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生きること:過去と未来とエスペラントと

障害者殺傷事件

2016-07-27 08:27:07 | 福祉と教育
 昨日の事件は余りにも身近なところで起こったので色々な思いが交差し、ブログに書くかどうか迷いました。死亡者や傷を受けた人の名前は公表されていません。年齢の巾から推測すると私がかかわった人がその中にいるかもしれません。ある民放テレビは話題がないのかそのことを長々と伝えていました。いろんなコメンテーター、犯罪心理学者、精神科医等々を次から次へと画面に繰り出して・・・。

 私がこの事件を知ったのは昨日の朝9時ごろだったでしょうか、夫に大変だと呼ばれたからでした。テレビを付けるとどこの放送局もこの事件を報じていました。その中の局の若い:と云うのは70代の私からのことですので実年齢は分かりません:コメンテーターがこんなことを言ったのです。

 入っている人(利用者)がカギを開けて出るかもしれないし、外から侵入する人がいるかもしれないから外国では丈夫(?)な格子を作っていますと。 いったい彼はどこの外国の話をしているのだろうと不愉快でした。半世紀前、障害のある人たちはどれほど我慢を強いられ、外と遮断されて生きていたかこの人は知っているのだろうか。格子の生活が障害のある人にとってまるで普通であるような発言に怒りが抑えられませんでした。

 50数年前、短い間でしたが精神科の病院に勤務していました。開放病棟は別として病室に入る時は常に鍵のかけ忘れがにように確認します。窓から見えるわずかな景色の前に格子があります。それがどんなに心を圧迫したことか!たとえ体が動かなくとも窓から見える景色に格子がはない方がどれほどよいか!
 この格子、そして一般人の心の格子を外すために多くの人が長い年月努力してきたと云うことをこのコメンテーターは知っているのでしょうか。
 1990年エスぺランティストを頼ってスウェーデンとノルウェーの知的障害と身体障害を持つ人たち施設を見て回りました。自分で体を動かせないほどの重度の障害がある人でも一日施設いるのではなくそこからディケアに通っていました。そんな施設の一つですから私が訪れた時は利用者は誰もいませんでした。広々とした庭先に上をまたいでも、下をくぐってでも通れるような低い柵がありました。職員は恥ずかしそうに言いました。つい最近まで柵はなかったのです。この度入った少年がすぐに走って施設を抜け出すのです。足が速くて職員は追いつけません。彼の足をちょっと止めさせるためにあの柵を作りましたと。

 テレビのコメンテーターの云った外国とはどこの国を指すのでしょうか。私達日本人にとって日本を除くすべての国々は外国なのです。テレビの持つ影響は大きいです。利用者の安全のためにという口実で格子や丈夫な塀を設け、彼らを社会から隔離しようと云う考えが生まれることのないように願っています。
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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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カナダでも大きく報道 (verdavojeto)
2016-07-27 21:25:12
こちらでは「日本で」起ったことが驚異、と言う感じで報道されていました。加害者は精神的に病んでいるのだろうと言う見方の様ですが、私もそう思っています。一見普通人なので誰もどうも出来なく、こんな事件になってしまうのですね。傷ましい話です。
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今後は (glimi)
2016-07-28 05:56:48
 行動や言動がおかしく、最近では滅多につかわれることのない法律、精神衛生法によって強制入院させられていました。その時大麻使用の検査で陽性の結果も出ていたのに何の方策もなされていませんでした。今後は対応の悪さが問題になって行くと思われます。
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措置入院って、判断が難しいですね。 (案山子)
2016-07-28 12:37:29
今日、ある精神病院の盆踊りがあります。民生委員としての招待状が届いています。これまで2回参加しました。
入院患者さんたちは時間になると、列になって院外に出てきます。初めての時は出入り口が開錠されて出てくる皆さんに、思うものがありました。それでも全員ではなく、室内に残っている患者さんも窓から見えました。症状が重い人でしょうか?「・・・」です。病院職員たちが明るくて元気がいいのがいいな、という感想を持っています。若手男性で構成する社会人野球の強豪チームらしく、その職場は野球の好きな人には人気らしいです。
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楽しく笑っておしゃべりをして (glimi)
2016-07-28 20:09:13
 私は20代でした。今ほど社会は開放的ではなく無断外出する人がいると近所から抗議を受けました。盆踊りの際、職員は2~3人の受け持ち患者を前に置き楽げに踊りましたし、遠足もとても緊張しました。
 勤務後格子の向こうから手を振る患者達もいました。自由な社会に帰る私達をどんな気持ちで見送っているのか考えると辛かったです。この仕事を続けられるだろうかと思っていたところ夫の転勤で継続できなくなり、本当のところやめる口実ができてほっとしました。
 
 今日も友人と話しました。言葉が出ず、体も動かかないと見える人が嬉しげな表情をした、その瞬間がとても嬉しいと。
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