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生きること:過去と未来とエスペラントと

興味と手助け

2020-10-18 14:06:28 | 福祉と教育
みーくんのあゆみ(小2前期)

 みーくんの成績票を読んで呼び覚まされた記憶です。
 70年前の記憶です。小学5年生の時、組替えがあり、担任は大学新卒の先生になりました。父子家庭でした。奉天で生まれ、小学生の時に母を亡くしたとか、学校から遠く離れた我が家にも時々顔を見せました。当時、私は不登校をどうにか卒業しようとしていたころでした。私が問題児だから先生が時々顔を出すのだと思っていましたが、高校生の頃、我が家に顔を出す女子教員、当時の担任の同僚によると、母が、彼の母親に似ているので、時々母に会いたくなってわが家を訪れていたそうです。

 クラスに学校にに来ると自分の席について動かない男の子がいました。みんなにトシと呼ばれていました。誰に何を言われても返事をしない、からかわれても無表情でした。みんながノート取っている時、トシもノート書いています。文字は書けるの?彼は前から2番目の席に座っていました。黒板に何か書かなければならなかった時、私はわざと彼の横を通りそのノートの覗きました。驚いたことに彼はただニョロニョロとミミズのような線を書いていたのでした。

 昔は長期休暇、夏休み・冬休みなどは教師が日直・宿直をしていました。兄が農民になって3年でした。彼は農業雑誌を頼りに農業をしていました。スイカなどは大きくて美味しいけれど、農村では売ることもでない時代でした。今日は先生が当直だからスイカを持って行くように言われ大きなスイカを下げ、3キロの道を歩き学校へ。先生は校庭でトシと遊んでいました。母の話によると先生は、自分が当直の日には必ずトシを呼んで過ごしていることでした。

 6年生になって掃除当番の班がトシと一緒になりました。いつも一人で座っていたトシはすごい働き者になっていました。男の子たちは箒を振りましわし、チャンバラごっこをして働かないのに、トシは机を寄せ、掃き、床拭き、教室が2階でしたから、汚れた水を替えるのも厭わず、階下へ。ある時、なぜだか、私にノートを見せました。驚いたことに表紙に”ふじわら としあき”と書いていありました。中学でのトシの記憶はありません。村には小学校が3校ありましたから、生徒数は増えました。多分トシは彼には彼なりの仲間ができて、人目に付くほど独りぼっちということは無くなっていたのだろうと思います。

 1991年11月頃、カナダ・ナィアガラフォールスにいる姉から電話がありました。往復5万円の航空券が手に入るから遊びに来ないかと。姉が、家族が誰も私の生活を見に来てっくれないと嘆いていたので、行って見ることにしました。
 12月下旬、冬のことですから、観光などありませんが、1週間滞在の中に、姪と甥のハンガリーダンスダンス発表会、日系人の老人ホーム訪問(猛吹雪に襲われてゆけませんでした)とか計画が入っていました。
 ナィアガラフォールスのデイケア見学も組んでいてくれました。その日は雪も小降りで訪問できできました。広い部屋で利用者は30人ぐらいだったでしょうか。いろいろな指導を見せてもらいました。

 例えば生活習慣・身だしなみ。映像を使っていました。モデルは利用者です。間違っている子がいると;ビルおかしい!靴下がはけていない、シャツがズボンから出ているなど大騒ぎ。その後、身だしなみを整えたビルの映像。みんな嬉しそうにうなずいていました。

 手作りの枠に同じ形を探して埋め込んでいる者たち、立体的なもので同じことを者たち、造花を作っている者等々。造花は注文の売り物。できる子もできない子も同じ部屋で、他の人から学べることもあるでしょう。

 台所で二人の女性がラザニアを作っていました。彼等も利用者だそうです。月に1度地域の代表者たちの会(日本でいえば自治会の役員会)があり、30人ほど集まるのだそうです。夕食会を兼ねていて料理のできる利用者が調理し提供しているということでした。

 別のちいさな部屋にはパソコンが2台あり、青年が2人座っていました。一人は算数の学習。息子たちが小学1年の時にした、5跳びの数字を空白に入れていました。
 もう一人はダウン症の青年で、国語の勉強。前置詞が空白の四角になっていて、文を読んでそこに前置詞を入れていました。
 キーを押すだけで答えを書き込めるパソコンを使えば文字を書くのが苦手な人でも学習が楽しめるということに感動しました。多分、ゲーム感覚で楽しんでいるうちに知識も吸収していたのでしょう! 当時、私はまだパソコンを持っていませんでしたのでとても羨ましかったです。

 いろんな教材も役に立ててと渡してくれました。身近なものの絵に文字を入れたもの、例えば本の、下にbookの文字。A4の厚紙の左デイケアですべきこと。下に時間。すべきことの横には時間と平行にマジックテープが張ってあり、朝そこに自分のその日の予定を張り付けるものなど。何種類か頂きましたが、終活の片付けのさい昨年処分してしまいました。残っていいるのは食べ物の名前を教えるのに使っている絵札だけです。確か、日本のかるたのようなやり方だったと思います。




 これが残っているのはエスペラント学習のさい初心者用ゲームに使えるからと思ったので、同じ大きさの紙に張り付けました。数えてみたら58枚ありました。

 最後に案内してくださったチーフの言葉です。私たちはこの子たちが成長しているし、成長し続けると信じている。個性を見つけて伸ばし続ける!
 私は全く英語が話せません。すべて姉の通訳による理解です。
 
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