福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

第2小臼歯はくせ者

2017-02-27 | 口の中の問題

前から5番目の小さい奥歯、第2小臼歯と呼ばれますが、先天的に欠如しているとか、形成が遅いとか、歯の方向が不良とかでなかなか出てこないとか、何かと問題が起こりやすい歯です。
対応するというか先行する第2乳臼歯(乳歯では一番奥歯)の欠如というのは滅多にありませんので、例えば乳歯奥歯のむし歯チェックでX線とか撮影しなければ、欠如の場合発見が遅くなりがちです。
永久歯が欠如の場合、前の乳歯が何歳まで使えるかという予測が出来ません。
ある年齢になって脱落したら、インプラントとかブリッジで補うか、矯正治療で隙間を閉じるか、患者さんの歯並び咬み合わせも考えながら考えておくことが必要です。
下の前歯、上の側切歯も先天欠如は珍しくありませんので、矯正治療するしないも含め、ベターな将来予測を立てておく必要があります。
成長期を診る歯科医としては、時間軸、経過観察、適時治療介入などが必要要素と思います。





この患者さん、当院初診ですが、歯並びと口元が出っ張っているということで、矯正治療を検討されています。
高校生ですが、この写真では上の左から2番目の歯がまだ乳歯です。
乳歯の生え変わりが遅いので矯正治療は待ちだったそうです。





局所のX線を撮影してみると、画像のほぼ真ん中が乳歯で、対応する第2小臼歯は前方に傾斜して埋まり込んでいます。
通常の撮影では上方が写りませんし、上顎洞との位置関係が気になってパノラマX線を撮りました。





年齢的にも、埋まった歯の根の形成度からも自然に生え変わるのは無理です。
さらに上顎洞との位置関係も気になります。
この患者さんは矯正治療をするなら抜歯矯正で、通常は上下左右の第1小臼歯の抜歯を行います。
残った乳歯と埋まった第2小臼歯と、他の部位は第1小臼歯の抜歯でも、変則的ですが矯正治療可能です。
埋まった歯はCTとかで3D的にに診断して抜歯可能か検討が必要ですので、ポイント的に病院歯科等に検査依頼します。
このように歯の数が足りないとか埋まって出てこないという問題を早期に発見して、適時に対応するのが、小児歯科のひとつの役割であろうと思います。






ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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