2008年、注目すべきはウィリアムズ

 3月最初の日曜日。2週間後のこの時間には今シーズン最初のレース、アルバートパーク・サーキットでのオーストリアGPが終わり、2008年各チームの勢力分布がある程度わかっていることだろ。ただし、アルバートパーク・サーキットはその一部が公道であることなどから、次戦以降続くパーマネントコースでの戦果をそのまま占うことは出来ないことには注意する必要がある。

 さて、シーズン前のテストで断トツの速さを見せ付けたフェラーリが、今シーズン最もチャンピョンに近いところに位置していることに異論を挟む方はいないだろ。そしてフェラーリを追うのがマクラーレンであることも。2007年に死闘の末にチャンピョンを獲得したことからスクーデリア・フェラーリのモチベーションは非常に高い。F1で勝つためにはこの「モチベーション」が大きな意味を持つのである。

 そのことから言えば、今年のルノーは2006-2006年チャンピョンを向えモチベーションは2007とは比べ物にならない程高まっているはずだが、その気持ちにマシンが追いつくには暫くの時間がかかることだろう。つまり、シーズン後半からは表彰台を巡る争いに絡んでくることはあっても、チャンピョンシップを争える位置にはいないと言うことだ。

 2008年、フェラーリとチャンピョンシップを戦うのは、勿論マクラーレンではあるが、いまだに「スパイ事件」を引きずるチームのモチベーションは如何に。

 さて、2008年は、フェラーリとマクラーレンを追いかけるセカンド集団の戦いが昨年以上の火花を散らすことは確実である。昨年はセカンド集団トップの座を確実なものにしたBMWだが、シーズン前のテストではいまひとつさえないまま。逆に昨年BMWの後塵を拝したウィリアムズが、シーズン前のテストでは快調に飛ばしている。

 1997年以来勝利から遠ざかっているウィリアムズだが、ご存知の通り1986-87年にはホンダエンジンで勝ちまくり、ルノーエンジンを搭載した1992-95、1996-97にはチャンピョンに輝くなど、コンストラクターズタイトルを9度ものにしたF1におけるプライベートチームの雄である(ホンダエンジン、ルノーエンジン搭載時代は、実質的にはワークス体制であった)。

 そのウィリアムズが2008年シーズン前のテストでは終始好調な走りを続け、ある時には、その日の最速タイムを中嶋一貴が記録し締めくくるなど、日本人F1ファンには嬉しいニュースもあったことは記憶に新しい。その中嶋とコンビを組むニコ・ロズベルクはチーム3年目。若いがこれまで安定した走りを見せており、マシンの調子が良い今年、大いに期待されるところであるが、「今シーズンウィリアムズが3番手に浮上するのでは」との問いに、「ウィリアムズは3番手になれない」と答えるなど、堅実なところを見せている。

 昨シーズン最後の1戦を走ったとは言え、実質的には今年がデビューシーズンとなる中嶋一貴だが、こちらは今年の目標を「チームメイトに勝つこと」と語りながらも、「チャンスはあります。もちろん簡単ではありませんけど、でも僕としてはチャンスがあると思っています」と、隠れたる自信を見せながらも慎重な姿勢を崩さない。

 ニコが22歳、一貴が23歳と若いコンビであるが、少なくともコメントを聞く限りでは浮かれたところはなく、共に自身と自チームの力とポジションをしっかり把握しており、頼もしい限りである。二人揃って二世ドライバーであることから、何かにつけてその事が取りざたされるが、2008年は、それぞれを一人のドライバーとして、じっくり観察し、そして応援させてもらいたいと思っている。
 
例によって記事本体とは何の関係もない今日の1枚は、今が見頃の梅。
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コメント
 
 
 
楽しみです (けねり)
2008-03-03 23:05:30
けねりです。
本当に今年のウィリアムズは大注目ですね。
しかし、郷秋さんと違い、中嶋悟氏の大ファンだった私は、
冷静に見ることはできそうにありません・・・。
一貴頑張れ!!!となりそうです・・・。
 
 
 
ウィリアムズ復活 (郷秋)
2008-03-04 06:40:27
けねりさん、おはようございます。
今シーズンは早いウィリアムズが帰ってきそうで楽しみです。とは言ってもまだトップ2には敵いませんが、若い二人の走りに注目!ですね。
 
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