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生きること:過去と未来とエスペラントと

古い切り抜き帳Ⅴ

2017-06-19 09:32:41 | エスペラント
  昭和41年(1966年)の5月と7月にいぬいとみこさんがファンタジーについて書いています。その初めに‘エルマーのぼうけん’について書いています。エルマーシリーズ3冊はむすこたちがせがむので幾度も繰り返し読み聞かせました。引越しの際も処分しないで3冊とも押入れの中で眠っています。仕事場でも子どもたちに何度も読んでやりました。

 いぬいとみこ著『木かげの家の小人たち』が再出版されたのは翌年の8月です。いまだに私の手元にあります。深く心に染み込み友人や姪などにも読ませました。

 内容は戦争中小人の世話をしていた少女が小人を連れて田舎に疎開し苦労する話ですが、単なる苦労話に終わっておらず、ファンタジーとして成り立っているところがとても好きなのです。この物語をエスペラントに訳してみたのですが、ひどくこだわっているのにうまく訳せない情景があります。夕焼けです。彼女は‘壮大な夕焼け雲’と表現していますが、それをエスペラントに訳したらどのような表現になるのか。以前ブログに空襲で両親を失った友達のきょうこちゃんについて書いたことがあると思います。彼女と幾度も大空いっぱいに広がる夕焼けを見ました。空襲を思い出して泣く彼女と夕闇が迫るまで声の限り泣き続けました。壮大な夕焼けとは私にとっては友達の悲しみと一つになっています。形容詞を一つや二つ付けたくらいでは表現できないのです。訳すということは言葉を置き換えることではないと分かっていますが、本当に難しいものですね!
コメント (4)
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