か者としての自覚が常に必要であり、マスメディアの圧倒的な喧伝攻撃を掻い潜って、真実を把握する努力をしなければなりません。
上掲の桜井さんからのコメントの中に、ロビーイング団体「Avaaz」のことが出ています。私のメール箱にもAvaazからのメールが送られてきます。いつも正論、正義の味方の装いなので、この団体の署名運動に参加して献金なさる方々も多いことでしょう。まさに衆愚の行為です。最近の主題は「中国・玉林市の犬肉祭」でした。なぜ豚を食べるのは良くて、犬を食べるのは悪いのか? この問題は、時を改めて考えることにします。
ウィキペディア(日本語)の「衆愚政治」の項には興味深いことが書いてあります。
■大衆論の見地によれば、大衆を構成する個々の人格の高潔さや知性にも関わらず総体としての大衆は群集性(衆愚性)を示現する可能性がある。衆議を尽くすことでしばしば最悪のタイミングで最悪の選択を合意することがあり、リーダーシップ論や意思決定における「合意」の難しさは重要な論点となる。近代民主主義制度においては意思形成(人民公会)と意思決定(執政権)を分離することでこの問題を回避しようとするが、独裁と民主的統制の均衡において十分に機能しないことがある。■
私が特に面白いと思うのは「大衆を構成する個々の人格の高潔さや知性にも関わらず総体としての大衆は群集性(衆愚性)を示現する」という所です。これについても、日を改めて検討してみます。
藤永茂 (2016年5月23日)
■「ノースウッズ作戦」と「ホワイト・ヘルメット」 (桜井元)
2016-05-15 03:49:00
藤永先生がご紹介くださった諸々のネット情報をじっくり読んでみました。まず、ウクライナ上空での民間機撃墜に関するもののなかに、1962年に米国軍部がキューバに対して極秘裏に計画した「ノースウッズ作戦(Operation Northwoods)」のことが触れられていました。情報公開された同作戦の計画メモを National Security Archiveのサイト上で読むことができました。
ttp://nsarchive.gwu.edu/news/20010430/northwoods.pdf
キューバへの軍事侵攻を正当化するための偽旗作戦で、そこには様々な謀略が記されていました。
「グアンタナモ基地への攻撃」、「船舶の沈没」、「航空機のハイジャック」、「民間機の撃墜」、「米軍機の撃墜」、「米国を目指す亡命キューバ人を乗せた船の沈没」、「米国内のキューバ人を狙ったテロ」、「フロリダ州のほか首都ワシントンにおけるテロ」、「カリブ諸国での地下活動」などなど。これらを自作自演し、すべてをキューバのカストロ政権の仕業として非難し、国内世論や国際世論を味方につけ、軍事攻撃の正当化根拠にしていくというものでした。
F86戦闘機をミグ戦闘機のように偽装する方法や、撃墜されたと見せかけるための民間機のすりかえの方法をはじめ、パイロットがニセの遭難信号を発信したり、当該海域に機体の残骸をまいたり、ニセの葬式を行うこと等々まで、細かい謀略の手法が念入りに書かれていて、これらが米国統合参謀本部の幹部の間で合議され認可されたということに戦慄を覚えます。
国際法をここまで無視する米国こそ「ごろつき国家」「ならず者国家」の称号にふさわしく、さらに、ここまで統治機構が腐敗している米国こそ「失敗国家」の称号にふさわしいと言えるのではないでしょうか。
ところで、米国とキューバの国交正常化のニュースが流れた際、おなじみの池上彰さんがわかりやく解説をするというテレビ番組がありました。キューバ危機の歴史にまでさかのぼっての解説でしたが、「ソ連のミサイル配備」、「緊張を高めたキューバ」、「理性的に対応して危機を回避したケネディ」といった教科書的な内容でした。池上さんやテレビ局には「親米・反共」のバイアスをかけず、ありのままの米国・キューバ関係史を視聴者に伝えることを望みます。そうした番組のなかではもちろん「ノースウッズ作戦」に触れる必要があるでしょう。
次に「国境なき医師団への公開質問状」を読みました。この文書の中には様々なリンクがはられていますが、そのなかで同じ著者による「ホワイト・ヘルメット(White Helmets)」について書かれた記事に当たることができました。その名のとおり白いヘルメットをかぶり、勇敢にも戦場を駆け回り、瓦礫に埋まる人々を救出する民間の救助隊とされている団体です。しかし、この団体も、シリアにおけるプロパガンダの一環、巧妙な罠のようです。以下は、同記事の要約です。
ttp://dissidentvoice.org/2015/04/seven-steps-of-highly-effective-manipulators/
(要約はじめ)
Jeremy HeimansがCEOを務める国際PR企業「Purpose Inc.」が、シリアでの情報キャンペーンを2014年に立ち上げ、石油・ガス関連の億万長者Ayman Asfariの財団から資金を援助されます。このなかでホワイト・ヘルメットという団体がプロモーションされていきました。この団体はもともと英米が作ったもので、シリアの反政府支配地域の人たちに金を支払ってトルコに送りそこで訓練をさせており、その中心に元イギリス軍人で今はドバイに拠点を置く「Mayday Rescue」という会社のJames Le Mesurierという人物がいます。
ホワイト・ヘルメットは党派性はないと言いながらも実際には反政府側の支配地域で活動しており、ヌスラ戦線(アルカイダ系)と協力関係にあります。そして、アサド政権を悪魔のようにののしり、外国勢力による直接的な軍事介入を求めています。
ホワイト・ヘルメットの情報戦は巧みで、団体自身のサイトのほか、団体幹部がワシントンポストに投稿したり、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを駆使したりしています。きわめつけは、リビアへのNATO・米軍の軍事侵攻を正当化・代弁したニューヨークタイムズの記者Nicholas Kristofによるホワイト・ヘルメット礼賛のプロモーション記事です。この記者は、「撃たれ傷つき家を破壊されたリビアの人たちは、侵攻した外国勢力を恨まず、むしろ感謝している」という記事を書いたのですが、その彼が今度はシリアへの外国勢力による軍事侵攻を扇動しています。
前出「Purpose Inc.」のCEOであるJeremy Heimansらは、このほかに、オンラインのロビーイング団体「Avaaz」というものを立ち上げました。設立資金はジョージソロス財団が出していますが、この「Avaaz」は、かつてリビアでNo Fly Zone飛行禁止空域設定キャンペーンを実施し、今ではシリアで同様の主張を展開しています。
「マニピュレーション」というものは、事実にではなく、扇情的なイメージやメッセージに依拠するものです。マスコミは善玉・悪玉を単純化し誇張して伝えたがり、大衆は疑問をもたず自分で調べてみようともしません。マニピュレートする側はそうした両者の傾向にも依拠しようとします。今日、ソーシャルメディアの発達もあり、情報は瞬く間に広範に拡散するようになりました。それだけニセ情報にだまされる危険性は大きくなっています。
(要約おわり)
このホワイト・ヘルメットに「ノーベル平和賞」を与えてはいけないと、警戒・反対するキャンペーンがあることを知りました。佐藤栄作、キッシンジャー、オバマなどへの授賞を考えると、本当に有り得ないこととも言えず、洒落にならない話です。
ttps://www.change.org/p/nobel-prize-do-not-give-2016-nobel-peace-prize-to-syrian-white-helmets
「国境なき医師団への公開質問状」は、アレッポの反政府支配地域の被害(その病院の実在自体が疑わしいのですが)と政権支配地域の被害への「国境なき医師団」の対応・姿勢の落差を非難する内容でしたが、公開質問状の(9)の項目に、両者の被害状況とされる動画へのリンクがあり(いずれもyoutube)、これらを比較してみてほしいとありました。筆者は前者の「やらせ」と後者の真実性を示唆しているわけですが、そう言われるとそのような映像に見えてきます。映像の鮮明性、現場の緊迫感、人々の戸惑いや怒りや悲しみにも差があるように見えました。
このなかで⑥の動画は、視聴に年齢制限がかかっているものでしたが、腕を失った瀕死の重傷者を担架で運ぶシーンや、幼い子どもたちを含む犠牲者の遺体が次々と映ります。検死をした医師が幼い遺体にキスをしてシートで覆うシーンや、マイクを持った記者と思われる男性が遺体安置室で悲しみのあまり泣きじゃくるシーン、一人の男性が犠牲者の遺体を前にやり場のない感情に大声をあげて叫ぶシーンには、見ていて涙が止まりませんでした。この動画は、今のシリアの現状をまっすぐに伝えています。目をそむけずに見なければいけないと思いました。
(反政府支配地域の被害)
①ttps://www.youtube.com/watch?v=KqhymyjTCRw
②ttps://www.youtube.com/watch?v=kYZp8oiNauw
③ttps://www.youtube.com/watch?v=6R8WgsWDMDk
(政権支配地域の被害)
④ttps://www.youtube.com/watch?v=-vaGwrb1r40
⑤ttps://www.youtube.com/watch?v=Sc5UlQgn4MI&feature=youtu.be
⑥ttps://www.youtube.com/watch?v=6RXC3Yn45l8&feature=youtu.be
■(桜井さんのコメント終わり)
5年ほど前に、私は『気楽に英文記事を読む習慣』と題するブログ記事の冒頭で
「前回の終りに掲げた英文記事の翻訳紹介を怠りましたら、桜井元さんが、前回のブログへのコメントの形で、その内容をまことに的確適切にまとめて紹介して下さいました。桜井さんはその中で「英和辞書を引きながら、わからない単語や表現は読み飛ばしつつ、なんとか大意はつかめたと思います」と申しておられますが、これは謙遜のお言葉でしょう。しかし、ここには私たちが英文記事を気楽に読むためのコツが述べられています。あとは慣れの問題です。とにかく、うるさがらず、好奇心を持って、ネット上に溢れる英文記事に目を通してみる習慣を身につけようではありませんか。すこし努力しながら続けているうちに、頭の中の英語の語彙は殆ど増大していないのに、いつの間にか、英文記事の内容が以前より随分と楽に読み取れるようになります。言葉というものに備わっている不思議さです。」
と書いています。私の勝手な、そして、おそらく失礼な想像ですが、桜井さんは、今は、5年前とは比べものにならないような気軽さで、あれこれインターネット上の情報源を読み漁りしておられるのでしょう。世界のマスメディアがほとんど完全にプロパガンダの道具と化してしまった今、我々一般大衆が世界で進行していることの真相を嗅ぎつけるためには、英文記事を忌避せずに読みこなすことが大変必要になっていると思います。
衆愚という言葉があります。多くの愚かな人間たち、愚かな群衆、つまり、我々のことです。その一人である私は、時折、読者の方から叱られます。私が『マスコミはWMD(マス破壊兵器)と化した』の中で、MSF(国境なき医師団)は中立性を失って米国寄りになったと書いたのに対して、特命希望さんから「何を今さら」と叱られました。
■MSFは朝鮮侮辱の前科があるのに (特命希望)
2016-05-08 12:40:20
何を今さら。
フォラツェンとかいう自称「北朝鮮」を知りすぎた医者とか言う輩が10年ほど前はびこっていたでしょう? ■
だいぶん前のことですが、9.11 (世界貿易センタービル崩壊)を偽旗作戦とはっきり認めるのを渋っていた私は、平和運動家の池辺幸恵さんからお叱りを受けたことがありました。衆愚の間抜けさ加減に苛立ちを覚えている方々も少なくないかもしれませんが、我々の大部分は愚か者としての自覚が常に必要であり、マスメディアの圧倒的な喧伝攻撃を掻い潜って、真実を把握する努力をしなければなりません。
上掲の桜井さんからのコメントの中に、ロビーイング団体「Avaaz」のことが出ています。私のメール箱にもAvaazからのメールが送られてきます。いつも正論、正義の味方の装いなので、この団体の署名運動に参加して献金なさる方々も多いことでしょう。まさに衆愚の行為です。最近の主題は「中国・玉林市の犬肉祭」でした。なぜ豚を食べるのは良くて、犬を食べるのは悪いのか? この問題は、時を改めて考えることにします。
ウィキペディア(日本語)の「衆愚政治」の項には興味深いことが書いてあります。
■大衆論の見地によれば、大衆を構成する個々の人格の高潔さや知性にも関わらず総体としての大衆は群集性(衆愚性)を示現する可能性がある。衆議を尽くすことでしばしば最悪のタイミングで最悪の選択を合意することがあり、リーダーシップ論や意思決定における「合意」の難しさは重要な論点となる。近代民主主義制度においては意思形成(人民公会)と意思決定(執政権)を分離することでこの問題を回避しようとするが、独裁と民主的統制の均衡において十分に機能しないことがある。■
私が特に面白いと思うのは「大衆を構成する個々の人格の高潔さや知性にも関わらず総体としての大衆は群集性(衆愚性)を示現する」という所です。これについても、日を改めて検討してみます。
藤永茂 (2016年5月23日)