福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

論文が届いた

2007-08-03 | むし歯予防の話
九州大学小児歯科の同門で現在長崎大学で仕事をしている佐藤先生から、論文の別刷が送ってきました。
少し前のブログでも紹介しましたが、哺乳(母乳&人工乳)とむし歯の関連についての研究を進めている人です。
断乳(卒乳)が遅れると上の前歯付近にむし歯が発生しやすいというのは、臨床統計的には随分以前から分かっており、現在でも同様の結果が出ています。歯の表面につくられたバイオフィルムで増えたミュータンス菌が酸をつくって歯を溶かすというのが通常のむし歯発生メカニズムなのですが、母乳&人工乳のラクトース(乳糖)をこのバイオフィルム上のミュータンス菌に作用させても酸をつくらないという結果が得られたとのこと。
じゃあ母乳などはむし歯の原因にならないの?というと、そういう訳ではなく、バイオフィルム上でなく口中に漂っているミュータンス菌とか母乳/人工乳+離乳食中の糖分での酸産生などが考えられるようです。
クラシックな内容ですが、意外とその真実は不明なんですね。

コメント
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