福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

パノラマX線

2016-05-16 | 口の中の問題

歯科用のX線撮影には数種類あって、一番ポピュラーなのが、歯とその周囲を撮影するデンタルX線というものです。
歯とその周囲の骨の状態が撮影され、範囲は狭いのですが精密に状況が診断できます。
次に一般的なのが、パノラマX線。他にも顎関節部分や口蓋部分、矯正関係で骨格やかみ合わせ分析に撮影するものなどがあります。





これはパノラマX線写真の一例。
この患者さんは小学校中学年、乳歯の3番目、4番目がどんどん生え変わる時期も近づいて来ています。
上の3番目か4番目の左右の歯が外側のかなり高い位置にずれて生えてきており、乳歯は抜けていない状況です。
少し広い範囲でX線診査しないと分かりにくいと判断して、パノラマX線を撮影しました。
X線的にはダイナミックにずれてはいませんが、上の犬歯がずれて出て来ていると判断され、乳犬歯を抜歯して犬歯が定位置に移動するよう萌出誘導をすることになりました。
ついでというか、こちらの方が問題なのですが、左下の第1小臼歯、画面では右下の前から4番目の骨内にある歯です。
まだまだ形成途中ですが、どうも位置や向きが変ですね。このままだとまともに出てきません。
原因は不明ですが、第1小臼歯が原因の含歯性のう胞と思われます。悪性のものではありませんが、歯が出て来ない、生え変わらないということになります。
のう胞が縮小して永久歯が出てくるような処置を行うのが良いでしょう。処置のディテールは省きますが、パノラマX線写真で全体的にスクリーニングができたということです。
過剰歯や永久歯の先天欠如など、特に生え変わりの時期になると、このような撮影で近未来の問題の有無が診断できます。
問題があった場合、タイムリーに対処できるということにもなります。





ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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