1/250秒の手振れ(D800ファーストインプレッション2)

 考えてもみれば、「ファーストインプレッション「『2』」はないだろうと、書いた本人でさえ思うけれど、一昨日の続きと云う事でご容赦頂きたい。

 一昨日にはゴタゴタと書いたけれど、要するに云いたかったことは、ピントが合っていないことがすぐにばれてしまうD800だと云う事である。被写界深度の事を「ピントの合う範囲」と云う事が多いけれど、合っているのは実は一点だけで、その前後は合っているように見えているだけ。3600万画素のD800では、一見ピントが合っているように見える、本当の合焦ポインの前後も、実はピントを外していると云うことがわかってしまうのである。

 同じことが「手振れ」でも云えるD800である。通常はレンズの焦点距離分の1秒以上ならブレることは少ない、逆に云えば焦点距離分の1秒以下の時には手振れに注意することと云われているが、3600万画素のイメージセンサーともなると、ホンの僅かな、取るに足らないブレまでもを正確に記録してしまうのである。日曜日に、1/250秒で撮った写真がブレていた。

 六切りくらいのプリントだと気が付かないかも知れないが、モニターで拡大してみると、どこにもピントの合っていない画像が多数あることに愕然とする。要するに手振れを起こしているのである。レンズの焦点距離は(ズームレンズの)50mm。これまでの経験からすれば、1/50秒なら5枚に3枚はOK、1/125秒ならまずブレないし、1/250秒なら手振れに関する心配をまったくする必要がないはずだったのに、ブレていた。500mmの超望遠レンズではない。50mm、1/250秒、しかもVR付のレンズなのに、である。

 郷秋<Gauche>はちょっと(実はかなり)ショックだった。フルサイズ50mmの予想以上に浅かった被写界深度によるピンボケだけではなく1/250秒での手振れが重なり、なんとも締まりのないカットのオンパレードだったのである。1200万画素、APS-SサイズのイメージセンサーのD300ではそんな問題はほとんど起こらなかった(正確には露呈しなかった)のに、D800にスイッチした途端の体たらく。まったくトホホな状況なのであるが、それほどまでにD800の描写(解像)性能が高いと云う事なのだ。

 レンズの光学性能も確実に記録するD800の3600万画素イメージセンサーは、レンズの性能だけではなく、おおよそF11以上で目に付きだす「回折現象」による解像度の低下も、手に取るよう記録する(特に『Eモデル』)。先に50mmレンズの被写界深度が思いのほか浅いことを書いたが、だからと云って絞り過ぎると今度は回折現象による画質低下を招くことになる。レンズ(焦点距離)の選択、手ブレしないシャッター速度と回折現象の影響が出ない絞りの範囲を考えると、時に実に難しい選択を迫られることになるD800なのである。手強いぞ、D800。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、満開の時を迎えた恩田の森の白梅。

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