福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯科健診の季節

2007-04-13 | 口の中の問題

学校も新年度になりました。5月から6月にかけて学校歯科健診が行われますね。
福岡市歯科医師会には地域ごとに開業医の「班」というのがあって、私は平尾班という20人弱のグループに属しています。学校健診は通常、校医のみが行っているのですが、平尾班では以前より全員で分担して行っているそうです。
昨日は健診の打ち合わせを兼ねて、班の懇親会があったのですが、私はこの班の唯一の小児歯科医ということで、健診の説明を依頼されました。そこで班の先生方に3つのことをお話しました。
1. 小学校から高校まで年齢の幅が広いが、小学生の時期、すなわち永久歯に生え変わる時期の歯並びは多少デコボコや捻れなどあるので、あまり厳密に歯列咬合に問題ありとしない方が良い。
2. 奥歯の溝の部分の着色は成人の場合、単なるステインの場合もあるが、特に生えて間もない永久歯の着色はむし歯に移行する可能性が高いので、若干厳しくむし歯初期とチェックしたほうが良い。
3. 時々、歯の生え際や歯間にむし歯初期が発見される子どもがいるが、一箇所見つけた場合、他にも多数ある場合があるので、より注意深く健診したほうが良い。
むし歯の初期、歯肉炎の軽度の場合、それぞれCO、GOとチェックしますが、このレベルの場合、学校から渡される健診票では治療勧告がされませんので、歯科医院を受診して結果報告を学校に提出する必要はありません。
COやGOはどこなのか記入してありませんので、「要観察」といわれても実際のところどうして良いか分かりませんよね。
むし歯治療はもちろんしてもらうのが良いでしょうが、むし歯初期は適切な予防手段がとられれば、ストップできる、元に戻る場合もあるというのが21世紀歯科の常識ですから、初期むし歯が進んでしまうのはもったいないですよね。
軽度歯肉炎も、適切な指導を受けて歯磨きを工夫すれば比較的簡単に治りますので、同様に考えられます。
「要観察」こそ、どのように予防したほうが良いか、歯科医院を受診して対応して頂きたいと思います。


奥歯の溝にこのような着色がある場合、例えば30歳でしたら、単なる着色か、過去の初期むし歯がストップした状態といえます。一方、もし小学生でしたら、同じ初期むし歯でも、今後むし歯として進行していく可能性が高くなります。

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