彼岸花の開花

 秋の彼岸が近づくと、毎年律儀にスルスルと花茎を伸ばして色鮮やかな花を咲かせる彼岸花。今年はその彼岸花の開花が例年より幾分早いような気がするのですが・・・

 彼岸花は秋から翌春にかけて葉を出して陽の光を浴びて花を咲かせるための栄養を球根に溜め込む。夏の最高気温を経て 6週間後、涼しくなって来た頃を見計らって花茎を伸ばして花を咲かせる。ところが今年は9月に入り低温が続きましたので「これはいかん、出遅れたか」と慌てて花茎を伸ばして花を咲かせたのが彼岸の二週間前、とは門外漢の全く勝手な想像です。

 彼岸花はたくさんの別名を持っていることで知られております。私が知っているだけでも曼珠沙華(サンスクリット語で「天界に咲く花」の意)、死人花(墓に植えられていることが多いので)、幽霊花、地獄花、毒花(球根に有毒成分を含むため)、痺れ花、葉なし花なし花(葉と花が同時期に見られないため、葉見ず花見ず花などなど。

 とここまで書いて、子供の頃に春の彼岸の墓参りの折に経木(杉や檜の柾目を0.2ミリほどに削ったごく薄い板)の花びらと竹を細く削った茎とで作られた彼岸花の造花を持って墓参りをしたことを思い出しました。その経木の花は鮮やかな赤や黄色に塗られておりましたが、黄色は鍾馗水仙の色を真似たものだったのでしょうか。

 秋の彼岸には墓地の所々で彼岸花が咲いているけれど、東北の春の彼岸はようやく雪の季節が終わったばかりで花などない季節ですので、生花の代わりに経木で作った彼岸花供えたのでしょう。気がつけば今ではまったく見る機会もなくなってしまった、懐かしい経木の彼岸花です。

 コロナ禍で昨年の春秋そして今年の春、間もなくやって来る秋の彼岸も墓参りができそうにもありませんが亡き父や伯父伯母、ご先祖様が事情を察しお許しくださることを願いばかりです。

 横浜の住宅地の中に残された小さな里山の四季の移ろいを毎週撮影しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは9月5日に撮影した初秋の森の様子を掲載いたしております。ご覧いただけたら嬉しいです。

https://blog.goo.ne.jp/ondanomori/e/38dd0d9894787fe7ab71defe6fa0e39d
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