福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

生え変わりの問題

2009-12-19 | 口の中の問題
乳歯と永久歯の生え変わりですが、乳歯むし歯が重症で根の治療が必要な場合、外傷で神経血管が生きていない場合など、スムーズに進まないことがあります。
乳歯は元来、その後に生えてくる予定の永久歯が育ってくると、根が溶けていきグラグラになって脱落するわけです。ところが、根の治療の後に早々と根が溶けてしまったり、逆に永久歯が出たいのに乳歯の根がいつまでも残っていて、邪魔をする場合もあります。外傷の後も似たような問題が起こりがちですので、虫歯や外傷の治療が終わってもそれでお終い、ではなくて永久歯と生え変わるまではちょっと注意が必要です。
写真の患者さんはむし歯が多く、左上の乳歯奥歯はすでに抜かれていました。乳歯の治療が終了して時々経過をみていましたが、今回、右上犬歯部分の乳歯はグラグラしているけれども永久歯が外側から出始めているということで久しぶりに来院されました。
年齢的にそろそろ3番目(犬歯)4番目(第1小臼歯)が出始める時期と思いましたが、左上の乳犬歯が全くグラグラしていないので、全体的にX線写真(パノラマ)を撮影してみました。乳犬歯はいずれもむし歯が神経まで至っており同様な根の治療をしたのですが、左右で全く経過が異なっています。
右上は永久歯が若干外側から出てきているものの、永久歯の方向は悪くありませんので、大きな問題ではありません。むしろ左上犬歯の根が全く溶けずしっかりしすぎで、永久歯が出にくい状況がうかがわれます。早速左上の乳歯は優先的に抜歯して永久歯が出やすくなる状況はつくりましたが、当面いい方向転換をしてくれるかは経過観察が必要です。



(白線で囲んだ部分を比べるとまず永久歯の位置が異なります。また乳歯の根の溶け具合も異なっていて、向かって右側の乳歯は根に詰めていたペースト状の治療材がほとんど溶けていません。生え変わりに問題がないようにペースト状になっているのですが、それでもこのような問題は起こり得ます。)

多分虫歯でなかったら左右を足して2で割った、すなわち永久歯が降りてきて、乳歯の根が半分くらい溶けてきているという状況でしょう。片方は早く溶けすぎ、でも永久歯の位置は若干ずれており、反対側は根が溶けず永久歯が降りて来にくいという、何かとややこしい状況です。
むし歯を全くつくらないでとは言いませんが、重症ですと、治療が終わったようにしてもなかなか決着がつかないというのが乳歯だと実感します。




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                           http://www.futatsuki-dental.com/
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