福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

ムーシールドの適応症

2014-08-20 | 歯並び、矯正の話

乳歯の時期からの反対咬合治療で、最近認知されてきている装置にムーシールドがあります。
直接歯を移動するものではなく、反対咬合特有の舌の位置、唇の力などのアンバランスを正常咬合に近い状況にコントロールするメカニズムです。
治癒の速度は速くはないのですが、バランスが正常なパターンに誘導されるということは、成長途中の子どもではその後の成長パターンにも良い意味で影響すると思われます。
就寝時のみの使用ですので、一旦定着すれば負担が少ないので、気長に使用することではないでしょうか。


4歳の患者さんです。がっつり逆に噛んでいても、下の写真のように自力で前歯をあわせることができると言う場合、噛むことで下顎が前方に誘導されているわけです。
機能的反対咬合と呼ばれていますが、このパターンの反対咬合ですと、早期治療の意味が大きいんです。下の前歯間には隙間がありますので、逆に噛み合うことで下の前歯が外側に傾斜している要因も加味されています。
機能的反対咬合には、機能的矯正装置、というわけでそのひとつがムーシールド。





一旦改善すると噛み合わせが深い分、その後の噛み合わせは安定します。





こちらは乳歯の時期に他医でムーシールドを使用していた患者さん。噛み合わせが改善する前に生え代わりが始まって、装置使用を止めてしまっていました。
永久歯が生えてくる途中で、歯の高さが低いため直接歯を動かす装置が使えない時期です。そういう時期にもムーシールドは使用できますので、再開するようお願いしました。
現在はまだ逆に噛んでいる部分もありますが、もうしばらくはムーシールドで経過観察予定です。





ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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