マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『沖縄密約』(西山太吉 岩波新書)を読む

2010年03月22日 | 読書

 今日(3月22日)は、我が家の味噌作り。妻の友人のTさんと私を含め3名で22Kgの味噌を作る予定は3月7日でしたが、Tさんが怪我をし、妻の体調が思わしくなかった事も重なり、今日まで延び延びになっていました。

 味噌作りは、総計ではかなりの時間を必要としますが、大豆を茹でている間は暇です。この間を利用して、半分ほど読んでいた『沖縄密約』を読み終わりました。
 今から38年前、当時毎日新聞記者であった著者西山太吉さんは、沖縄返還に関する「密約」の機密電文を入手し、それを社会党(当時)横路議員(現衆議院議長)に手渡します。横路議員はこの電文のコピーを基に国会で政府を追及し、世論は政府を強く批判しました。当初は西山記者に拍手喝采を送り、西山さん逮捕を言論弾圧と政府を非難し、西山さんを擁護した国民やマスコミは、著者が外務省の女性事務官と”ひそかに情を通じ、これを利用して”唆して文書を入手したとの検察表現を境に”バッシング”に転じます。最終的には”国家機密漏洩教唆の罪”により、懲役4ヶ月(執行猶予1年)の有罪が確定します。
 最近この秘密文書の存在が政府により明らかにされました。漸く「国家のウソ」が白日の下に明らかになり、これに伴い西山さんがマスコミに再登場して来ました。先日の衆議院外務委員会に参考人として出席もしました。

 本書は上記の経過については余り書かれていません。書かれていることは「沖縄返還」交渉の経緯と「密約」が生まれた背景。
 「緊急時には沖縄に核を再持ち込み、通過する権利を認めよ」が米側の要求。これは「非核三原則」を唱える日本の世論と相矛盾します。米側の要求をのみ、日本の世論を納得させる(=欺く)為には、表向き「核抜き・本土並み」での返還を謳い、一方で「密約」により米側要求を”飲む”手法です。
 もう一つの問題点は返還に伴う補償や財政負担の問題。「土地の原状回復補償費」400万ドルを、米側が負担したかに見せかけて、実は日本側が”肩代わり”負担した事実。これも「密約」でした。
 これらが「密約」をせねばならなかった、日本政府側の、特に外務省と財務省(当時大蔵省)の置かれていた状況。数々の文書を通じその事実が述べられていました。
 読み終えて、政府の”密約否定”はとうていあり得ないと納得出来、本書で述べられた「国家のウソ」は氷山の一角ではないかという想いを強くしました。
 

 

 

 


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