福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯みがきし過ぎ?

2006-10-04 | 歯周病の話

当院は小児~青少年期の歯科治療と予防を専門にはしていますが、保護者の方からも健診、歯石除去、歯のクリーニング等のご希望が時々あったりしていますので、積極的というわけではありませんが、親子ともに歯の健康に関心を持ってもらいたいという気持ちで受け入れています。
いわゆる治療ではない「メンテナンス」を希望されていますので、基本的に意識が高い方々なのでしょう。診査してみますと、概して歯みがき状態は良好です。保護者の年齢は30歳代が多いのですが、「どこか不具合とかありますか?」と訊いてみますと、「時々しみるようなところがあって、知覚過敏でしょうか?」というお話が少なくありません。
年齢的にはむし歯リスクというよりも歯周病リスクを考える年齢になって来ています。このような場合典型的に見かけるのは、前から4、5番目の歯、すなわち小臼歯の外側の生え際部分の歯肉が落ちていて若干根が露出していたり、さらにその露出部分に「楔状欠損」と呼ばれる歯が磨り減ったような欠損が見られる症状です。なぜ小臼歯なのかという謎がありますが、実はこの部分が最も歯みがきしやすく、さらに前歯や奥歯と比べて歯みがき時の力が入りやすいためではないかと考えられます。例えば横磨きのストロークが強く大きければ、歯はきれいになるでしょうが、歯肉を傷つけて歯茎が落ちてしまいます。歯茎が落ちて根の部分が露出すると、ここは薄いセメント質に覆われた象牙質でエナメル質がありませんので、研磨材の入った通常の歯みがき剤で磨くと、磨り減ってしまいます。象牙質は敏感ですので、磨り減らなくても知覚過敏が出てくることはあります。
せっかく一生懸命磨いているのに早々と30歳代で不本意なことが起こってしまいますので、歯ブラシの硬さや動かし方に工夫が必要ですね。

 
歯周病や磨きすぎで歯茎が落ちると、楔状欠損が発生しやすくなります。

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