里の秋

 「里の秋」と云えば茅葺屋根の農家をバックに実をたわわにつけた柿の木。あるいは軒先に吊るされた干し柿かと、ステレオタイプに思い浮かべてしまう郷秋<Gauche>ですが、斎藤信夫作詞、海沼實作曲の童謡、「里の秋」には栗の実は出て来ても柿の実は出て来ません。この「里の秋」の歌詞をあらためて読んでみると、終戦直後の世相がしみじみと伝わって来ますが、さらに調べてみると、実は戦時中の書かれた斎藤信夫氏の歌詞には今日歌われているのとは違う三番と四番があることを知ることができます。その当時の事を知る人も少なくなりつつある今日ですが、歌詞が改変されたことを知り、再びそのような道を歩むこと無いように心にとめることはとても大切なことだと思う郷秋<Gauche>なのであります。

 ところで私のHNである郷秋<Gauche>、漢字の部分だけを見ると「郷の秋」ですが、重要なのは必ず付けられる、フランス語の<Gauche>なのであります。この<Gauche>については桐朋学園大学の現学長である梅津時比古氏は、自著「<ゴーシュ>という名前」においてドイツ語起源説を唱えられておられます。もし梅津氏が主張されているようにドイツ古語が語源だとすると<Gauch>(最後のeが取れる)となるようです。山中湖にあるゴーシュホールの堀口氏は、「ゴーシュ」は既に日本語でありアルファベットで表記するならヘボン式に「Goshu」がふさわしいとなにかに書かれていたのを記憶しております。果たしてGauche、Gauch、Goshu、どれが正しいのでしょか、と云う問いにたいした意味はありませんね。きっとどれもが正しいのでしょう。宮沢賢治も、「あなたが思う<ゴーシュ>で良いのです」と云いそうな気がする郷秋<Gauche>なのであります。



と云う事で今日の一枚は、横浜の里の秋。

 「恩田の森Now」
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 25日に撮影した写真を4点掲載いたしました。晩秋へと向かう森をどうぞご覧ください。

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