江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

都鳥

2015-08-02 00:35:45 | 人形について
「都鳥」は夏の出し物。
だから年に数回しか遣わないのだが、
これを創って、私の女形の遣い方が、
ガラリと変わった、
私にとってとても大切な踊りである。

糸あやつりの世界では、「三番叟」と「獅子舞」以外の演目は
全部浄瑠璃もので、
踊りも浄瑠璃ものになる。
だから私が「黒髪」を創った時と相前後して
師匠が「雪」を創ったが、
地唄舞はそれらが最初であり、
長唄舞踊では、「都鳥」が多分最初になるだろう。

それだけ舞踊や舞は難しい。

衣裳は遣い終わると脱がし、遣い初めに着せ直す。
役処は旦那を待つお妾さんというところか、
だからちょっと着崩れしているように着せる。
こういう着せ方は、多分他ではないだろう。
それでいて色気が出なければいけない。

この色気というのが、難しい。

最初、襦袢の襟に襟心を入れたが、抜いた。
帯板を入れていたが、それも抜いた。
帯は「だらしな帯」という、すぐに解ける帯の締め方。
出来上がりはほっそりとしていたが、
色気が足りないので、
胴に綿や柔らかい布を巻いて、肉付きを良くした。
肩糸だけ通して、そのまま数日放置し、様子を眺めている。

少し色気が出てきたかな。

でもきっと使っているうちに、気に入らなくなるのだろう。
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