江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

設立20周年

2012-01-22 23:51:45 | 向島百花園公演
私が師匠の元を離れ「江戸糸あやつり人形」を設立したのは、1992年2月。
今年20周年を迎えました。
独立したときは人形も何もなく、ただ自分が書いた人形の胴の設計図があったきり。
師匠に「良い人形遣いになりなさい」とは言われたものの、
実は人形を続けられるかどうかすらわからず、
私は敢えて人形とはまったく無関係の、トラックを運転してビールを運ぶ仕事を
アルバイトに選びました。
私自身を試したのですね。
全くの「無」から始めて、できるのかどうか。
今では私が作った「江戸糸あやつり人形」の名前を、人形の名前として使うところが
幾つかでてきました。
それだけ私たちの活動が確かなものと、認められたことになるのでしょう。

この20周年の記念に、私の父の絵を会場に飾る事にしました。
私の父・上條雄也は、92歳になる現役の画家で、口癖は
「印象派が白を使うことで絵をだめにした。絵の具は透明なのだ」
70を過ぎるころから自然に学ぶと風景画に取り組み、
自然の複雑な色の重なり合いを学びながら、奥の深い絵を描いています。
「5年長生きしたから、新しい発見ができた」



父の書いた水彩画を5点展示します。
上の写真は2010年の作品「激流の中の岩」
私が小さなデジカメで撮影したもので、真ん中にガラスの反射が写っています。
実際にご覧いただければ幸いです。

ささやかな父子共演です。
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恩人の死

2012-01-21 00:28:26 | 日記
浅草21世紀の座長 橋達也さんがなくなられた。

浅草21世紀といっても、ご存じない方が多いと思う。
エノケンを代表に、浅草軽演劇、浅草喜劇が大流行した時期があった。
その火を消さないようにと、故・談志師匠のすすめもあって
橋さんが座長となって浅草木馬亭を本拠地に始めたのが、この浅草21世紀。

江戸糸あやつり人形にいろいろあったとき、人の紹介があって、
年に2度ほど出演するようになった。
「楽屋は明るくなくちゃいけないよ」
というだけあって、ともかく楽屋が楽しい。
私たちは、座長に救われたと思っている。

楽しいだけではない。
芝居を見ているだけで、喜劇の勉強になった。
また古き良き時代の芸人の話しも、可笑しく、そしてためになった。
毎月8日間11ステージの公演である。
出演していなくても、できるだけ毎月観に(遊びに?)通っている。

ただ、毎月興行を打つということは、それは大変な事である。
そんな心労がたまっていたのであろうか。
74歳では、あまりにもわかすぎる。
もっと生きていて欲しかった。
ご冥福を、、心より祈るばかりである。
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品川心中?

2012-01-19 23:46:49 | 向島百花園公演
なんだかふざけたような芝居の題になってしまった。

落語を題材にした芝居は、古くからいろんなところで演じられている。
私自身も昨年夏、横浜にぎわい座の企画で「牡丹灯籠」を浪曲と共演した。
実は構成段階から関わったのだが、
落語から芝居にする難しさを、たっぷりと味わった。
落語はよく場面が変わる。
聞くほうは頭の中で想像しているから付いて行けるが、
芝居となると、なかなかそういうわけには行かない。
また噺家も、その場で組み立てて言ったりするから、いろいろ変わっていたりする。
極端なものになると、主役がどんどん変わったりする。
つまらないと別の話しになったりするのだ。

この「品川心中」も、それまでの話しそっちのけで終わってしまう。
昔はちゃんと結末まで演じられていたそうだが、きっとつまらなかったのだろう、
いまは全く演じられないようだ。
資料も手に入らなかった。

実は、今回のは再演になる。
3年ほど前向島百花園の企画で、新内の新内幸照さんと共演した。
新内は、故・志ん朝師匠と花柳衛彦さん、新内枝幸太夫さんの3人会で創られたもの、
それを元にといわれたけれども、スターが3人集まっているので、
それぞれが引き立つように創られていて、
キャラクターや筋が通っていなかったりした。
それで落語を元に随分書き直したのだが、
自分としては、終わり方が小さくまとまってしまった感じがして、
評判は良かったのに、何とか直したいと思い続けていた。

その思いが通じたのか、今回ふとしたひらめきで、ある有名な落語のネタを
取り入れることを思いつき、実に上手くまとまった。
そこで「品川心中?」となった。
その落語がなんであるかは、見てのお楽しみである。

春雨や雷太さんは、落語芸術協会の二つ目さんである。
女郎噺は、若いうちは無理といわれているそうだが、
また芝居は初めてという雷太さんだが、
なかなかどうして、真面目に芸熱心なだけに、なかなか面白くなりそうである。
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浅草

2012-01-15 23:41:10 | 日記
お客さんを見ていると、土地柄というものは、
もしかしたらあるのかもしれない、と思う。
決してどこが良くて、どこが悪いと言う話ではない。
それぞれの反応があって、面白いのだ。

浅草の土地柄は、浅草喜劇の伝統があるだけに、
笑いの求め方が独特に感ずる。
ある意味気持ちよく乗せてもらえるので、やりやすいところがあるが、
逆に恐いところがある。
お陰様で今日も、心地よい緊張感を味わってきた。
有難いことである。
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福島は雪だった

2012-01-15 00:12:23 | 日記
今日は福島でのある企業の催し。
昨日の夜に入った。
東京での天気予報では、晴れ時々曇り。
そのつもりで車を走らせたら、那須辺りから雪がちらつきだして、
福島に着いた時は雪が積もっていた。
車にスタッドレスを履かせているが、私たちの靴はノーマル。
雪と知っていたら雪靴を履いていったのに、と、後の祭り。
滑ること、滑ること。

そういえばもう40年近く前の話、
私が高校3年生の12月、前日雨が降った夜に冷え込み、
道は氷が張ってつるつる。
これで滑って転んだら大学受験は失敗、と思っていたら、
見事すってんころり、ズボンの脇がすっぱり裂けて
受験も失敗。
いまじゃ転んで心配なのは骨折。
そんなことを思い出していた。

福島は大分元気になってきた感じがする。
ただそれは中通や会津に住んでいる人に限られるかもしれない。
原発に追われた人は、と、つい思ってしまう。
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