「いつか浜辺のパラソルの下で、気分よくビールを一杯やりたい」
っていう主人公「野々」のセリフが題名になっています。
超厳格な父親が事故でぽっくり死んだ。
残された主人公「野々」と妹、兄そして母親の、新しいスタートを切るまでの「あがき」を描いた作品です。
超厳格さに苦しめられ続けたと思っていたのに、そんな父親に死後、浮気の事実が発覚。
そりゃ、裏切られたと思うよね。
だって、父親の超厳格さのせいで、自分の人生こんなになっちゃってる、
って思いながら、家族それぞれが暮らしてたんだから。
母親のすっかり力の抜けてしまった生活がリアル。
子供たちにしても、身の置き所もない。
親が死んでやっと、親を一人の人間としてとらえてみる。
そして、な~んだ親父もひとりのふつうの人間だったんだ、と思う。
と同時に、これまで父親のせいにしていた自分の人生を、どうしようと戸惑う。
いくつになっても誰かのせいにしながら、自分の弱いところを正当化している。
そうかもしれない、でもわかっちゃいても、甘えグセはなかなか変えられないもんです。
以下、本文からの書き出しです。
『・・・自分のダメなところから目を逸らすための言い訳。たとえば、
ストイックすぎる親に育てられるとこうなるんだって、心のどこかで
居直ってたんだ。ほんとは自分に自信がないだけなのに』
『人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。愛しても愛しても愛されなかったり、
受け入れても受け入れても受け入れられなかったり。それが生きるとい
うことで、命ある限り、誰もそこから逃れることはできない』
『めったに顔を合わせない間柄でも会えば会ったで各自がすんなりと
本来のポジションへ収まる。おのおのの血が役割を記憶している』
『誰だって親には恨みの一つもあるけど忘れたふりしてるんだ、親が老いて
弱っちくなるのを見てしょうがなく許すんだ、それができないでこれからの
高齢化社会をどうすんだ、みみっちいトラウマふりかざして威張ってるん
じゃねえ』
森絵都さん、こういうセリフをするっと書いちゃうところが、好きだなあ。
っていう主人公「野々」のセリフが題名になっています。
超厳格な父親が事故でぽっくり死んだ。
残された主人公「野々」と妹、兄そして母親の、新しいスタートを切るまでの「あがき」を描いた作品です。
超厳格さに苦しめられ続けたと思っていたのに、そんな父親に死後、浮気の事実が発覚。
そりゃ、裏切られたと思うよね。
だって、父親の超厳格さのせいで、自分の人生こんなになっちゃってる、
って思いながら、家族それぞれが暮らしてたんだから。
母親のすっかり力の抜けてしまった生活がリアル。
子供たちにしても、身の置き所もない。
親が死んでやっと、親を一人の人間としてとらえてみる。
そして、な~んだ親父もひとりのふつうの人間だったんだ、と思う。
と同時に、これまで父親のせいにしていた自分の人生を、どうしようと戸惑う。
いくつになっても誰かのせいにしながら、自分の弱いところを正当化している。
そうかもしれない、でもわかっちゃいても、甘えグセはなかなか変えられないもんです。
以下、本文からの書き出しです。
『・・・自分のダメなところから目を逸らすための言い訳。たとえば、
ストイックすぎる親に育てられるとこうなるんだって、心のどこかで
居直ってたんだ。ほんとは自分に自信がないだけなのに』
『人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。愛しても愛しても愛されなかったり、
受け入れても受け入れても受け入れられなかったり。それが生きるとい
うことで、命ある限り、誰もそこから逃れることはできない』
『めったに顔を合わせない間柄でも会えば会ったで各自がすんなりと
本来のポジションへ収まる。おのおのの血が役割を記憶している』
『誰だって親には恨みの一つもあるけど忘れたふりしてるんだ、親が老いて
弱っちくなるのを見てしょうがなく許すんだ、それができないでこれからの
高齢化社会をどうすんだ、みみっちいトラウマふりかざして威張ってるん
じゃねえ』
森絵都さん、こういうセリフをするっと書いちゃうところが、好きだなあ。
でも、すごい!
我が事を言われたかのような、ドッキリする文章が並んでいます。
あの親にして、この私あり・・・これはすごいトラウマで、いつもぶち当たる壁なのですが、
そうかー、確かに甘えかも知れないし、それを直す努力もしていないなーとか、思えてきました。
早く読まなければ、森絵都さんの作品。
とりあえずは、伊坂幸太郎さんを立て続けに読んでいるところです。
やくさんの「いつかパラソルの下で」も読んでみたくなりましたよ。
今度見つけたら買っちゃうかも。
ただ今順番待ちが一冊あります^^
ほかの作品に登場した人物が、こちらの作品にも登場してたり、ってこともあって、後を引く作家ですね。
忙しい毎日とは思いますが、pochkoさんの読書感想も伺いたいです。