福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

成長期の歯並び・かみ合わせ治療

2007-12-27 | 歯並び、矯正の話

小学校高学年まで指しゃぶりをしていた患者さんです。
指しゃぶりの方向や強さによってかみ合わせや歯並びに与える影響は若干異なりますが、典型的には(1)上の前歯が出っ張ること、(2)上下の前歯がかみ合わないこと、(3)指しゃぶりをする時の唇周囲の筋肉(口輪筋)の力で上の歯並びの幅が狭くなって左右的にかみ合わせに問題が出ることがあります。
この患者さんでは、上下的にかみ合わせが浅くさらに前歯が出っ張っており前歯で物を良く噛み切れないこと、左右的には顎がずれてしまっているという問題がありました。それぞれの歯並びは悪くないのですが、前後上下左右的にかみ合わせが良くない状態です。幸い初診で来院された少し前に指しゃぶりの癖はストップしていました。ストップすることで元来のかみ合わせに戻るという自然力が期待されますので、乳歯が全部生え変わるまで1年弱様子を見ました。



その後、狭くなってしまった上の歯並びを拡大する装置を入れて約半年、奥歯のかみ合わせが良くなり、顎のズレは改善。また拡大して前歯が引っ込むスペースができた効果で、自然に出っ張りが減少。また、指しゃぶりが無くなった影響も加わって前歯のかみ合わせもしっかりなって、よくかめるようになってきたそうです。


オーバーコレクションといって、治療後の後戻りを計算に入れて幅の拡大を多めにしています。今後、奥歯のかみ合わせは、装置を外してから徐々に安定して来ます。

大人でこのようなかみ合わせの場合、顎の成長が終了していますのでズレはこのように簡単には良くなりません。多分本質的には治りません。時期が適切であれば、簡単な装置で助けてあげれば短期間で治って安定するという代表的なケースです。いわゆる本格矯正治療ではなく、予防矯正治療とか咬合誘導と呼ばれている範囲に入るでしょう。
今日の内容は歯科医師向けだったかな~?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする