江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

訃報

2009-11-25 19:44:24 | 日記
新聞を開けて私は、思わず大きな声を出してしまった。
房代ちゃんが死んだ
かみさんが飛んでくる。
二人しばし絶句。

亀山房代、享年42歳。

初めて会ったのは96年。
彼女は関西テレビの”痛快!エブリディ”のレポーターだった。
私たちにしてみれば初めてのテレビ出演。
本番は大阪で生放送だったが、その前に彼女はテレビのクルーと一緒に
我が家に取材に来て、講釈師風に私たちのことを紹介してくれた。
事前に吉本の芸人が来ると聞いて、私たちは身構えていた。
ガチャガチャした芸人が知ったかぶりでしゃべくりするのではないかと。
ところが彼女は礼儀正しく、会ったとたん私たちはその人柄に惚れ込んで
しまった。
衣裳屋さんに渡されたと着物と袴を持ってきていたが、袴をはいた事が
ないという。
私たちが着付けたのは言うまでも無い。
それ以来の付き合い、といっても年賀状だけで、それでも時折結婚したとか
子どもが生まれたとか連絡が来て、二人で喜んでいた。

里見まさとさんと組んで10年目のとき、文化庁芸術祭に参加すると言って
私たちに声が掛った。
私たちが何の力にもならなかったのだろう、残念ながら賞を取ることには
ならなかったが、二人の漫才をたっぷり聞いて、すっかり二人のファンに
なってしまった。
吉本一の稽古量だと聞いた。
彼女は生真面目で、不器用で、でもお笑いがめちゃめちゃ好きで
ともかく一生懸命だった。
そしてそれを受ける里見さんが、また一生懸命だった。

その二人がコンビを解消すると聞いたとき、彼女はどうするのだろうと
真っ先に考えた。
東京から誘われたけれど、大阪のお客さんに育てられたいから大阪に残る
彼女はそう言っていた。

先週の金曜日、ざ・ぼんちの漫才をテレビで見ていた。
里見さんが大きくなったなと感心しながら、二人で房代ちゃんの事を思い
出していた。

子どもの入園式のときだろうか、まるで弾けるように二人満面の笑顔で
飛び跳ねている写真が送られてきていた。
その素敵な笑顔を私たち二人の記憶に残して
彼女は逝ってしまった。                   合掌
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