私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

オバマ大統領就任演説

2009-01-28 11:39:26 | 日記・エッセイ・コラム
 オバマ新大統領の就任演説についての私の予言は見事に外れました。ガザのガの字も出てきませんでしたし、リンカーンやキングは勿論、人名というものは一切でてきません。神(God)の名は4回繰り返されますが。あまりに見事な肩すかしを喰らったので、昔だれからか聞いた占いについての笑い話を思い出しました。辻占い師さんが客に「お宅の庭に大きな木があるでしょう」と自信ありげに言うと、客はキョトンとして「いいえありません」と答える。すると、占い師すこしも慌てず、「ああそりゃ良かった。もしあったら、あんたに大変な災難が降りかかるところだった」。
 私の予言の当たり外れなどはどうでもよい事ですが、アメリカのベテラン記者や論評家にも就任演説の内容や語り口に驚かされた人が少なくなかったようです。例えば、ワシントン・ポスト(1月23日)のCharles Krauthammer は“・・・you were sure he would trace the journey back to Lincoln and the Second (post-Gettysburg) Republic or to King and the civil rights revolution.”と書いていました。「就任演説は修辞的に余りにもフラットで、リズムにも律動にも欠けていたので、彼はわざとそうしたのだと思わざるを得なかった」ともありました。
 しかし、静かに、よく気を入れて、オバマ新大統領の就任演説のトランスクリプトを読んでみると、こちらの胸の底が冷え冷えとするような気味の悪さを覚えます。大統領とその(すでに有名になった)スピーチライターたちが額を合わせて、この冷徹な演説原稿をあらゆる周到な計算の下に書き上げていった様子を想像してみて下さい。
 バラク・オバマは、今から半年ほど前、選挙戦資金集めに熱心だった頃、イスラエルの小都市スデロットを訪れて次のような発言をしています。この町にはハマスがガザ地区から発射するお手製ロケット弾が時々落下して市民から「おちおち夜も寝られない」と苦情が出ていました。:
■ もし、私の二人の娘が夜ねむっている我が家に誰かがロケットを打ち込んで来るとしたら、それを止めさせるために、私の力でできることは何でもやるだろう。イスラエルの人々も同じことをやると私は思う。■
この時から今までオバマの考えが変わっていないとすれば、新大統領はイスラエルの完全な味方ですが、次の事実は全く否定の余地がありません。ガザ地区に軍事的暴力や食糧封鎖などあらゆる圧迫を加えてハマス政権の崩壊を狙っていたのはイスラエル側で、ハマスのロケット弾発射は「俺たちは断固抵抗を続ける」というメッセージを圧政者側に届ける以外の何ものでもありませんでした。ここ数年の双方の死者の比率は大体100対1です。
 昨年12月27日、またまたガザ地区に対する激しい攻撃をイスラエルが始めました。それについては12月31日のブログ『ガザに盲いて(Eyeless in Gaza)』に書きました。イスラエルのガザ攻撃に関して感想を求められたオバマは、側近のアクセロッドを通じて「大統領は常に一人しか居ない」と答えたと伝えられました。つまり、「ブッシュさんに聞きなさい」と言って逃げたのです。20日後に大統領の座につく人間として何と賢明かつ卑劣な返答でしょう。その熾烈な攻撃は、大統領就任式の3日前に、イスラエル側の突然の一方的停戦によって、突然、ピタリと止まりました。就任式演説の直前に、私はこの停戦をイスラエルのオバマへの贈り物と断定しましたが、これはアメリカのマスメディアの一致した見解です。就任式演説の原稿が練られた時点で、オバマのチームもブッシュのチームも既に知っていたことに違いありません。
 1月22日付けのガザ地区からの報告では、22日間のパレスチナ側の死者は1312人、その85%以上が民間人で、子供434人、女性104人、医療関係者16人、ジャーナリスト4人、外国人5人、老人105人を含みます。この惨害にも関わらず、ガザの民心はハマスから離れませんでした。この意味でイスラエルは敗北を喫したのです。イスラエル側の人的損害は軽微で、死者は10人そこそこと推定されますが、長い目でみると、究極の勝者は破滅的な損害を受けたパレスチナ側であり、また、そうでなければなりません。
 ところで、オバマ新大統領は就任式演説で何と言ったか?ハマス、イスラエル、ガザ、アフガニスタン、・・・、何の固有名詞も使わずに、彼は次のように語りました。
■ And for those who seek to advance their aims by inducing terror and slaughtering innocents, we say to you now that, “Our spirit is stronger and cannot be broken. You cannot outlast us, and we will defeat you.” (そして、恐怖を呼び起こし、罪なき人々を虐殺することによって、その目的を達成しようとする者どもよ、我々はお前たちに今こう言ってやる、“我々の士気はますます軒昂であり、それを打ち壊すことは不可能だ。お前たちが我々より長続きすることはあり得ず、そして、我々はきっとお前たちを打ち負かすであろう”と。)■
これを聞いたガザのパレスチナ人たちは、一瞬、オバマが自分たちの今の気持を語ってくれているかのような錯覚におそわれ、しかし次の瞬間、“お前たち”にはハマスの闘士たちも含まれていることに気が付いて、アメリカに対する憤りを、あらためて、燃え立たせたことでしょう。「恐怖を呼び起こし、罪なき人々を虐殺することによって」パレスチナ人の精神的な背骨を打ち砕こうとしているのは、ハマス側ではなく、イスラエルのシオニストたちと、膨大な資金と武器でシオニストたちを後押しするアメリカの側なのですから。
 注意深く就任演説の内容を解析してみると、興味をそそられる発言あるいは語り口が沢山見付かります。その見本として一例だけを引いておきます。:
■ We will not apologize for our way of life nor will we waver in its defense.(我々は我々の生き方を決して弁解しないであろうし、また、それを弁護することに決して戸惑うことはない。)■
これは大変困った大統領宣言で、私をほとんど絶望的な気持に導きます。アメリカン・ウエイ・オブ・ライフ-これに就いての真摯な真剣な反省こそが、いや、それだけがアメリカと世界を救うのだとさえ、私は、言いたくなります。
 1月20日の大統領就任式の式次第を見ると、午前9時から来賓の入場が始まり、11時25分まだ大統領でないオバマ氏着席、35分からRick Warren 牧師の新大統領就任のための祈祷が始まります。その後で大統領の宣誓があり、12時1分から就任演説となっています。リック・ウォレンを選んだのはオバマとその側近ですが、この牧師さんは妊娠中絶や同棲結婚の合法化反対でよく知られている有力な保守的聖職者で、オバマの選挙公約に照らすと実に意味深長な選択です。私にとって、とくに興味深いのはウォレン牧師の神へのお祈りの内容です。そのトランスクリプトを見ると、イスラエルという言葉も、アフリカン・アメリカンという言葉も、ドクター・キングの名もちゃんと出ています。このお祈りの内容もオバマ・チームによって慎重に検討されたに違いありません。次の一行はとりわけ興味深いものです。:
■ And we know today that Dr. King and a great cloud of witnesses are shouting in Heaven.■
そんなことはないと私は信じています。天国のキング牧師は深い哀愁のまなざしで静かに就任式の光景を見下ろしていたに違いありません。

藤永 茂 (2009年1月28日)


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ガザでのイスラエルの一方的停戦

2009-01-20 13:24:22 | 日記・エッセイ・コラム
 私はこのブログを、1月18日(日)の朝、書き始めています。共同通信によると、イスラエルのオルメルト首相は「 ハマスに対する軍事作戦がその目的を達成したから」という理由で、ガザ地区のパレスチナ人に対する空爆と地上攻撃を一方的に停止しました。多数の戦車を主力とするイスラエル地上軍はそのままガザ地区に駐留して、ハマスが面白くない動きをすれば忽ち攻撃を加えるのだそうです。つい数日前までは、イスラエルに対するハマスのロケット攻撃を止めさせるのが、今回のガザ地区攻撃の目的だと言っていたのですから、作戦の目的が達成されたというなら、ハマスがロケット弾を発射する能力を失ったか、または、もう打ち込まないとイスラエルに約束したかの、どちらかの筈ですが、実際にそのどちらかの状況が成立したと信ずる理由は全くありません。
 この一方的攻撃停止は2日後に迫ったオバマ新大統領就任式への贈り物です。就任式の演説の中のハマス問題についてのオバマ大統領の言葉が、私の耳の中では、もう鳴り響いています。側近のアクセロッドとスピーチライターのチームは、オルメルト首相の攻撃停止声明より前に就任演説のこの部分を書き上げていたかもしれません。
 今回のイスラエルのガザ攻撃で殺されたパレスチナ人の数は千二百人を超え、その三分の一は子供だと、日本のマスメディアでさえ報じています。ハマスのロケット弾によるイスラエル側の死者のことはほとんど報じられていませんが、これはあまりに少なくて体裁が悪いからです。十人ほどでしょう。ガザ地区で進行しているのは二つの國の軍隊の間の戦争ではありません。ガザの面積は佐渡島の半分以下(360平方キロ)、そこに詰め込まれた約150万人の大部分は戦争難民とその子孫です。イスラエルの本当の本心では、これらのパレスチナ人が死んでしまえばよいのに、と思っています。ここにちゃんとしたパレスチナ国家が出来ると都合が悪いのです。ガザの沖合に新しい天然ガス田が発見されたとなれば、なおさらの話です。ガザの人間たちがイスラエルの存在を認めないことに固執しているというのは嘘なのですが、たとえ本当だったにしても、殆ど集団流刑に等しい大型強制収容所であるガザ地区でお手製ロケットという蟷螂の斧を振り上げて必死の抵抗を続ける150万の難民集団と、かたや、2万2千平方キロ、人口7百万、核爆弾を保有し、毎年アメリカ合衆国から膨大な援助資金と兵器を受け取っている中東で無敵の軍事大国との手合わせでは、何の現実的意味もありません。
 実は、オバマ大統領の就任式を迎えて、アメリカ国内の人種グループとして、最高にお祝い気分に浸っているのは、黒人たちではなく、ユダヤ人たちであろうと考えられます。オバマ大統領を「初のユダヤ人大統領」と呼ぶ人さえ出て来ています。その理由を知りたい方には、シカゴ・ジューイッシュ・ニューズという新聞(1月16日付)の Joseph Aaron という人の論説をお読みになることをお勧めします。
 パレスチナ人の悲惨な状況とオバマ氏については、私は昨年の3月12日のブログで次のように書きました。
■バラク・オバマとユダヤ系の人々の関係は密接そのものであります。もし初代黒人大統領バラク・オバマが実現したとして、その場合のアメリカの国家政策についての100%的中すると考えられる予言は、USA とイスラエルの関係はブッシュ時代と全く変わらないだろうということです。これはオバマ氏のこれまでの公然たる発言や行動から明白に読み取れることで、秘密でも何でもありません。パレスチナ人たちのホロコーストの苦難は延々と続くに違いありません。■
この気の重い予言から3ヶ月後の2008年6月4日、大統領候補バラク・オバマがAIPAC(American-Israel Public Affairs Committee) の総会でおこなった演説については『オバマの正体見たり(3)』(2008年7月9日)と題するブログで取り上げましたが、この演説は今あらためて読み直してみる価値があります。その中には、彼は「私が大統領になったら、こうする」と約束した沢山の重要事項が含まれています。今のガザ情勢に関連するオバマの約束の一つを以下に追加明記しておきます。いまガザ地区で起こっていることを思い浮かべながら読んで下さい。
■ I will ensure that Israel can defend itself from any threat ? from Gaza to Tehran. Defense cooperation between the United States and Israel is a model of success, and must be deepened. As President, I will implement a Memorandum of Understanding that provides $30 billion in assistance to Israel over the next decade ? investments to Israel's security that will not be tied to any other nation. First, we must approve the foreign aid request for 2009. Going forward, we can enhance our cooperation on missile defense. We should export military equipment to our ally Israel under the same guidelines as NATO. And I will always stand up for Israel's right to defend itself in the United Nations and around the world. ■
 新大統領の就任講演の内容について、もう一つ予言をしておきます。就任式の前日1月19日はマーチン・ルーサー・キング・デーと呼ばれる国家祝日です。キング牧師の誕生日は1月15日ですが、毎年1月の第三月曜日をキング牧師の偉業を讃える祝日とすることがレーガン大統領の時代に決まりました。バラク・オバマ大統領とその演出チームは新大統領をリンカーンとキング牧師のイメージに重ねる演出を試みることは疑いのないところで、オバマはあたかも自分がキングの衣鉢を継ぐ黒人大統領であるかのような発言を行うでしょう。しかし、そのオバマのクレームに強く反発する声が黒人の間で次第に大きくなっています。キング牧師のイメージに泥を塗るのは許さないというのです。この二人の人物は全く異なったタイプに属します。ついでに言えば、リンカーンも本質的にオバマとは違う種類の人間でした。
 今朝(1月20日)の7時のNHK テレビのニュースで、アメリカの19日、大統領就任式の前日に、アメリカ人のボランティア精神を振興するために、オバマ氏が自らワイシャツの袖をまくりあげて何処かの壁のペンキ塗りを、ボランティア奉仕仕事として、している映像が流されていました。世界中の多くの人がこの人を、明日アメリカの大統領になるバラク・オバマさんのこの映像を、尊敬と親しみに満ちた目で見守ったのでしょうが、私は違います。私は心の底から突き上げてくる怒りをもって見守りました。
 いま、世界中の沢山の人が、「アメリカ」という暴れ馬の暴走の故に、塗炭の苦しみを舐めています。この3週間にも何千という死者重傷者がでました。ブッシュ/チェイニーという騎手が手綱を取り誤ったのではありません。問題は馬そのものにあるのです。それは、困っている人には慈善の手をのばし、助けがいる人にはボランティア奉仕をしてあげるというようなことで済む事ではないのです。
 アメリカの大統領就任式というのは、大変な行事です。特に就任式前の72時間のスケジュールはオバマ氏とその側近のラーム・エマニュエル氏やデイヴィッド・アクセロッド氏などによって綿密細心に練り上げられたものに違いありません。歴史的ともいえる就任演説の24時間前に袖まくりしてペンキ塗りをする新大統領という演出はあまりにも一般大衆を馬鹿にしたものではありませんか。こんな安っぽい演出でアメリカの、そして、世界中の人々の心をマニピュレート出来ると考える傲慢こそアメリカそのものです。
 数は少ないかもしれません。しかし、晴れ晴れしい笑顔でペンキ塗りをするアメリカの新大統領に烈しい怒りを覚えている人々も世界中にいるはずです。
 このブログを、オバマ新大統領の就任演説の前に、いつもの水曜日より早く出すのは、予言事項が含まれているからではありません。オバマ新大統領の出現で世界中がユーフォリアの声で満たされる前に、世界の少数者の叫びの一つとしての私の声をほんの僅かな人々にでもお届け出来ればと思ったからです。

藤永 茂 (2009年1月20日)


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マジカル・ニグロ

2009-01-14 15:35:48 | 日記・エッセイ・コラム
 「マジカル・ニグロ」についてはこのブログで以前(2007年10月17日、2008年3月19日)にも取り上げましたが、バラク・オバマの晴れの大統領就任の式典を1週間後に控えて、この言葉がまた脳裏に浮かんで来ます。ネット上のある辞書には「現実の、または、架空の黒人で、とくに白人にぺこぺこ従って、威すような気配はなく奴隷的で、しかも、白人を助ける特別の能力があると思われるような人物」と説明してありましたが、これほど軽蔑的な定義ではなく、「窮地に落ち入っている白人のところに、何処からともなくやってきて、過去に白人が黒人にしたひどい仕打ちを責めることもなく、黙って、そして、ものも見事に、白人を危機から救ってくれる黒人」という、ハリウッド映画では決して珍しくない黒人のイメージを思い浮かべれば、それがマジカル・ニグロということのようです。ハリウッド映画に出てくる黒人のステレオタイプを論じた2001年のスパイク・リーの講演で使われた「スーパー・デューパー・マジカル・ニグロ(飛び切りすばらしい魔法的な黒人)」という言葉が語源とされています。
 1月6日のニューヨークタイムズの記事によると、オバマ大統領の就任式典費用の寄付は、マイクロソフトやグーグルなどのシリコンバレーの会社やウォール街の会社の役員たちからの百万円単位から千万円単位の金額の小切手による寄付が大部分ですが、ジョージ・ソロスなどからの大口寄付もあり、この日付までに、金額は二十数億円に達しているそうです。初の黒人大統領の就任という歴史的祝典に集まる人数は120万人を超えると見積もられていますが、その大多数は白人でしょう。「社会最底辺の貧困黒人たちにその金を回した方がいい」と私が言えば、「あんたのようなタイプの人間の言いそうなことだ。アメリカ合衆国の政治は、そんなケチなレベルで動くものではない」と野次られるのが落ちでしょうが、今、アメリカの貧困黒人たちは、本気でそう考え始めていると、私は、推断しています。「スーパー・デューパー・マジカル・ニグロ」であるオバマ大統領はアメリカの白人たちを救うためにホワイトハウスに乗り込むのであって、自分たちのことを熱く考えてはいないと思い始めている黒人たちの数は、就任式を待たずに、確実に増えています。

藤永 茂 (2009年1月14日)


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ブッシュとライスの最後の大嘘

2009-01-07 14:08:44 | 日記・エッセイ・コラム
 オバマ新大統領の就任演説まであと二週間、この地獄の時間の間に、ガザのパレスチナ人に何が起こるのか、胸が詰まる思いです。ガザについてオバマ新大統領が何と言うか、私には、景気刺激対策の具体的内容発表よりもガザについての発言のほうが、遥かに遥かに、気になります。それはガザの人々の苦難が少しでも軽減されることを強く願うからだけではなく、オバマ新政権の今後を占うことになるからです。ある意味では、つまり人間性の基本問題という点では、アメリカの景気がうまく回復するかどうか等よりももっと重大な問題だからです。
 ブッシュ大統領とライス国務長官は、最後の最後まで、厚顔無恥の大嘘をつき通しました。数日前にも、ブッシュは「18ヶ月前、ハマスはクーデターでガザ地区を乗っ取った・・・」と発言しましたし、これに合わせるようにライス国務長官も「ハマスは、アッバス大統領の軍に対して不法なクーデターを起こして以来ずっと、ガザの人民を人質に取り続けている」と言っています。何とも白々しい大嘘ではありませんか!
 その気になれば、誰でも確かめることの出来る事実ですが、2006年1月25日に行われたパレスチナ評議会選挙では、有権者の70%以上の投票率で、ハマス党が全体の44%、アッバス率いるファタ党が41%を得票、総議席数132のうち76をハマスが占めることになりました。少々の妨害騒ぎはありましたが、立派に行われた民主的選挙でした。問題は、この民主的選挙の結果がイスラエルにとっても、アメリカ合州国にとっても、受け入れることの出来ない選挙結果であったことでした。
 ここで思い出されるのは、1970年のチリの民主的選挙でサルバトール・アジェンデが大統領に選挙された時に、時のアメリカの国務長官ヘンリー・キッシンジャーが吐いた言葉です。:「チリの国民が無責任ことをやらかしたからといって、チリがマルクス主義の國になることを許すわけには行かない。」1973年ヘンリー・キッシンジャーはファシストのピノシェ将軍を助けてクーデターを起こし、アジエンデ大統領を殺害してしまいました。その後どうなったかはご存知の通りです。今、ブッシュとライスがイスラエルにさせていることはそれと同じことです。

藤永 茂 (2009年1月7日)


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