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どんぐり眼日記

昔は日々の日記として、今は見た映画の忘備録として更新しています。

「ミュンヘン」

2006年02月05日 | 映画
スピルバーグの新作「ミュンヘン」を観に行った。
ミュンヘン・オリンピック開催中に起きたテロ事件とその後を描いた作品。リアルタイムでこのニュースに衝撃を受けたりした記憶は無いし、時代背景や動機等、勉強不足で知らない事ばかり、そんな状態で見たから、事件の経過は分かるのだけど、そもそも、どうして起きたのかという何故?の部分が非常に気がかりなまま映画を見る事になりました。
現代を考えるとどうしても9.11のニューヨークでのテロとその後の事を重ねて考えてしまう。
そんな今、スピルバーグは何を描きたかったのか、何を伝えたかったのか?に興味はあったのですが、見終わってそれ程、はっきりとは伝わって来なかったというのが正直な感想。
結局、いつもと同じく家族愛をメインの軸として、残酷趣味もいっそう露にしたスピルバーグらしい映画。途中、ユダヤの掟というか信条みたいなものも語られる所も多く、何が正しいのかを自問自答する所、そして答えを出す所が描きたい所だったのだろう。
ラストカットの風景も現代から見ると、とても象徴的だ。
テロ、そして報復がどのような連鎖をするのか?そして、どのように行なわれてゆくのかが、描かれていて考えさせられる映画でした。
そして、僕はやはりテロが何故起きたのか?そこを自分の視点だけでなく本当に相手の視点になって一度、理解をする努力が報復よりも大切じゃないのかな?と感じます。
しかし、現実は厳しい。世界的な政治的な動きや力関係もあり一筋縄ではいかないもの。
映画としては爆弾絡みのサスペンス的な演出が印象的でした。
パンフに入っていたチラシで、この事件についてのドキュメンタリー映画がある事を知り、より深く知りたいと思ったので是非、見てみたいと思いました。