江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

大須 魑魅魍魎絵巻

2013-10-24 00:01:21 | 大道芸
私が独立後初めて芝居を上演したところは、外だった。
名づけて「大道芝居」

若手劇団の舞台監督に何度か付いたが、
劇場での公演を、余りにも当たり前に考えていることに疑問を持ち、
もし劇場や照明、大道具などを取っ払ってしまったらどうなるのだろう
と、始めたのがこれだった。
そしてこれは、ものすごく勉強になった。

デカルコ・マリィ~さんから声をかけてもらったとき、
この「大道芝居」を思い出していた。
素直にやってみたいと思った。
ただ違いが2つ。
1つは台詞がなく、踊りであること。
そしてもう1つが、
これが大きいのだが、
即興の要素が大きいこと。
ともかく稽古が、ない。
メンバーはマリィ~さん始めほとんどが大阪の人で、
東京は私たちともう一人ミュージシャンだけ。

まだ流れが決まる前1度だけ東京で
仮の人形で2時間ばかり当っただけで
後はメールと電話だけ。
会場も、当初予定していたところから変わったため、
私の中で、人形をどう仕上げるか全く分からなくなってしまい、
色を付けしては消して、
をぎりぎりまで繰り返していた。

金曜日は18時から会場で、
マリィ~さんからもらった「流れ」を確かめる。
その日初めて会う人も多く、また当日にならなければ来られない人もいる。
音は出せない。
そう、これはあくまでも即興なのだ。
それでも基本的な流れだけ作る。
私には素敵な女性が2人付いて
この3人が一組になってマリィ~さんと対峙する。
どんな動きができるか探り、
ざっと流れを作るのに3時間半掛かった。

さて土曜日、
私も衣裳を変える。
ただ頭巾は同じ。
これが良くなかった。
全てが手探りの中なのに、
頭巾に明かりが当ると、マリィ~さんの動きが見えない。
全体として少し間延びしたものになってしまったようだ。

ミュージシャンが感想を聞きに来たので、
素直に答える。

そして日曜日。雨。
ところが開演30分前に上がったのだ。
準備をしていて、頭巾を忘れたのに気付く。
咄嗟に帯に使っていた布の1枚を抜いて、
片目だけ出すように顔に巻きつける。
それがどう見えるかは分からなかったが、
登場したら子どもが「恐い」と何度か言ったから
そのように見えたのだろう。
でもそのお陰でよく見えたし、気もグッと入った。
濡れた地面に関わらず、いやそれだからこそ
観客は静かに見入っている様子。
結局昨日と余り変わらない1時間ほどの作品になったが、
ハプニングは当然あったにもかかわらず
小さな子どもたちが最後まで見ていたほど
上手く展開し、音も実に良く、密な舞台が出来た。
面白かった。
久し振りに余韻を引きずってしまった。

素敵な女性たちは



左は野口さん、右は石井さん。

そして人形たちは

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